見出し画像

浄閑寺

平成二十八年四月一日
終日曇り。

昼前起き出で三軒茶屋ツタヤまで。
五社英雄監督 吉原炎上を返却す。

のち田園都市線 銀座線にて上野。
日比谷線に乗り換え三ノ輪まで。

線香一対を買い求め浄閑寺へと赴く。

今月三度目の訪問也。

墓所に入りてすぐ右側の角海老楼若紫塚に香を手向ける。

のち本堂裏手の吉原総慰霊塔にも香を手向け、正面壁の荷風散人碑横の生垣部に、昨日雑司が谷霊園荷風漁史墓石裏にて拾いし小さな黒石を一つ埋む。

死して浄閑寺に葬られたしと願うは氏のかつてよりの願い也。

のち吉原弁財天まで。

震災慰霊塔にて合掌す。

弁天池跡に泳ぎ遊ぶ鯉を狙いし一匹の大きな猫あり。

のち浅草まで歩む。

友人の熊谷君、経理の若き女子と共に来たりて雷門の三定にて飯す。

六区を抜けカフェにて喫し別る。

のちアメ横まで歩き贈答用の海苔を買い求め有楽町まで。

晴海通りを渡り交詢社裏手に差し掛かりし時、山田料理長門下の藤井 西本の両女史と邂逅す。

上野にて買いたる品は山田料理長宛ての物ゆえ、手渡したのち三人共に銀座線に乗り溜池山王にて別る。

のち帰宅。

夜になり終に雨降り出す。

夜半過ぎても小止みもなく降り続く。

荷風氏碑傍に埋められし小石は、この清雫と共に地中深く沈み固まるを願いつつ寝につく。












この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?