昔のドラマ

だいたいのおじさんは、昔のドラマが好きだ。

時   間:★★★★
コ ス ト:★
おすすめ度:★★★

おじさんは昔のドラマが好きだ。だいたい好きなもんだ。
割とルーティン化した日常に、ちょっとしたカンフル剤を。

日々、会社へ通い、帰宅し、ゴロゴロしてる間に朝が来て・・・
幸せな日常なんだけど何かが足りないなぁ。暇を持て余してパチンコなんか行っても、結局すってんてんにされてヤケ酒におぼれるのは目に見えている。

そんな時は昔のドラマに限る。
青春時代、テレビにかぶりついて観たあのドラマ。大人のおにーさん、おねーさんのドキドキ感を疑似体験させてくれたあのドラマ。
織田裕二に親近感を感じるもよし、山口智子に焦がれるもよし、キムタクを羨むもよし。
さらに、当時それを観た感想を興奮気味に話し合ったあの娘はどうしているだろうか(相手ももちろんおばさんになってはいるが。)という余韻に浸ることもできる。
とにかく、そこに身を投じている時間だけは何を口にしていなくても甘酸っぱく、心がぎゅっとなる。
今の時代、DVDやブルーレイを買わなくとも、定額配信でまとまった量のドラマが見られる。お金もかからず、有意義な時間を過ごせる。
あの頃は不可能だったお酒を片手に感情移入してみるのもまた一興。

昔のドラマ、と括ったのは、おじさんは頭が固いので、最近のキラキラしたドラマについていくのは難しいからだ。
華奢で折れそうな女の子や、ふにゃふにゃした男の子や、漫画の表現をそのまま使っちゃうようなドラマにはなかなか移入できないものだ。
この辺は個人の好みもあるかもしれないが、オジサンは苦手です。

ドラマを観てその世界に浸るというのは、若い頃は憧れの対象を見つけその後の生き方を左右することもあるかもしれない。
ビューティフル・ライフでキムタクに憧れた若者が美容師を志望したように。
しかし、おじさんの場合は紛れもなく現実への逃避が目的だ。
かの時代や人に思いを馳せ、胸を焦がしたり高ぶらせたり。
それでいいんじゃないだろうか。
派手さはないけど、ドラマにはならなかったけど、そんな自分の人生をキープしながらドキドキできる安心感。
次、生まれ変わったら彼のように生きてみたい、彼女のような人と出会いたい、無益な妄想上等じゃないか。

そんな小さな期待感がいいじゃない。
おじさんは昔のドラマが好きだ。

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