コーエン兄弟の初期作品とカズオ・イシグロを結ぶ点と線 ~予告編~
なんだこのタイトル?
次はコーエン兄弟のデビュー作『ブラッド・シンプル』編じゃなかったの?
何言うとんねん。
そもそも『バートン・フィンク』の解説を始めたんは、カズオ・イシグロの『日の名残り』と『夜想曲集』を理解するためにどうしても必要やったからやろ?
中断しとる『夜想曲集』徹底解剖『第3話モールバン・ヒルズ』編を再開させるべきや。
『ブラッド・シンプル』だよ!
カズオ・イシグロや!
まあまあ君たち、ケンカはやめたまえ。
あんたがチンタラやってるからだろ!
めんごめんご。
早く終わらせようと思っても、次から次へと発見があってね…。書くことがどんどん増えていってしまうんだ。
昨日もヘブライ語について調べてたら、思わず椅子から転げ落ちてしまいそうになるほどの発見をしたんだけど…
ヘブライ語?
どゆこと?
この箱でしゅ。
ハァ?何でしゅか?(笑)
「箱でしゅ」はヘブライ語で「holiness/神による聖なる力」「分離してる」って意味なんだ。
「HaKodesh」って書くんだよね。
ふぁ!?
だからバートン・フィンクは、あの箱を預かってから突然シナリオが書けるようになったんだね。
「神の聖なる力」が作用したわけだ…
うわあ…
そしてあの箱の中には、死体から「分離」されたオードリーの首が…
そういうこと。
第24話「箱」で、僕は最後に「山崎ハコ」という寒いオヤジギャグをかましたんだけど、コーエン兄弟は「ヘブライ語と日本語の駄洒落」を映画の中でかましていたんだね。
さすが、世界のコーエン兄弟。オヤジギャグもスケールがワールドワイドだ…
マジですか…
僕が推理した通り、コーエン兄弟はいろんな言語で駄洒落を仕込んでいたんだ。
ドイツ語「sechs(数字の6)」の駄洒落もあったしね。
これをカズオ・イシグロは『夜想曲集』で真似たんだよ。
だから日本語翻訳者の土屋政雄氏は《訳者あとがき》で「イシグロは作品が他の言語でどう翻訳されるのか気にしている。だから本作では、訳すのが難しい英語の駄洒落は少なくした」って書いたんだ。
これは「イシグロは英語の駄洒落を少なくして、他の言語で駄洒落になるような仕掛けをした」って意味だったんだね。
なるほど…
でも、何のためにそこまでして…
考えられる理由は2つある。
まず1つ目は…
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