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LIFE RECORD third 楽曲制作秘話3-篝火-

※こちらの記事はアルバム制作の中で今作のデザイナー陣に共有した会話をもとに記載しています。
なるべくわかりやすいように加筆修正していますが読みにくいところもあるかと思います。ご了承ください。


文中
Y=YOU
ト=トミーさん
な=なっちゅ

その他の制作秘話→ https://note.com/okanyou1030

以下本文

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Y 篝火は結構早い段階で出来てた歌なんですよー。

ト これいいね。聴くと沁みるからさー

な うん

Y 多分はじめての投げ銭CDに入れたんですね。
この今回のアルバムの中では一番最初に書いた歌になるのかもしれないですね。

これ、でも最初書いたのいつだったかな?コロナ前だったんですよね。
一昨年の多分・・・あー!!一昨年の夏だ。

ト 一昨年・・・2019年?

Y 19年すね。なのでLIFE RECORD secondのツアー中に書いてるんです。

な へー

Y うん。・・・なんかねーしかもねー、これ、書いた日付まで覚えてるんです。
8月の6日に多分書いてる。

ト そうなんだ

Y はい。花火大会の日で・・・
十三の花火大会があってー、実家のベランダから見えるんですよね。
結構毎年うちの家に本東地家とか集まってみんなで花火を見てるんですけど、今年もみんな来るんかなとか思って、せっかくだしと思ってスケジュールあけてたんですよね。
そしたらうちの両親が急遽「旅行に行ってくるわ」って話になって、なんか僕ごはんとかいろいろ買っていったんですけどー、結局一人でさみしく花火を見ることになったんすよね(笑)

んで、一人で花火を見ながら、なんかいろいろ考えちゃって(笑)

あ、そうかみんな家庭もあって、そうかそりゃそうか、家族忙しいよなー。

あー、俺一人かー。
とかって思った時にふと淋しくなっちゃって(笑)
その時にこのAメロの歌詞が出てきたんですよ。

【打ち上がる花火を見ては 思い出は蘇る 手を繋いで揺れてた浴衣 あの人は元気かな?】

これ僕が一番初めに書いた「水都祭」って歌があって、その花火大会を、まーまー場所は違えど、あのー、同じ淀川で上がってた花火大会で。
なんか昔は想い出の彼女と一緒に手をつないで浴衣を着て見に行ったなー。今頃元気にしてるのかなーとか思いながら一人でビール飲んでて、もうね(笑)電気も付けたくなくて(笑)暗い部屋でこう、花火だけを見ながら一人の部屋でうずくまって、通り過ぎた過去を眺めてたんですよね。
※このあたりの話からのちに水都祭を収録する想いへとつながる。

あーなんか俺、人生どこかで間違えたのかなとかちょっと思ったりとかしたんですけど、なんかーでも、ここまで来たんだよな。
俺は俺で頑張ってきたんだよなみたいな。
よく考えたら、あの、傷ついた夜もあったし、裏切られた事もあったし、馬鹿にされて、でも歯を食いしばってここまで生きてきたよなっていう。

いつかこう音も聞こえなくなって動けなくなって消えて行くんだったら、もうこのままの自分で行けるとこまで行ってやったらいいんじゃないかなみたいなって・・・・ちょっとバンドマン時代のハングリーな気持ちみたいなのを久々に思い出して・・・

年齢も30後半でシンガーソングライターでっていったら、まぁまぁ若くはないじゃないですか?

で、周りを見渡したら若くて売れてる子たちが沢山いて・・・・そん中で別に売りてないわけですよね自分は。

スター街道みたいなのを、こう、行ってるわけではないけれど、でも伝えたいメッセージがあって、その伝えたいメッセージっていうのは、やっぱあの初期衝動の時の燃え上がった炎が篝火として自分の中で燃え続けてるんですよね。

多分中学生の頃に「城ホール立ちたーい!!」とかいろんな夢がもう全部一旦燃え尽きたけれど、でもまだ燃え尽きて炭になった中でも、まだ燃えているなにかがあるから自分はギターを弾いている。

後実はね、2番の歌詞が全然違ったんすよ。
これねー、一回全部書き直したんですけど、サビもねー、実は女性バージョンがあったんですよ。

な へー

Y どこだったかな・・・(スマホのメモ帳を探す)
あった

【もう若くはないが 終わりなんかじゃないわよと 自分に言い聞かせるように マスカラを塗るのさ 遠い日の少女が恋をした篝火は暗闇の中で今もまだ燃え続けている】

これはねー。スナックのママさんを見ながら多分・・・。

トミー 一番が男性で、二番が女性で?

Y そうそう、一回目が男性で。なんか2番の方は途中から恋愛の歌詞になってきて

【もう一度恋をして もう一度想いあって そうやって僕らここまで来たんじゃないか 人並みに恋をして 幸せを築きあって そんな未来がいつか来るとずっと信じてる】

多分これは女性目線の歌詞になってるんですよね。
最終的な歌詞にまとまるまでの・・・あの・・・なんか・・・歌詞にならなかった歌詞たちがいっぱいあるので、ちょっと共有しておきますね。

以下メモ帳内に書かれた歌詞をそのまま掲載
+-+-+-+-
もう若くはないが 終わりなんかじゃないと
自分に言い聞かせるように ギターを弾くのさ
遠い日の少年が夢を灯した篝火は
暗闇の中で今もまだ 燃え続けている

打ち上がる花火を見ては 思い出は蘇る
手を繋いで揺れてた浴衣 あの人は元気かな?

一人の部屋でうずくまって 通り過ぎた過去眺め
どこかで間違えたのかなんて 疑う夜もある

もう1度 あと何度 傷ついて 裏切られて
馬鹿にされ 食いしばり ここまで来たんじゃないか

いつか僕ら 聴こえなくなり 
動けなくなり 消えてくなら
何一つ感じなくなるまで この道を行け

もう若くはないが 終わりなんかじゃないと
自分に言い聞かせるように ギターを弾くのさ
遠い日の少年が夢を灯した篝火は 
暗闇の中で今もまだ 燃え続けている

こんなとこで終りじゃないんだと
絞り出した情熱のかけらを 
今日もここで僕は歌ってるんだ
それを希望と呼べ

もうこんな歳だからとか 勝手な理由を並べて
心まで老いていくのは いつも自分じゃないか
この世界に何を残すのか  誓いを立てたあの日から
未来を見据えてこの胸は 高鳴り続けてる

もう若くはないが 終わりなんかじゃないと
自分に言い聞かせるように ギターを弾くのさ
遠い日の少年が夢を灯した篝火は
暗闇の中で今もまだ 燃え続けている


もう終わった青春を取り戻すなんてごめんだ
諦めない限り今も青春は続く

未来を見た時に 胸が高鳴るのなら
何も変っちゃいないさ


暗闇のなかで今日もまたギターを弾くのさ


もう一度夢を見て 
もう一度前を見て
そうやって僕らここまで来たんじゃないか
こんなとこで終わらすな

傷ついて傷つけて慰め愛
愛してる 何してる? 疑い愛
愛なんてわからなくなる頃
大人になるのかな


もう一度恋をして
もう一度思い合って
そうやって僕らここまできたんじゃないか
人並みに恋をして 
幸せを築きあって
そんな未来がいつかくるとずっと信じてる

もう若くはないが
終わりなんかじゃないわよと
自分に言い聞かせるように
マスカラを塗るのさ
遠い日の少女が恋を灯した篝火は
暗闇の中で今もまだ
燃え続けている

ここで終わりなんかじゃないぞって
絞り出した情熱の燃殻を
希望と呼ぶんじゃないか

思い描いた日々は 遠い日のかげ


悲しい歌じゃないぜ
まだまだここからだって
遠い日の篝火は
まだ消えちゃいないんだ

陽炎が揺れる頃 信号待ちの向こう
通り過ぎてった仲間達の声が聞こえる気がする

大きな夢を語って 握りしめた両の手
零れ落ちたその夢の先で
守るべき命を抱きしめてる

思い通りじゃなくていい
望む未来じゃなくていい

目が覚めそうな現実は ナイフを突きつける
この先に何があるのなんて 消えてしまいそうな夜


目が覚めそうな現実は
ふと我に帰り突きつける
この先に何があるんだなんて
消えてしまいそうな夜もある

年齢、仕事、今の僕
あの日の少年はどこへ行った

あの頃はよかっただなんて
口が裂けても言いたくないんだ
あの頃よりも今がいい
そして未来はもっといい

全ては僕で、この先も僕だ
溢れそうな感情を飲み込んで
今この時間を
抱きしめたいんだ

僕らの灯した篝火は
まだ燃えてるだろ?

まだ音楽なんてやってんの?
まだあの日のままでいきてんの?
何度言われただろう
一体どこへたどり着くのか?
何度問いかけただろう

人並みに恋をして
幸せを築きあって
この日々がいつまでも続くと思っていた


眠れない一人の夜に孤独を飲み干す
+-+-+-+-
ここまで


ト そっか、2回繰り返すことに落ち着いたんだ。

Y そうですねー。ちょっと長いんすけど、一番上の方は、多分正規採用された歌詞があって、その下に続いている言葉たちがなんか上の言葉を作るまでにでてきた言葉たちですね。

ト うーん・・・これすごいね!!【眠れない一人の夜に孤独を飲み干す】って(笑)

Y (笑)そうっすね。これ、多分ビール飲みながら書いてたんで(笑)
ビールを孤独って言ってるすよ。多分そういう夜だったんですね。

んで、これをなんか書いてる途中で、そのLIFE RECORD secondのツアーが続いてたんで当時は。山口県に行った時に、スナック(五円という素敵な場所です)でライブさせてもらったんですよね。

そのリハーサルの時に、結構時間あったんで試しに初めて唄ってみたんです・・・・確かまだ1番だけしかできてなかったかな。

そしたらママさんが急に泣き始めて、「今の歌何?」って「めちゃくちゃいいじゃん!」ってママさんが泣いちゃって、んで、多分、女性バージョンでちょっと書こうかなってなったんですよね。

最終的には、もう言いたいことは、多分

【もうこんな歳だからとか 勝手な理由を並べて 心まで年老いていくのは いつも自分じゃないかい この世界に何を残すのか  誓いを立てたあの日から 未来を見据えてこの胸は 高鳴り続けてる】

と、ここはなんかねー。自分の両親を見てても思うことがあったんですよね。
うちの親父がちょうどね、結構元気がない時期があったりとかなんかで、あー親父年取ったなと思っちゃったんですよね。で、年取ったのは自分でそう思っちゃってるなっていうのを感じた時があって。
そういうところが歌詞に変わっていったんですねー。

ちょっと自分にしては珍しい歌というか。
今この年になったからこそ初めて唄える歌だなって。

夢に向かってがむしゃらに走ってた時代を超えて。

30後半になった今のリアルな現実とそれでもって胸の中に大切に握りしめてる夢に向かう原動力みたいな。

等身大の自分の歌って感じですね。

20代の時には絶対書けないな(笑)

ライブの時に会場の隅っこで同じ気持ちの人が歯を食いしばりながら涙を堪えてくれてたら最高だなって思う歌です(笑)

まだまだ人生今日が1番新しいスタートの日!


【篝火】

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YOU3枚目のフルアルバム
【LIFE RECORD third】購入ページ
https://okanyou.thebase.in/items/45672037

【ダイジェスト】
https://youtu.be/A68MaXk-dls

【購入ページ】
https://okanyou.thebase.in/items/45672037

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