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ナポリピッツァ愛


ナポリピッツァの話である。

頑固な店はマルゲリータ、マリナラの二種のみで直球勝負しているが、やはり
ピッツァは色々とバリエーション有るのが楽しいと思う。

昔、銀座コリドー街でピッツェリアのオープニングに携わった事があった。

その店の天才ピッツァィオロ 陶山裕史君の焼くピッツァを連日死ぬ程食べたのを懐かしく想い出した。

マルゲリータ、マリナラに始まりカプリチョーザにオルトラーナ、ロマーナにピッカンテ、ディアボロにサルシッチャ、カルツォーネ ディ タルトゥフォ・・etc 

色々食べ尽くし、最終的にはマリナラが一番美味いのだと理解した次第。

生の赤と青、同量の唐辛子を少量のニンニク、バヂルと共にフードプロセッサーにかけ、粗塩で漬物にして水分を抜き取る。

数日経ってからE.V.オリーブ油を足して造った自家製タバスコをかけて食べると信じられない位美味しかった。

シンプル イズ ベスト なのだがマリナラで腹を満たすには最低三枚食さずにはいられない。

イタリア料理を考察するに・・二昔以上も前からスーパーにはイタリア食材のコーナーが独自に設けられ、今や家庭料理のカテゴリーに普通に御目見えして居るのを考えると、ナポリピッツァは家庭では作り得ぬイタリア料理最後の砦となった感がある。

三年程前、日本のイタリア料理の草分け・ヒロ山田氏のお供で中部イタリアを旅行した事があった。

氏と訪問した店は、ローマのモンテカルロ以外は星付きのオンパレードであったが、自分は氏の目を盗み、一人ピッツェリアの門をくぐった。

星付きなら「美味い」のは間違い無いが・好きか?・と問われると、果たしてそうでも無い。

喩えは悪いが、素晴らしく綺麗な女を見て「美しい・」とは思っても、別に好きでは無い。

ポルチーニや松茸などをリゾットに仕立て、白トリュフを散りばめた一品などは、確かに美味いが=好きとは限らないのである。

ローマやフィレンツェで食したピッツァは、クリスピーな軽いタイプであったが、好みからすると断然ナポリの物が好きである。

ローマの物は、お洒落に軽く手で摘むイメージかな?

ヘプバーンみたいな華奢で都会的な女の細い指にはローマピッツァが良く似合う。

願わくば、もっと値段を安くして欲しい。

イタリア大衆食の最右翼「ピッツァ」は日本に来ると高級食になってしまうのがもどかしくてならない。

赤だし付きのロース豚カツ、拉麺にナポリピッツァ・・自分が死んだら棺に入れて欲しい三つの食べ物である。 



あぁ~っ!

腹が減って来た!






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