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【オカルト朝活】犬鳴村伝説の全貌

おはようございます。『オカルトエンタメ大学』運営の小柳です。

昨晩から吉田悠軌先生による授業が始まりましたね。

今年公開され話題となった映画『犬鳴村』。
そんな犬鳴村を始めとする怪村(怪奇な村 ※我が校の造語)都市伝説についての授業です。

それでは早速、復習をしていきます。

日本を代表する2大怪村

・日本には2つの伝説的な怪村がある
→北九州・犬鳴村と青森県・杉沢村

・どちらも90年代後半からテレビとネットを通じ一大ムーブメントを巻き起こしたレジェンド怪村。今でも根強いファンがいる

・どのような村なのか?まずは犬鳴村から


犬鳴村伝説の概要

・北九州の旧犬鳴トンネル付近に普通では絶対に気付かない畦道がある

・畦道を進んで行った先にあるとされる村

・村の入り口に「この先、日本国憲法は適用しません」という看板がある

・先にある小屋には、骸が山積みにされている

・旧道の犬鳴トンネルには柵があり、乗り越えたところに紐と缶の仕掛けが施されていて、引っ掛かると大きな音が鳴り、斧を持った村人が駆けつける。村人は異常に足が速い

・全てのメーカーの携帯電話が「圏外」となり使用不能となる

・江戸時代以前から村人は激しい差別を受け、そのため外部と交流せずに自給自足の生活をしている。近親交配が続いているとされる

・日本の行政記録や地図から完全に抹消

・若いカップルが面白半分で犬鳴村に入り、惨殺された

→これらの噂は都市伝説の域を超えないデマ
→犬鳴村は存在しない
→何故これ程までにブームになったのか?


 
旧犬鳴トンネル

・実在するトンネルであり全国的にも有名な心霊スポット。今では封鎖されていて中には入れない

・1975年に新トンネルが開通し、旧犬鳴トンネルは廃道に。周囲で起きた事件なども影響し地元では有名な心霊スポットとなる。

・また1988年、旧トンネル付近で起きたリンチ殺人事件により、旧犬鳴トンネルは心霊スポットとして全国的に特別な存在に。心霊的な恐怖に加えて、現実的な恐怖も

・さらに1992年、2001年。旧トンネルに遊びにきた若者たちが自動車事故を起こす。犬鳴の祟りとしての恐怖も加えられて心霊スポットとしては強固な存在に
 
→これら実際の出来事により全国区になった旧犬鳴トンネル。そこに当時黎明期のインターネットが組み合わさる事で犬鳴村伝説が広まる事となる


犬鳴伝説の広まり

・1999年、2ちゃんねるに前述の犬鳴村にまつわる噂が書き込まれる。これがテレビ番組で取り上げられ、全国区に。

・恐らくネットで書き込まれる以前から、地元周辺では噂話としての犬鳴村伝説は存在していた可能性がある

・心霊的な恐怖とは違う、生きている人間(村人)がひっそりと暮らしいて、侵入者を襲ってくるというリアルな恐怖がブームの理由?

・インターネット黎明期の「ネットには世間から隠された本当の真実があるのでは?」という空気感が、犬鳴村伝説とマッチした

・今、「ネットには本当の事が書かれている」と思う人はほぼいない。フェイクニュースやフェイク動画で溢れている。あの時代のネット空間とネットリテラシーに見事にハマった。

・そんな犬鳴村が20年経った今、映画としてヒットするのは興味深い。隠された村というロマンは未だに日本人の心を打つ?

・劇中でも描かれたYoutubeなどのネット動画メディアが、当時の2ちゃんねるを代表とするテキスト文化に代わって新たな都市伝説ブームを起こす土壌になるかも?


犬鳴伝説成立の背景

・旧トンネル付近では当時、住居を持たない路上生活者の方達が小屋やテントを建てて住み着いていたという事実がある

・またマムシ取りの業者が鎌などを持って草を刈っていた

・昔から日本人が好奇心と差別の入り混じった視線で眺めていた「山の民」「異人」といったイメージが彼らに投影され、犬鳴村伝説への源泉となった可能性がある


オカルトを楽しむ上で大切な事

・デマや差別の助長、誰かを傷付けるといった事に繋がってないだろうか?を常に自問自答し続ける事


授業を通して思った事

犬鳴村を始め、様々な都市伝説には噂の種となる要素があり、そこに尾ひれがついて他のものと組み合わさり大きくなっていくようです。

この犬鳴村伝説の種はいくつもありすぎて、どれが大元なのか分からない部分がありますがそれもまたミステリーなのでしょう。

犬鳴トンネル、路上生活者、マムシ取り業者。

またトンネル付近のダムには、当時実際にあった犬鳴村という村が沈んでいるそうです。

それらが組み合わさって地元を中心に噂話が伝えられ、そこにインターネット文化が掛け合わさる事により超メジャーな都市伝説となったのです。

また、インターネットという当時は最新鋭の技術の中で、最新鋭とは真逆の「隠された村」という概念。ここら辺のギャップも受けた理由の一つかもしれません。

いずれにせよ、授業で吉田先生が話されたように、人間は根拠のない噂から差別や蔑視という感情に繋がる恐れのある生き物です。

これは人間が持つ好奇心が理由かと思いますが、そういった好奇心の暴走がオカルトを危険なものに変えるという事は大いにありえます。

今週の授業では、都市伝説そのものというよりは、何故都市伝説が生まれブームになりそして廃れるのか?という人間の心の変遷にも注目して頂きたいと思います。

以上。

今夜の授業も19時から。
扱うテーマは犬鳴村と同等、もしかするとそれ以上にメジャーな怪村の王様『杉沢村』についててです。

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今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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