#195 エルム街の悪夢

**『エルム街の悪夢』（A Nightmare on Elm Street, 1984年）**は、ホラー映画の名作であり、ウェス・クレイヴンが監督・脚本を手掛けた作品です。この映画は、スラッシャー映画としてだけでなく、超自然的な要素を取り入れた独自のストーリーテリングで注目を集めました。また、この映画は一躍シリーズ化され、ホラー映画の伝説的キャラクター、フレディ・クルーガーが誕生しました。

### あらすじ
物語は、ティーンエイジャーたちが共通して奇妙な夢を見るところから始まります。その夢の中には、顔が焼け爛れた恐ろしい男、**フレディ・クルーガー**が登場し、鋭い爪のついたグローブを身につけて彼らを追いかけます。夢の中でフレディに殺されると、現実でも命を落としてしまうという恐ろしい現象が続き、主人公のナンシー・トンプソンと彼女の友人たちはこの脅威に立ち向かうことになります。

フレディはかつてエルム街に住んでいた子供たちを虐殺した男で、親たちによって火あぶりにされた過去があります。しかし、フレディは死後も夢の中に存在し続け、復讐を果たそうとします。ナンシーは夢の中での戦いに挑み、現実世界でもフレディの脅威を打ち破ろうとします。

### 主な出演者
- **ヘザー・ランゲンカンプ**（ナンシー・トンプソン役）  
- **ロバート・イングランド**（フレディ・クルーガー役）  
- **ジョニー・デップ**（グレン・ランツ役）  
- **アマンダ・ウィス**（ティナ・グレイ役）  
- **ジョン・サクソン**（ドナルド・トンプソン警部役）  

特に、ジョニー・デップはこの映画で映画デビューを果たしました。

### 評価と影響
『エルム街の悪夢』は、その斬新なコンセプトと恐怖演出で高い評価を受けました。フレディ・クルーガーというキャラクターは、他のスラッシャー映画に登場する無口で無表情な殺人鬼（例：ジェイソン・ボーヒーズやマイケル・マイヤーズ）とは異なり、皮肉たっぷりに話すことでも有名です。この特徴がフレディを印象的かつ忘れがたいキャラクターに仕立て上げました。

映画は批評家からも称賛を受け、特にその独創性と、現実と夢の境界を曖昧にする恐怖感が評価されました。また、製作費が約180万ドルと低予算ながら、興行収入は全世界で約2,500万ドルを超える大ヒットを記録しました。

『エルム街の悪夢』はホラー映画史において重要な位置を占めており、その後多数の続編やスピンオフ、さらには2010年にはリメイク版も制作されました。