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2024年6月10日の乾杯

新しい乾杯。
梅雨の気配を感じる季節。晴れると暑く天気が崩れれば鬱陶しい毎日。
5月の終わりから6月上旬に観た「柿喰う客」や「ONEOR8」、また「家で出来る演劇」の野外劇のことなどを駄弁も織り交ぜて話します。

👨演劇のおじさんと。
👩おねえさんです。よろしくお願いします。
👨よろしくお願いします。まあ、気が付けば6月もはや10日をすぎて。
👩そうですね、あっという間に。
👨もうね、なんか私ぐらいになると、バンバン歳を取っていきますからね。まだおねえさんはほらね、あのそれでもなんか春が来て、夏が来てみたいな季節を愛でる感覚あるかもしれないけども、私なんてわけも分からず夏ですからね・。
👩私もあっという間ですよー。
👨そうですか? まあね、あの。 コロナなんかの影響もほとんどなくなって時間が着々と流れているから、お芝居もね。もう伝統があるところも新しいところも混在してどんどん公演を打ってくるしね。そういえば最近は「柿食う客」を久しぶりに観みましたよ。 
👩あぁ。
👨昔から俳優もかなり増えたし新しい俳優もしっかりと育っているのだけれど、一方で七味まゆ味さんとかの存在感も凄くて。
👩ふんふん。
👨あと玉置玲央さんが出ていてね、久しぶりに。
👩あらあら、いいですね。
👨ええ、玉置玲央さんといえば、今やもうね、大河ドラマでもメイン俳優のひとりでとして名をはせたという。
👩そうですね。 もうテレビで観る人だものね。
👨そうそう。
👩ええ、でもやっぱりいいなって思うから。よく見ちゃう
👨その割にはあの終演後の物販にも降臨されましたけどね。 当然に物販コーナーににいらした瞬間に凄い人だかりだったけど。
👩そりゃそうだ。
👨私がロビーに出て、そのちょっとあとに遅れていらしたんですよ。
👩はい。
👨そうしたらロビーにどよめきが起こってた。
👩ええっ、て。
👨そうそう、そういう感じ。みんな諦めていたというかあの予想していなかったんでしょうね。出てくるなんて。
👩そうだよね。

本多劇場

👨うん、そうですよね。うふふ。ところで今回の玉置玲央さんってセリフは一切言わなかったんですよ
👩えっ。
👨しかもね、ずっと出ずっぱりだったの。 もともとそのなんていうの。身体がものすごく効く人だからできるのだとは思うのだけれど、舞台で存在感を失うことなく、いろんな人のそういう話をずっと受け続ける役だったのね。
👩うわぁ、すごい大変だ。大変だけど面白いね。
👨中屋敷さんとこういうのをやろうっていうことを最初から綿密に相談して試みたことみたいで。
👩なるほど。
👨観終わって大変だとも思ったけれど。 その台詞が全くなくても人物造形が伝わってきて物語が成り立つったっていうのはすごいなと思った。 セリフがなくても、彼の思いとか、その彼がどういう何を言おうとしているかというのが渡されているのもすごいなと思ったし。 あのさ。「柿喰う客」って毎回終演後に終わりの会ってあるじゃないですか。アスタートーク?
👩ありますね。
👨今回は中屋敷さんが俳優としてもご出演だったし。
👩えぇ、そうなの。
👨本当に久しぶりだったみたいで。
👩それってよく時間がありましたね。 お忙しいだろうに。
👨確かにそうなんだけどね。 でもそのことで、柿喰う客の主宰と、それから七味さんってずっと副主宰の立場じゃない。
👩はい。
👨加えて看板俳優の玉置さんがでていたという柿ファン垂涎の舞台だったわけで。
👩すごい。 なんて貴重な。
👨本多劇場でやる値打ちがあるよねっていう。
👩たしかに。
👨で、話は戻るけれど、終わりの会、私が足を運んだのが楽前日のソワレだったのだけれど。
👩はいはい。
👨で、その回では、それまで中屋敷さんが玉置さんにも隠していた、玉置さんに当てたいと思っていたという裏台詞が用意されていて。
👩うん。
👨でね、そのアウトプットをモバイルパソコンの間からすっと出してきて、それを玉置さんが読むっていうねスペシャル回だったのね。 ですごいなと思ったのは、観客として私が本番中に受け取ったものってあるじゃないですか、台詞を聞かなくても。なんで自分がそうやって受け取ったんってあるのだけれど。それと同じ匂いがして同じ感覚がちゃんと残って。文字化されたものを与えられずに、また演じる台詞もなく、中屋敷さんが作り上げたものが舞台に存在していたのはすごいなと思って。 そういう阿吽の呼吸ができるっていうのは、やっぱり劇団で長く舞台を作っているからかなぁともおもってね。
👩もうね、長いですからね。
👨しかもあそこって。その下の人たちがみんなしっかり育ってきているじゃない?
👩うん、そうですね。
👨あちらこちらに客演したり、自主企画をしたりとかもしてて。
👩うんうん。
👨そういう筋肉を持った俳優達が劇団の枠組みの中で作ったからこそ成り立った謀りごとだったようにも思えたり。
👩鍛錬を積み重ねた人たちだけができることですよね。
👨そうそう。 あと上演時間も「柿喰う客」は30分前後の疾走感を持った舞台もあるし、なんかあの50分とか60分とかっていうのもあるじゃないですか。
👩ああ、ありますね。
👨今回は100分の時間をかけてしっかり作り込んでいて。その分腰を据えて見せられてガッツリ面白かったですけどね。本当見ることができてよかったと思って。 考えてみればあそこももう結構中堅から古参になってくるくらいの劇団じゃないですか?
👩けっこうもうね。
👨私が見始めた頃には売り出しというか売れ始めてきた劇団だったのですけれど。それからもうどのくらいになるのだろうか。 そう振り返ると私も歳をとったのだけれど、その間ずっと鍛錬を続け育っていくというのもいうのはすごいなと思ってね。
👩それをずっと見てるおじさんもすごいと思いますけどね。
👨うん、でもそういうことを知ってるおねえさんもすごいと思いますけどね。
👩うふふふ。
👩 まあ、長くやっている劇団といえば「ONEOR8」も観ました。『かれこれ、これから』っていう、シアタートップスで上演していたやつ。

新宿シアタートップス

👩はい。
👨異儀田夏葉さんとかが出てらして。あと、あの若手の俳優さんもけっこう結構ご出演で。今回はONEOR8としても一番人数を掛けた舞台だったみたいですけれどね。 あっ、会場はシアタートップスね。
👩ええ、はい。
👨シアタートップスはと実力を持った劇団がやりたい会場としてベスト5に入るんだってね。誰かに聴いたけれど。。
👩うんうん。
👨で、今回はそのシアタートップスが連日超満員で。ちょっと話はずれるけれど。あそこって4階まで階段で上がるのはすごくしんどいのだけど確かに見やすいんだよ。
👩4階はしんどい。 しんどいよね?
👨トップスは先月、今月と何回も足を運んだのだけれど行ったんだけど、そのたびにこれは私にとっての修行なんだ。これができなくなったらもう自由気ままにお芝居を観ることはできないんだって気合いを入れて必死に階段を登っていますものね。 実際のところ途中で休んでる老夫婦とかもいらっしゃいますもの。
👩アハハ。 でもいるかなぁ。私はあまり観たことがないけれど。
👨私、先日 中野茂樹+のフランケンズをあそこで観たのですけれど。
👩はい。
👨その時も、階と階の間に踊り場があるじゃないですか。
👩ありますね。
👨その踊り場でな私よりももっと年上っぽいおふたりが一息つかれていて。そういう方はエレベーターに乗ればいいとは思ったのだけど。 たまたま終演後にも目撃して、制作の方も気をつかってエレベーターどうぞとか声をかけているのに、毅然として階段で降りていらっしゃったから。
👩へぇ。
👨でもね、そのご夫婦は多分私と発想が一緒なんですよ。ここを降りられなくなったら、お芝居は見に行けないみたいな。夫婦でそういう危機感を共有しているから躊躇なく階段を下りているのですよ。
👩そうかなぁ。
👨まあ、しらんけど。
👩うふふ。
👨想像だけれどね。それはともかくお芝居はすごく面白くて。群像劇なのだけれど、最初はあのシェアハウスの話だっていうことで始まるのね。
👩うん。
👨でもね、そこにはなにか違和感があって、でも暫らくはそのまま観続けているのだけれど、ある瞬間にその場所が老人ホームだって気付いて、それまでに積もっていたことがすべて腑に落ちて、めちゃくちゃ面白くなる。。
👩へぇ。
👨その住人たちって実力を持った若手の俳優がやっていて。年嵩の劇団員とかがその息子や娘をやるっていうキャスティングなのですよ。
👩はい。
👨そうすると、人間って中年から老境にはいるとむしろ心が若返ってまた子供に戻っていく部分があるというのもわかるのね。演じる側の年齢が逆転していると特に。
👩なるほど。
👨なんか子供みたいな意地の張り合いがあったり、異性を巡っての住人どうしの確執とか夫婦や親子の確執あったりとか、でもそうして描かれていることがすごくリアルに感じられるの。そのあたりの作家の描き方が本当に上手くて。
👩うんうん。
👨彼らの生きる時間のありようが腑に落ちて、多分観客一人ずつに感じることがあって、終わるともう大喝采だよね。
👩うんうん。
👨ちなみに、ONEOR8は観に行ったことってあるのだっけ。
👩いや、ないな。 ないです。
👨私、観たいと思うのは毎公演ごとなのだけれど、気がついて面白そうだなって思った時は大体チケットが 売れてしまっていて。今回は異儀田夏葉さんや田久保柚香さんとか。最近私が注目している中野亜美さんとか田久保柚香さんが出られるんで早めにチケットを押えることができたのですが。。
👩ああ、お名前は聞いたことあります。
👨みなさん、今年に入ってから一度ならず観ているわけで。中野さんとかは次があやめ十八番みたいですけれど。そうそう、彼女はあやめの劇団員になったんだよね。
👩へえ。あやめ十八番はいつですか?ちなみに。
👨8月10日初日かな。もうチケット先行販売とかは始まっているみたいだけれど。 今回は、久しぶりのお団 屋さんの話。
👩あらあら、お団子屋さん。 お団子屋さんですものね。
👨そう、主宰のご 実家がね。
👩ご実家がっていうかもうお団子屋さんの方でもあるじゃないですか、堀越さんって。
👨うん。 まあ、今年に入って演劇の方にちょっと傾げた感じはあるみたいだけれどね、堀越さんは。けっこう仕事びっちりみたいだし。
👩はいはい。
👨で、話はもどるけれど、その中野さんにはすごい見せ場があって。 あの彼女の役っていうのは天衣無縫なマドンナみたいな感じというか、天真爛漫というかそういう感じのおばあさんなのね?
👩うん。
👨で、その彼女が客席の後ろから「夕焼け小焼け」を歌いながら舞台へと上がっていくっていうシーンがあって、その中にキャラクターの人柄がとても深く鮮やかに出てくるの。
👩へぇ。
👨そこには演出のしなやかさがあるし、演じる中野さん自身の人を作る表現力の勝利でもあるし、なんというかやっぱりすごくうまいんだよね。あと異儀田夏葉さんもよかった。常に喧嘩をしている男の人がいるのだけれど、そこには歯切れの良さがあって、その中におばあさんの中に潜む若さとか老いとかがじわじわと伝わってくるから。 なんて別にあの老け化粧をしたり、衣装とか着ているわけでもなんでもないんだけど。 髪の毛だってちゃんと黒いしね。 その中で、セーターを着たりとかさりげなくおばあさんの雰囲気を紡ぎ込んでいるあたりも上手いなぁと思う。おばあさんとか、おじいさんたちのただ老いているということに丸まらない日常の想いや心風景を抽出する作劇力や創意というのはすごいなと思って。やっぱり田村さんはうまいなあと思いましたけどね。
👩見てみたい。
👨そう、ONEOR8はお勧めだよ。
👩いつぐらい からやってる団体さんなのだろう?
👨いや、結構も長いと思いますよ。・・今ググったら1998年の旗揚げだから今年が25周年だね
👩あ、そうなんだ。全然知らなくて。なんでだろう。いやたまにあるのだけれどね、なんか有名になってきているのに全然すれ違わななかったというか出会わなかったというか。
👨というかね、そもそも最初のころって私はこの劇団名がちゃんと読めなかったものね。
👩えっ?
👨ローマ字でONEOR8って書いてあるのよ。 オネオラハチ?なんじゃそれはとか思っちゃってね。 それが「one or eight」=「 イチかバチか」だと思い至ったのは暫くあとだったもの。
👩あぁ、ああそうか。
👨よかった。 仲間がいて。
👩うん、なるほどねぇ。うふふ。
👨その劇団名ってすごく素敵なのだけれど、なんかわけがわかんないから躓いている人もいるんじゃないかと思って。
👩うん。
👨でも常にいい余韻が残る劇団ですよね、ここは。
👩ぽい。
👨今回でも毎日をこう老人たちがビビットに生きていく感じっていうのは絶対に残ったし。
👩うんうん。
👨彼は公演ごとにいろんな作劇のテーマがあって、たとえば孤独死の後始末をする業者さんの話なんかもあったのだけれど、そういう世界を描いた話おの中でも、人が生きるコアの部分みたいなものをっていうのは、見事に捉えていたし。次回公演など是非ごらんになるおとをお勧めします。 私も気がついたらお知らせしますから、またやるよって。
👩はい。お願いします。
👨それとね、あともう一つあげるとすれば、「家で出来る演劇」の野外劇かなぁ。 私ね、正直にいうと野外劇ってあんまり好きじゃなかったんですよ。
👩はいはい。

戸山公園(箱根山地区)陸軍戸山学校軍楽隊 野外演奏場跡


👨雨に怯えないといけないしね。私がいるだけで蚊の皆様は大喜びだしね。 「日本のラジオ」の劇団員になられた日野あかりさんが「家で出来る演劇」というユニットの主宰をされていて。それは元々コロナの時に家で出来ることがあるのではないかということで立ち上げたらしいのだけれど、今は様々なことを企画しようとしていて、実際に何度か公演もされていて、その流れで今回は野外劇をされたのね。
👩はい。
👨あの、西早稲田に戸山公園ってあるの知ってる?
👩あぁ、ありますね。
👨あの中にある演奏場跡という場所は?
👩いや、それは知らないですね。
👨そこで日本のラジオの屋代さんが脚本を書いた『狂言山月記』という野外劇を上演したのですよ。
👩ほう。
👨で、そこって実際に行ってみたら駅からも意外と近くて。その場所は丘の裾野のちょっと窪地みたいになっているのね。 三方が斜面みたいになっていて。その真ん中にステージ的なスペースが設えられているのですよ。
👩うんうん。
👨ただ今回はその中央のスペースを舞台にするのではなく、一方の斜面を広く使って舞台にして、客席を本来ステージであるの場所の斜面側において、見上げるように観るかんじで。キャストは主宰の日野あかりさんにコンプソンズの宝保里実さん、あとシンクロ少女の横手慎太郎さんと坂井水産の家田三成さん。
👩はい。
👨中島敦の「山月記」って自分のプライドで人生うまくいかなくなって虎になってしまう男のはなしなのだけれど。
👩「山月記」は知っていますよ。大好きだし。
👨私もなんかあの中学高校の時に図書館で読んで。そう、読書感想文の宿題に切羽詰まったときに先輩に勧められて読んだ。とても短くてでも人生があるじゃない、あれって。で、その「山月記」が下敷にあることは間違いないのだけれど、まあ、言うても屋代さんの脚本だからね。 友人の他に弁護士みたいな人が出てきたりとか、警官とか、ミーハーっぽく作品を追いかけてる女の人とかが出てきて。4人が絡まりありながら、虎になってしまう男の人物像を描き出していくという趣向なのね。
👩はいはい。
👨さっきも言ったけれど、あの野外の場所って蚊に食われるだろうしセリフは聞き取りにくいだろうし、良いことばかりではないと覚悟していたのよ。でも、着いたらすぐに公園事務所事務所の人が虫除けスプレーを貸してくれて。
👩いや、虫よけけスプレーでは避けられれないでしょう。
👨そんなこともなくて、完全シャットアウトではなかったけれど二カ所喰われただけで済んだ。シュシュシュシュしていたら公園事務所の人がそこはやっておけとかそこも危ないとか指導もしてくれて。 くるぶしの上あたりが裏あたりが一番危ないとか。 で、ズボンの裾を。 すこしめくってそこにシュシュシュとかちゃんとやったのよ。 そしたら首のまわりのところと左の肩のあたりをそれぞれ一箇所刺されただけで済んだ。
👩それはよかった。
👨 あと、音についてだけれど、そこって窪地なっていてセリフとかっていうのがその底に流れてきて方向性を失うことなく音量もしっかりととてもクリアにきこえるのね
👩へぇ。パラボラアンテナみたいになっているんだ。
👨そう、だから台詞が聴こえないとか飛ぶとかのストレスもなくて。またSEの仕掛けがこいくつもあるんだけど。そういうバランスもとてもうまく作り込まれていて。
👩ふんふん。
👨で、野外の広さを使って走り回ったり、斜面を使っての登ったり降りたりとかのいろんな表現とかもできてね。
👩うんうん。
👨まあ、必ずしも静寂な中でというわけにはいかなくて鳥のさえずりとかカラスが鳴いたりとか、外周を歩く人の気配なども感じたりはするのだけれど。
👩はい。
👨それもね、とりこまれて物語の一部になっていったりもして。
👩へえ、それは凄いなぁ。
👨そう、すごくよかったのよ、一言でいってしまうと。 そうやって描かれた中でのその一人の男の風情みたいなものって、やっぱり劇場でやるものと全然違うんだよね。なんかやってくるものが。
👩今聞いて、あそこの場所って見たことがあるのを思い出したのだけれど、そんなに良いとは思ってなかったな。
👨まあ良いっちゃ広いし、そうでもないといえばそうでもないのだけれど。
👩いやいや、あの場所を知っているとはいったけれど広いとはいっていないよ。
👨あぁ、そうか。とはいえ写真をお見せしましょうか。

戸山公園(箱根山地区)陸軍戸山学校軍楽隊 野外演奏場跡(東京都)

👩私は大丈夫、見たことがあるから。
👨あぁ、あるんだ。あるならいいけれど。
👩多分いったこともあるから
👨ああ、そうなんだ。でさ、あのあたりって鬱蒼としているのだけれど、さっきもいったとおり意外と駅から近いじゃない。
👩そうですね。
👨空気も美味しいし。 またこの場所って戸山公演のなかでも一押しの場所みたいで、この場所の利用については事務所の方もスタッフ面で協力をされていてね。
👩はい。
👨虫除けのスプレーなどに加えて、開演前にその場所や宣伝もされたりとか。あと演劇のフェスティバル的なこともやられているみたいで、終演後にはアンケートに答えて都営の公園が一覧になった手ぬぐいを貰った。
👩うふふ、すごいですね。
👨大サービスですよ。 でも、そうやって公園利用を介して演劇を推してくれるのはとても素敵なことだし、実際に野外公演フェスティバルから生まれた果実もあるみたいだしね。すでにあの「ルサンチカ」をはじめいくつもの団体があそこで公演をしているみたいで。 今年に入ってから「家で出来る演劇」はもう6団体目ですみたいなこともおっしゃっていましたしね。
👩へぇ。
👨冬場なんかでも普通にやっているみたいだから。
👩あそこで?
👨寒いといえば寒いのかも知れないけれど三方がああやって斜面だと風があまり吹かないんじゃないかなぁ。
👩ああ、なるほど。
👨そうなると、やっぱり一番の敵は雨だろうね。
👩雨だとさすがにどうしようもないね。
👨うーん、うん。
👩でも、なんか傘をさしながら見るお芝居もいいかもし。
👨うん、まあ、とはいってもね。今回も傘をさせないと公演時の案内に書いてあった気がするし。だから今回は念のためポンチョみたいなの持参したのだけど。まあ、幸いいらなかったけれどね。 野外劇全般として傘をさすのはむずかしいかなぁ。池袋の野外劇でも同じようなルールだった気がするし。
👩うんうん。
👨でね、あともう一つ思ったのだけれど、今回あ本来舞台面のスペースに折り畳みの椅子を置いてくださってその数で売り止めだったのだけれど、ぐるっと会場を見回して、もし立ち見でいいんだったらあと多分ね200人ぐらいは入ると思うんだよね、あそこ。
👩でもそう簡単に言うけど、やっぱ大変だよ、蚊に食われながらの長時間の立ち見は。
👨でも言うてもお芝居が60分とか70分ぐらいだったら7なんとかなる気もするのだけれど。
👩じゃあ、その時間をヒールをはいて立ち見してみてよ。死ぬよ。
👨ああ、大変なんだってね、ヒールって。私はヒールを履いたことがないからわからないけれど。 でもさ、ほら、みんなスニーカーできてくださいねって言えばいいんでしょ。
👩やだよ、そもそも立ったまま舞台を70分も見たくない。
👨でも昔どこかにオールスタンディングの芝居とかなかったっけ?
👩まあオールスタンディング用として作られたものだったら。自由に動けたりとかね。いろいろあるんだけど。 でもね、やっぱりやだ。。
👨うーん・まあ、おねえさんがいやだって言うのだったらやっぱりダメなのだろうね。
👩相当やだ。
👨そっか。まあ確かに普通にライブの2時間とかでも座れるものなら座らせて欲しいものね、確かに。今はもうほとんど行かないけど、昔はたまに知り合いに誘われて武道館に行った時に二階席だとほっとしてたもの、座っていても目立たないから。 あそこのアリーナでなんか座るとすごく目立ちそうじゃない?、
👩あと見えな いし。
👨ライブで座ってしまうと見えないしね、確かに。
👩うん。
👨でもさ、話は戻るけど、今回のお芝居に関して言えば、あの場所だったら野外でもよいとは思った。今回みたいにちゃんと座れるのであればだけれどね。でも野外演劇に対する認識がすこし変わった。例えば北千住BUoYの地下みたいに元お風呂場だったところが劇場になったりとかしてる例もあるじゃない?
👩はい。
👨あれと同じで、やっぱあそこまでになると野外ということも劇場空間としての得がたい個性になるのだななと思ったことでした。
👩なるほどね。
👨 なんかサクサクと三つほど最近私が観たもののお話しちゃいましたけど、おねえさんは最近なにかご覧になったものってあります?
👩最近なんかサスペンスドラマを一気観とかしたりはしましたけれど、これだっていうようなものはあんまりないかな?
👨ドラマはねぇ、朝ドラ『虎と翼』は観劇おじさんたちのあいだでも出來がよいって大騒ぎにはなっているけれど。
👩あぁ、そうなんだ。
👨うん。
👩私はテレビを観ないからなぁ。
👨でもNHK+だったら観ることができるじゃないですか。 1週間分ぐらいは?
👩そうね。
👨そういえばね、私は最近『関心領域』という映画を観た。第二次大戦中アウシュビッツ収容所の隣で住んでいる家族の話。 たまたま買い物の合間に時間があいて観たのだけれど。 あの視座はすごい発想だなと思ったね。
👩はい。
👨別に実際に収容されたユダヤ人たちが出てくるわけでもなんでもないのよ。 ただ、その隣に住んでて、あの普通の生活をしている人たちの話なのだけれど。
👩へぇ、面白い。
👨まあ、その家の主人というかお父さんアウシュビッツのお偉いさんの司令官みたいな人ではあるんだけどね。
👩でも、それ以外の家族は収容所の内側のことには関心を持たず、淡々と暮らしているという風景の行き場のない違和感や恐ろしさ。まあ、工場の音とか収容所の煙突の煙が映ったりとかはするのだけれど。
👩あぁ、わかった。その映画は観ようと思ってるからあんまり言わないで。 以前に映画を観に行った時に予告編を見て、フライヤーなども貰ってこれは絶対に観ようと思っていた作品なので。
👨そうなの?じゃあこの作品についてはまたおねえさんが観てからお話しましょうね。
👩そうですね。ところでお勧めはなにかありますか。
👨まあ「柿喰う客」も久しぶりに見たのだけれど、6月下旬にはナイロン100℃が始まりまして、それは是非にみたくて。 なんかね、劇団始まって以来のおバカのお芝居をやるっていうふうにケラさんがおっしゃっているみたいで。また初めての時代劇でもあるみたいで。
👩うふふ、そうなんだ。
👧『江戸時代の思い出』というタイトルですけれど。 やっぱりね。ナイロン100℃はお値段もよくてなかなか観ることもかなわないのだけれど、今回は割と抑えめにしていただいていて。。
👩うんうん。
👨劇団新感線などに比べるとかなりお安めだしね。
👩はい。
👨あともう一つは、あの前に、あの一度ここでもお話したのですけど、「海外戯曲ををやってみる会」という団体のリーディング公演が7月にありまして。
👩あぁ、はいはい。
👨『ロンサム・ウエスト』というアイルランドの 戯曲を6人ぐらいのリーディング公演でやるらしい。
👩うんうん。
👨会場がイズモギャラリーだから結構濃密な感じのリーディングになるんじゃないかなというふうに思っていて。 ちなみに、私はイズモギャラリーというスペースが大好きなんだけど、意外と知られていないみたいでね。
👩私も聞いたことない。
👨東西線の早稲田駅から夏目坂を上がって下ったあたりなのだけれど。
👩へえ、知らなかった。
👨会場費もお手頃みたいなのですよ。それで地方から来た劇団の方にどこか2人芝居ができる良い場所を思いつかないかと聞かれてお勧めしたらその方もご存じなくて。
👩なるほど。
👨まあキャパが20人とか30人、30人ちょっときついかなぐらいのスペースで、でもリーディングなどには良い場所かなと。たまたまかもだけれど私はあそこで名作に巡り会う機会が多い気がするし。
👩そうなんだ。
👨うん、そうそう。機会があれば是非に。ちなみに今回の「海外戯曲をやってみる会」はアイルランドの作家の戯曲で。森田あやさんが演出に加えて作品の翻訳もされていて。
👩はい。
👨で、彼女が今回は実際に現地に行って取材もしたという。
👩へえ、すごいですね。
👨ええ、この円の安い時に。まあ3ステージしかないから、全部で60人とか70人ぐらいしか観ることができないかもだけど、これは観に行きたいなって思っています。
👩はい。
👨さてと、今回はこのくらいにしておきましょうか。
👩そうですね、
👨ということで、演劇のおじさんと。
👩おねえさんでした。
👨ではまた次回。

戸山公園(箱根山地区)陸軍戸山学校軍楽隊 野外演奏場跡(東京都)

(ご参考)
・柿喰う客『殺文句』
2024年5月24日~6月2日@本多劇場
脚本・演出:中屋敷法仁
出演:玉置玲央、中屋敷法仁、七味まゆ味、
村松洸希、永田紗茅、長尾友里花、
沖育美、齋藤明里、原田理央、
今井由希、淺場万矢

・ONEOR8『かれこれ、これから』
2024年5月31日~6月9日@新宿シアタートップス
脚本・演出:田村孝裕
出演:恩田隆一、冨田直美、山口森広、
保倉大朔、異儀田夏葉、富川一人、
オツハタ、田久保柚香、佛淵和哉、
山科連太郎、岡田帆乃佳、金井美樹、
大城智哉、小林桃香、小笠原遊香、
中野亜美

・家で出来る演劇『狂言山月記』
2024年6月6日から6月9日
@戸山公園(箱根山地区)陸軍戸山学校軍楽隊 野外演奏場跡
脚本:屋代秀樹(日本のラジオ)
演出:本橋龍(ウンゲツィーファ)
出演:日野あかり(#家で出来る演劇/日本のラジオ)、
家田三成(坂井水産)、宝保里実(コンプソンズ)、
横手慎太郎(シンクロ少女)

(今後のおすすめ)
・ナイロン100℃『江戸時代の思い出』
2024年6月22日~7月21日@本多劇場
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演;三宅弘城 みのすけ 犬山イヌコ 
峯村リエ 大倉孝二 松永玲子 
藤田秀世 喜安浩平 眼 鏡太郎
猪俣三四郎 水野小論 伊与勢我無 
木乃江祐希 池田成志 坂井真紀 
奥菜 恵 山西 惇

・海外戯曲をやってみる会『ロンサム・ウエスト
脚本:マーティン・マクドナー
演出:森田あや
出演:稲垣干城(アマヤドリ)、井上幸太郎、斉藤麻衣子、
相樂孝仁(殿様ランチ)、松本みゆき(マチルダアパルトマン)

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