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『バートン・フィンク(BARTON FINK)』コーエン兄弟

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コーエン兄弟・徹底解剖その4~カンヌ3冠の傑作『バートン・フィンク』って、どんな映画なの?

ほれ見ろ。やっぱり『バートン・フィンク』が来たで。 映画史上に残るあの傑作を、おかえもんはどう料理するんだろう。 やあ君たち。 デビュー作の『ブラッド・シンプル』と、どちらから片付けるか迷ったんだけどね。 でもやっぱり何と言っても『バートン・フィンク』はコーエン兄弟の代表作だから。 BARTON FINK('91) それに「最新作」の『SUBURBICON(邦題:サバービコン 仮面を被った街)』とも非常に深い繋がりのある作品だ。ほぼ同じテーマが使われている。

コーエン兄弟・徹底解剖その6『バートン・フィンク』③「"CHET!"って何?」

さて、いよいよロサンゼルスでの物語を解説するよ。 前回のニューヨーク編はコチラ~! しかし『バートン・フィンク』の解説記事で、ここまでニューヨークのシーンに重きを置いて解説しとるのは見たことないで。 だってNYのシーンは、この映画の肝だからね。 メインのLAでの物語を読み解く上でのヒントが全て用意されているんだ。 NYシーンを正しく理解すれば、LAでの物語がバートン・フィンクの「妄想」だということがよくわかる。 ホントにそうなのかなあ… さて、LAシーンは「

コーエン兄弟『バートン・フィンク』徹底解剖18「8時15分、MORAGA 829番地」

さて今回は、プロデューサーのガイズラーが「ideas」と言いながら差し出したメモ「朝の8時15分、MORAGAの829番地」の秘密から行こうか。 その前に、前回を未読の方はコチラ! 第17回「死と復活」 「アイデア」って言いながら出しただけに、やっぱり脚本を書くアイデアなんやろな。 もちろん。 ところで「MORAGA」って何? ビバリーヒルズと並ぶロサンゼルスの超高級住宅地ベル・エアーにある地域の名前だよ。 ベル・エアー?聞いたことないな。 日本ではビバリ

コーエン兄弟『バートン・フィンク』徹底解剖19「天使の誘惑」

さて、今回はバートンの部屋621号室で巻き起こる大事件を解説するよ。 この映画の中で、最もコミカルで、最もスリリングなシーンだね。 そんなコミカルやったか、あの場面? 出来事はシリアスだけど、喋ってることは完全にコントなんだ。 だからバートンを演じてるジョン・タトゥーロも、わざと臭い芝居をしている。大根役者がやってるみたいに棒読みしたり、大袈裟な感情表現してみせたりね。 その前に、前回を未読の方はコチラ! 第18回「8時15分、MORAGA 829番地」 ま