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#168『結晶物語』江本勝

 素晴らしい本だった。
 水をある波動に晒す。それから冷凍して結晶を見る。すると驚くべき変化が起きている、というもので、有名な話だが読んだのは初めてである。
 ヒーラーの経験上、これは間違いのないことで、水はそういうものなのだ。そのコップを誰が持つか、というだけのことで、水の波動は丸っきり違うものになる。病んだ人が持つと水は臭くなるし、投薬治療をしている人が持つと薬品臭くなる。このことに初めて気づいたのは15年ほど前のことだが、こうして結晶の姿を写真で観させられると改めて唸るものがある。
 重要な二点。
1)一番悪いのは怒りや憎しみではなく「無関心」。これはマザーテレサ、渡辺和子、高橋和巳(#8,#9)の言っていることと同じ。
2)愛と感謝が重要だが、より重要なのは「感謝」。愛は能動だが、感謝は受動である。既に与えられているものに感謝することが、人間にはもっと求められている。
 この二点は、水の見せる変容から著者が得た理解であり、真実であろうと思う。
 またもう一つ示唆に富むのは「不幸せは幸せの反対ではなく、幸せに向かう途中」というもの。幸せの波動の水は綺麗な六角形だが、不幸せな波動の水は半分ほど出来かけた六角形になると言う。ちなみに本書には様々な結晶の写真が掲載されているが、全く六角形を結べないものもある。もし不幸せは幸せの反対ならば、結晶しない水になったはず。
 とても説得力のある主張の数々で、改めて自分の思い、考え、発する言葉、向ける眼差しに、注意を向けたいと思った。何しろこの体自体、大半が水で出来ているし、同様、他人の体も大半が水で出来ている。そして自分と他人の間には気化した水が浮遊しているのだから。
 

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