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第25回いっぽんカフェin 津山・トトロの家 「ひきこもり『8050問題』を考える」(2024年7月20日)  報告

 

「ひきこもり『8050問題』を考える」(2024年7月20日)  報告





*「8050問題」とは、80代の親が50代の子どもを支えるという問題です。

*参加者30人(うち、県議1人、市議1人、町議2人)

川島和子さん(NPO法人津山・きびの会)のお話


川島和子さん



〇津山・きびの会は、2005年に発足。不登校・ひきこもりの当事者及び家族、支援者で構成する団体です。2007年9月、NPO法人になった。

〇ひきこもりの原因はさまざまですが、「今、ひきこもらなければ生きていけない」という状態。

   ひきこもりの人に対して「怠けている」「わがまま」「怠慢」などと言われることがあるが、学校や職場など社会に不安を抱き、自己防衛策として社会との関りを拒否し、自分の殻に閉じこもっている。

   そして、時期が来たら、社会とつながりを持ちたいという時がくる。

〇ひきこもりの本人が直面している状態は

・自信を失っている 
・将来に対して大きな不安感を抱えている 
・どうすれば良いかわからないでいる 
・ひそかに脱出口を探している

○ひきこもりの本人が直面している困難は

・本音と本心を表現すること 
・理解してもらえないこと 
・関係性の修復 
・外出すること

・社会参加すること

〇親(家族)が直面している状態は

・自信を失っている 
・親類・地域・友人から孤立している 
・評価を気にしている 
・将来に対して大きな不安感を抱えている 
・どうすれば良いかわからないでいる  
・疲れ果て・困り果てている

○親(家族)が直面している困難は

 
・子どもの生活状態や問題(行動)を理解できないこと 
・解決方法がわからないこと
・社会からのネガティブな評価による苦しさ(社会の誤った理解・評価)  
・打開策がないこと、出口・脱出口が見つからないこと  
・未来や将来に対して希望を失っていること

〇支援について

・行政・就労支援サービスについて、担当や支援者の無理解や配慮のなさによって、再び引きこもったり支援から離れてしまうことがある。研修等による支援者の理解促進。支援サービスの充実。

・安心できる居場所つくり。長い間ひきこもっていた事の不安を話せる場や人。自助会。

      トトロの家。

・「自分が生きていていいと思えない」ほど自己肯定感が決定的に失われている当事者にとり、支援のはじめの一歩が「就労支援」ではハードルが高すぎる。即就労に結び付けるのではなく、当事者の声をよく聞いて、その人なりの生活を認めて、「就労支援」の手前の支援を。

話し合ったこと

〇経済的な問題がある。特に80代の親は困っている。親の葬式代もない。親亡き後も心配。

 〇厚労省は、ひきこもり支援について「全ての市区町村に対し、原則、令和3年度末までに①~③の取組を要請」(資料参照)しているのに、市町村の取組が遅れている。

 〇支援者の専門性が大切。

 〇息子を津山市内の精神科に送って行っているが、自分も高齢なので、町村に定期的に精神科の診察に回ってほしい。

 〇就労支援の前に、楽しむ、遊ぶことから始めてほしい。そのための予算も。

 


「いっぽんカフェ」アンケートまとめ


(※ 番号は、単なる通し番号)

◆川島和子さんのお話で思ったこと

①話が分かりやすく、詳しくて良かった。具体例が少しほしかった!?ひきこもりではないが、私は高校の時、不登校の経験があります。いくらかでもひきこもりについて理解したい。ひきこもりの事は少しは聞いたが、深く考えたことはないです。

②印象にのこったこと。

 ・ご本人は、命を守るためにひきこもっている。でもいつか必ず出たいと思う時が来る。

 ・いつでも逃げ出せる場所、安心できる場所が必要。

 ・浪費のように見えて、本人なりに考えてお金を使っていることもある。本人の思いをきくこ

とが大切。

 ・最初に出会う支援者が安心して話せる人、寄り添ってくれる人であってほしい。そうすれば本当に困った時に助けて!と言える。

③現実の引きこもりの問題を知りました。

④自分のことを取り出して話してくださったことで、ひきこもりの実情がよくわかり、身につまされました。ありがとうございました。

⑤自分にもあてはまるところがあると思った。

⑥雇用面での企業への経済的支援。企業とひきこもりの方へのマッチング活動ができる場所づくりが必要だと感じました。

⑦川島さんが個人的にこんなに御苦労されたと知らなかったのでおどろきました。

⑧何十年も前から引きこもってきた息子さんは、どれほど深く傷ついて、社会から距離を置いてきたのか、胸が痛みました。社会にとって都合の良い人間を製造して、少しでも規格に合わないと排除するしくみをなんとか変えないとダメですよね。

 

◆毎日のくらしの中で、こうしたらいいなあ、こんなことが気になっている、など

①津山市に社会福祉士を採用してほしい。

②同年代の友人がほしい。

③民、政が一体となって取り組める世の中が理想だし、目指します。

④もっとみんなで弱音がはける、そしてお互いに支え合える社会になればいいなと思います。

⑤ひきこもりの当事者どうしは交流が可能(共感できる)?当事者どうしが結びついて言葉にできるのが、良いと思うのですが。

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