FMC Advent Calendar 2021 (12/6)

この記事はFMC Advent Calendar 2021の6日目の記事です。12/5の5日目の記事はRkidさんが担当されました。

スクランブルと解法

Scramble: R' U' F B U2 B2 L' F2 R D2 F2 R F2 L F2 D' L B' F' L D U' B' L2 R' U' F
Solution: D F2 L' U L' D2 L U' R' L' D R D2 L' D2 L2 D' L U2 R2 L2 U B D' F' (25 moves)

(Inverse)
Pre-scramble: L' F2 D'

Orient edges: F D B'
2x2x2 block: D2 U % R2
F2L minus 1 slot: L2 D2 % L' D L2
All but 3 corners: D2 L D2 R' D' R D2 * L'
Correction: L' F2 D'

Insert at *: D2 L U L' D2 L U' L'
Insert at %: E2

思考過程

 12/2にやりました。去年思考過程をあまり書かなかったのがなんかアレみたいだったので、今年は思い出しながら書いてみます。
 いいc/eペアがないので、EOスタートをまず探しました。ノーマルではあまり良いのがなかったのですが、インバースで F D B' があり、その後 D2 U  R2 で2x2x2ブロックができたので、このスタートから探していきました。
 そのまますぐにはつながらなかったので、ノーマルにスイッチすると、
c/e pair: D
More square: F2 D2 F2
More square: U L U'
F2L minus 1 slot: F2 L2
を見つけたのですが、エッジが残り2点交換になっているせいであまりうまいfinishが見つかりません。D F2の後いろいろ試してみたのですが良いのが見つかりませんでした。
 D F2 で FR スロットにc/eペアが入るので、この後インバースにスイッチしてこのc/eペアを入れれば2x2x3ブロックができるなと思って、インバースにスイッチしてみました。すると F D B' D2 U R2 の後、
2x2x3 block: L2 F2 L' F2
F2L minus 1 slot: D' L
All but 3 corners: L D R' D + L' D' R D2

Insert at +: D B2 D' F' D B2 D' F
で28手が出ました。F2L minus 1 slot の後、L D2 L' Dで5コーナーになるのですが、結局同じ手数のものしか見つかりませんでした。
 1手キャンセルか〜もう少しキャンセルして欲しかったな〜と思いながら、スロットを入れる順番を変えてみたらどうかなと思い、F D B' D2 U R2 の後に試してみたら、
Pseudo F2L minus 1 slot: L2 D2 L' D L2
と擬似F2L minus 1 slotができました。その後素直に
All but 4 corners: R D' R' D2 L'
とすると、探し方が悪かったのかあまり良いインサートが見つかりませんでした。そこで(実際はノーマルで見つけましたが)
All but 3 corners: D2 L D2 R' D' R D2 * L2
とすると、
Insert at *: D2 L U L' D2 L U' L'
で26手になりました。この時点の解法は
D F2 L' U L' D2 L U' R' L' D R D2 L' D2 L2 D' L [D2 R2 L2 U' D2] B D' F'
なんですが、回してみると[D2 R2 L2 U' D2]のところがなんかちょっともどかしいというか、U2 R2 L2 U で良いですよねという話があるので、置き換えました。もうあまり新たなことを試す時間が残ってないのでこれを提出することにしました。
 試行錯誤やインサートに時間がかかったのでDRベースの解法は探せていません。

キューブをやっていて良かったこと

 せっかくなんで何か書こうかと、キューブをやっていて個人的に良かったこと(過去の自分がびっくりしそうなこと)でも少しまとめてみようと思います。よく言われる、頭が良くなるとか空間認識能力が高まるとかいうことは残念ながらまったくなかったんではと思います。

1. 夢中になる体験ができた
 僕がキューブにハマったのは26歳のときで、この歳から新しくこんなに夢中になるものが見つかるとは思っていませんでした。学食で夕飯を食べた後に後輩が研究室でやっていて、完全一面の作り方を教えてもらってから、あまりに面白くてネットで残りの揃え方を探して、見ながら何度も繰り返しやっていました。気付いたら朝になりその後輩がおはようございますと入ってきたのを覚えています。本当に揃えるのが面白くて、本業以外の時間はほぼキューブにあてる日々になりました。こういうものがあると過ごす日々の濃さがまったく違います。
 特に過去の自分がびっくりしそうなこととしては、目隠しでキューブが揃えられるようになったことですね。僕は暗記が大嫌いで、例えば大学入試などでも暗記がからむ科目は嫌で嫌で仕方がなかったです。目隠しでキューブを解くとなると当然暗記というか記憶が必要なので、それができるだなんて考えもしないと思います。ただ、ハマっていたキューブのことであるのに加え、暗記が嫌だからこそ「できたらめちゃくちゃかっこいい」という考えになって取り組んだのだと思います。
 でも目隠しでは覚えないと揃えられないから仕方なく覚えているのであって、覚えるのが嫌だというのは結局変わっていません。例えばスピード解法でもOLL + PLL(57 + 21 = 78通り)を全部覚えるのが嫌なので、Petrus method(最初から上面にクロスを作っておくメソッド)を使ってCOLL + EPLL(40 + 4 = 44通り)を覚えるという選択をしたりしています。

2. 交流関係や行動範囲が広がった
 キューブを始めてから、各地で開かれる大会に出るようになって、本当にびっくりするくらい色んな所に行くようになりました。それまでは旅行なんて絶対自分では計画しなかったのですが、面白そうな大会があるぞとなれば国内でも国外でも行くようになり、旅行の知識も増え、かなり旅行に対するハードルが下がったと思います。それに伴って交友の世界もすごく広がりました。年上の人から年下の人まで、また国内から国外まで、幅広く知り合いが増えましたし、近くに行ったら一緒にご飯を食べに行く人や泊めてくれる人がいるというのはキューブを始める前では考えられません。
 キューブ関係者以外の人とでも、キューブができると一発芸として割とうけるので、コミュニケーションツールとして最初の頃は役立ったように思います。ただ、ある頃からキューブを出すこと自体少し恥ずかしいというか、何か見せびらかすのがはばかられるようになり、自分からはキューブを出さないようになりました。

3. 英語がある程度できるようになった
 僕はそもそもは英語はまったくしゃべれませんでしたし、TOEICもめっちゃ対策がんばって600点くらいで、正直言って苦手でした。英語がネックになることが起きるたびに嫌な思いをしていました。ところがキューブを始めて、特にFMCを始めてからは、国内での情報がほとんどないため、英語の掲示板(speedsolving.com)や選手権サイトを良く見るようになりました。そこで書き込みなどをしてやり取りするうちに、英語を書くのがだんだん慣れてきました。それで海外の大会に出てやりとりをしているうちに、何となく会話もだんだんできるようになってきました。別に流暢とはほど遠いレベルですが、英語に苦手意識があった頃に比べれば大進歩だと思います。
 英語のコツはsmall talkだというのを聞いたことがありますが、何となくその通りかなという実感です。ともかく短い英文を何度も書いたり言ったりするのを繰り返すうちに、すごく時間がかかっていたのがだんだん短くなってきたように思います。その練習に掲示板でのやり取りは結構役立ったのかもしれません。

おわりに
 以上の3つは、実は別にキューブでなくても、他のことにハマっていてもできたことなのかもしれません。Lars Petrus さんのサイトで好きなページ(The Zen of the cube.)から翻訳して引用すると、

 キューブを速く解けるようになることって、ほとんど不必要と言えるスキルである割に、習得に非常に多くの時間がかかる上、別に特に異性にモテるようになるわけじゃない。もし君が他に何かもっといいものがあるでしょというなら、はい僕は同意します。たぶんそうなんでしょう。
 それでも、誰にでも重要だと思うのは、何でもいいから、何かを非常にうまくできるようになるということ。それが何かというのはあまり重要ではないと思う。もし君が一つ何かをマスターしたなら、他のことをマスターするのが少したやすくなるはず。そして何かが非常にうまくなることって気分が良いし、くつろげるし、楽しいんだ。

ということが書いてあります。それにほぼ僕も同意するし、別に他の人に「こういういいことがあるからキューブをやったら?」と強くすすめる気は特にありません。
 ただ、僕自身は、キューブに出会えたこと、そしてキューブをしていたからこそできた体験や出会えた仲間がかけがえのない宝物です。この場をお借りして感謝します。ありがとう、これからも。

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