#216 『明るいほうへ』金子みすゞ

 金子みすゞは彗星のように現れ、彗星のように消え、そして後ほど再発見された。比較的近年のことだった。矢崎節夫さんという方が、それを為さったのだった。初めて金子みすゞの作品を手にした時の興奮、眠れないほどの余韻、知り合いに電話で朗読しては皆が感動したという話…本書の最後に小さな文章が寄せてあり、以上のいきさつがとても温かく、鮮明に伝わってくる。そういう流れで出版されることとなった金子みすゞの作品集の第二集が、本書である。
 あくまでも僕的には、だが、作品のアタリ率は#215で紹介したものの方が3倍くらい高い。収録作品も#215の方が多い。ちなみにハルキ文庫から出ている(今もあるのかな)。しかし本書にも感動的な詩があり、とても心に深く触れるものがあった。

わたしがさびしいときに
よその人は知らないの。
わたしがさびしいときに
お友だちはわらうの。
わたしがさびしいときに
お母さんはやさしいの。
わたしがさびしいときに
ほとけさまはさびしいの。

 前回の記事でたくさん書いたので、今回はこれだけ。

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