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【第0回】35歳で、ガールと呼ばれる

岡田育


「Hey, Girls!」と呼ばれて、振り返れるだろうか。

年が明けたらすぐ38歳になる私には、なかなか難しい。咄嗟に自分のことだとは思えないだろう。紛うことなきアラフォー、よその子供の前では「おねえさん」より「おばさん」を自称すべき年齢である。お肌の角を曲がりまくり、卵子はみるみる減少し、化粧品も食品もアンチエイジング成分入りを勧められる。会社員なら管理職に就いていてもおかしくないし、早い人なら祖母になっていたっておかしくない。常識的に考えて、ガールではない。

しかし、35歳から37歳までの約2年間、私は誰かに「Girls!」と声を掛けられるたび、我がこととして顔を向け、18歳や24歳や42歳のその他の女性たち、あるいはゲイだったりノンケだったりする男性たちと一緒に、呼ばれたほうを仲良く振り返っていた。

大学に通っていたからである。

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