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新温泉町議会、定数減。16人から14人へ。

2023年11月9日の議会のあり方特別委員会で、議員定数について一定の方向が示されました。
現状の16名から2名減の14名の方向です。

無記名投票の多数決によって決めましたので、理由は議員個々で異なると思います。

ここでは、議会の状況と私の考えをお伝えしたいと思います。

方針の概要

2023年3月に「新温泉町議会のあり方等調査特別委員会」が立ち上げられ、議員定数や議会運営について調査検討することとなりました。

4,5,6月の議員同士での検討、
7,8月の議員定数に関するパブリックコメント、
10,11月の議員研修での内容、
を経ての、11月9日の方針決定です。

決定にあたり、委員14名による無記名投票が行われました。
記入するのは、自分が考える議員定数。過半数を得た定数で決まります。過半数を下回る形で票が割れた場合、上位2つでの決選投票となります。
結果は、[12名]が3票、[14名]が9票、[16名]が1票、1名欠席でした。

今回の投票で私は、[14名]に入れました

今回の結果をもって、「議員定数減、定数14名」を12月定例会で報特別委員会として報告。
同定例会で定数減の条例改正案の提出。
同時に、2023年3月に議案として出され継続審査された「議員定数減の請願書」が諮られる予定です。

条例改正案が通れば、次回選挙(2025年予定)から定数14名が適応されます。


議員研修の内容

10月と11月に議員定数に関連する研修がありました。新温泉町議会議員は全員参加しております。

①2023年10月12日「議会改革と議員定数」

美方郡町議会連絡協議会研修会において、自治体議会研究所の髙沖代表から「議会改革と議員定数」をテーマにお話いただきました。

議会は議決するだけの機関ではなく、審議・熟議する機関であること。
当然、首長の追認機関ではない。
町長と政策で競争する二元代表制の機関として、議会を機能させなければならない。
議会の役割を十分に発揮するために、議会力を強化しなくてはならない。
だからこそ、議員定数の削減は議員がすべきでない

といった感じの内容でした。

非常に理路整然としており、理屈から言えば定数を削減すべきでないことが明らかです。

②2023年11月6日「質疑・質問のあり方」

兵庫県町議会議長会主催の議員研究会において、早稲田大学マニュフェスト研究所ローカル・マネージャー兼招聘研究員の長内氏から「質疑・質問のあり方」をテーマにお話いただきました。議員定数が主題ではありませんでしたが、お話のなかで議員・議会のあり方についても触れられました。

議会は立法機関でもある。
執行機関は住民の代表ではない。
定数削減は過去のトレンド。定数の削減はやめましょう。

といった感じの内容でした。

いずれのお話でも、住民の代表である議員を減らすことは議会制民主主義の役割を低下させること、と結論づけております。


パブリックコメント実施結果

7,8月に実施したパブリックコメントの実施結果が町ホームページに公開されております。

129件の応募がありました。
内容はほぼ全文をPDFで公開しております。(特定議員や他町を誹謗中傷した内容等は削除されております。)

いただいたご意見を「人口減少と議員定数」(98件)、「議会改革と議員定数・報酬」(12件)、「議員定数のあり方」(3件)、「議員活動の姿勢」(8件)の4つのカテゴリに分け、委員会の考え方として回答しております。

ご意見のほとんどが12名への定数削減を希望するものでしたが、パブリックコメントの制度の性質から、応募人数ではなく内容を参考にさせていただいております。
また、「12名でパブコメ提出しよう」というような活動もあったと聞いております。投票やアンケートとは性質が異なりますので、ご理解いただきたいです。


私の考え

10月の郡の研修、11月の県の研修で、講師先生から「議員定数は減らすべきではない」「定数減は過去のトレンドだ」というお話がありました。
そんななかで、2名減の決断は、町民の声を少しでも反映しようとした議員の気持ちの現われであると私は思います。


私は過去に発行した議員報告チラシで議員定数について言及したことがあります。

PRESS OKASAKARYOTA #2(2022年11月発行)の一部

発行物の内容と被るところはありますが、なぜ14名に投票したのか、私の考えを述べます。

発行物の図2を参照し全国の町村議会と比較すると、人口1.3万人で定数16名という数は、多めではあるが決して多すぎるものではないと言えます。議員を減らせば、議員が持つ専門性の幅が狭まりますので、チェック機能や声を反映する力は弱まるでしょう。
そのような背景で、議会のあり方として定数を削減しないのが理想的なものであると考えますが、人口減少を考えると定数減は仕方ないとも思えます。
検討の材料は人口だけではありませんが、人口減少はやはり大きな要因となります。

定数減にあたっては、10,12,14名の選択肢があるかなと思います。
(15名などの奇数にすると、議長を除いた14名で採決を取ったときに同数となる可能性が高まるため望まれません。)

10名、12名について。
10名にすると現在の定数から37.5%減、12名にすると25%減少となります。組織において、20%以上も一気に減ると組織崩壊のトリガーとなりえます。企業の場合だと、通常は人員削減と同時に配置替えや業務量削減を行います。また、大規模リストラ(レイオフ)と言われるものでも大抵10%程度の削減です。

議会の場合、配置換えも業務量削減も不可能に近いです。
人口が減っても行政の業務量はたいして減りませんし、町の面積が減るわけでもありません。元々議会の機能は最小限に近いものであり、機能以上のものは議員の資質と努力であると私は考えております。

定数が減れば、議員一人がやるべき仕事は増えます。さらに、議員は社会に求められる役割が拡大しつつある仕事です。

減少幅が大きいことは望ましいものとは思えません。
という理由で、私は14名に投票しました。


補足。
一気に減らすのがダメってことは、次期選挙で14名でその次(2029年見込み)は12名に減らしたいの?という視点が生まれるかと思います。

私の基準としては、やはり全国の町村議会との比較を参考にして決めたいです。
現状が「多め」です。14名に減って、「だいたい平均くらい」です。
過去の議員定数削減トレンドのせいで平均がグッと下がってしまったようですので、平均以上を維持するのが適切だと私は考えています。


※再掲

現在の全国の町村議会の図で確認すると、人口1万人を下回ってから定数の検討を開始する感じかなと思います。
ただし、あくまで今現在の私の考えであり、今後の社会の動き方によっては考えが変わる可能性が大いにあります。


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