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女子バスケと山梨クィーンビーズ開幕戦(2021年)

東京オリンピック銀メダル、アジア大会優勝を引っ提げて女子バスケのリーグ戦・Wリーグが開幕した!
僕が応援している山梨クィーンビーズは、強豪・ENEOSと対戦。
正直、ENEOSは選手の移籍、日本代表選手(林選手、宮崎選手、中田選手)などの合流の遅れがあり、チームの歯車はまだまだ噛み合っていない様子だった。岡本選手もどことなく元気がなく、まだまだ本調子じゃない様子。女王はこれからギアーあげてくるんだろうな。
そんな状況ではあったが、10月23日(土)の山梨クィーンビーズの選手達は、全員がゴールに向かう積極性、無駄にドリブルをせず、球離れのいいパスワークでENEOSの選手達を翻弄していた。この日、ENEOSからあと一歩の所で白星を逃してしまった。(山梨)91対(ENEOS)95。悔しい―。

何人か気になった選手について書いてみる。

富田愛理選手(5番)の渡嘉敷選手へのプレッシャーはかなりきいていた。あのプレッシャーがあれば、他のチームの身長のある選手も抑えることができるかもしれない。次の課題は、ディフェンス後、しっかりオフェンスに参加し、得点を取れるようになれば、一流プレイヤーになるはずだ。

土田帆乃香選手(30番)のスピードは、恐らくまだ他のチームにデータがなく、日本代表の宮崎選手もおいてかれるほどのスピードがある。あとは「私が点を取るんだ」という強い気持ちでドライブを仕掛ければ必ず結果が出てくる。日本代表になれる選手かもしれない。

ガードでいえば、山本由真選手(77番)も今年、いやオータムカップからわずか1カ月足らずで大きな成長を見せていた。これまでボール離れが悪く、敵選手にプレッシャーをかけられ追い詰められる場面があったが、今日の試合ではそれもなくなり、球の周りがよくなっていた。インサイドに飛び込んで得点できるようになれば、新たなクィーンビーズの得点源にもなるはず。

渡邉 まりい選手(2番)の今期の成長が半端ない。高卒でWリーグに入っているからキャリアはある。今まで一番年下だったが、山本由真選手など同学年が入ってきて、気持ちも楽になったのだろう。これまでよりも伸び伸びプレイをしている。山本➝渡邊のホットラインは今後も期待できる。

アシスタントコーチとは思えないほどの活躍の岡萌乃選手(18番)。2ポイントを3/4、3ポイントを3/4で15ポイント。出場時間18分でこの結果なので、貢献度は高い。常に得点を狙う姿勢は若手にもいい影響を与えるはずだ。得点の部分での評価は高いが、やはり岡選手といえばディフェンスだ。伊與田HCも「ここは守りたい」というタイミングで岡選手を投入する。

岡選手と同時に投入されるのが、渡邊 愛加選手(45番)と近内 瞳選手(21番)。近内選手は、最年長ということもあり、ある意味、チームの柱のような存在だ。ベンチからの指示もコーチなみ。今や絶対的存在。
ディフェンスには定評のある渡邊選手は、プレイは激しいが、とっても優しい性格なような気がする。新人の濱西 七海選手とふざけあっている姿が、なんともほのぼのしていい。3ポイントが得意だが、たまに打てるタイミングで打たない時がある。そこは「どうだー、渡邊スリー!!!」ぐらいな気持ちで打って欲しい。だって3ポイントなんて外れて当たり前なんだから。

新人の濱西七海選手(14番)、池松 ほのか選手(8番)は隠れキーマンになる選手。まだまだデータがないので、どんどん伊與田HCは起用してほしい。
池松ほのか選手は、幼い顔で「一瞬、高校生?」思ってしまう。得意のワンハンドの3ポイントシュートも試合慣れして冷静に打てるようになれば、バンバンきまるだろう。
濱西七海選手(14番)は、結構、激しいドライブができる。デビュー当時の水野キャプテンを彷彿させてくれる。Wリーグの舞台で尻込みすることなく、ガンガン攻めてほしい。ENEOS戦では岡本選手とマッチアップし、岡本選手が右サイドからドライブで抜こうとした瞬間にブロックして止めた。あれは非常に大きなブロックで、岡本選手のメンタルにもきたんじゃないかなと。「新人、動きがいい」って。

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副キャプテンの瀬山楓選手(11番)は、出場時間は少ないが、今回はきっちり結果を出した。2ポイント、3/3で6ポイント。出場時間は5分。これは素晴らしい結果だ。この出場時間なのに存在感があるのは、誰よりもベンチからの声が大きいからだ。ベンチワークというのはバスケットの場合、勝利を左右する。点が入った瞬間に、大喜びされると、なんかやられた感が強くなる。
ベンチワークでの貢献も非常に大きい物だ。

もう1人の副キャプテン・若原愛美選手(13番)。山梨QBの中、勝てない現実を一番悔しがっているかもしれない。桜花学園、東京医療保健と負け知らずのチームで戦ってきた若原選手は、ある意味、バスケエリートだ。この現実を打ち破るため、毎試合、自分なりにもがいている。この試合も15ポイントと大きな貢献を見せ、ディフェンスでも激しいプレッシャーをかけつづけた。何よりもアシスト11という結果も出した。自分が点を取った時も喜ぶが、合わせで富田選手が点を取った時は、本当に嬉しそうにする。これも昨シーズン、何度もチャレンジして、失敗したがあきらめずやり続けた結果だ。

最後に水野菜穂選手(74番)。キャプテン2年目となるこのシーズンは、一段と気合が入っているのを感じる。髪もいつもよりも短くカット。この間の試合で初めて、足にサポーターをしているのを見たので、ケガだけは気を付けてほしい。とにかく点が欲しい時に点を取ってくれる、頼れるキャプテンだ。そっからシュート入るの?って角度から入る時もある。あまり得意でないといっていた3ポイントがこの試合では決まった。4/6の確率は、50%以上なのですごい!練習の賜物だろう。感謝祭で思わず悔し涙を流した水野選手。今シーズン終わった時には嬉し涙を流せるように僕達も一生懸命応援しなければ。水野選手は、応援が多ければ多いほど自分の力に変え、結果を出せる選手なのだ。

最終ピリオード残り5分。80-73と6点のリード。ここで山梨クィーンビーズがファールをし、ファール4つ。あと1つファールをすれば、自動的にフリースローになる。実はこの時点で、この試合は詰んでいたのかもしれない。
ここが大きな分かれ目だった。4Qスタート時の一番の注意事項は5ファールだったかもしれない。
ファールになった瞬間にENEOSの選手は、「勝った」と思ったような気がした。コートにも変な空気が流れた。伊與田HCも慌てて、タイムアウト。ファールができなくなった山梨クィーンビーズは、渡嘉敷選手に厳しいプレッシャーをかけられなくる。それを見越して宮崎選手は、渡嘉敷選手に球をほおりこむ。水野選手が意地の3ポイントを決めたが、勝利には届かなかった。

勝つチームと負けるチームの違いはなんだろう。
それは「勝つ風格」だ。
点差があろうとなかろうと勝つチームは「勝つ風格」がある。
それは勝っているチームにしか出てこないものだ。
じゃあ負けこんでいるチームが勝つにはどうすればいいか。
準備をするしかない。勝つためには準備をするしかないのだ。
その準備が上回った時に勝つことができる。
実はこの10月23日(土)の試合の後、山梨クィーンビーズの選手達の背中にも「風格」が現れていた。
この日、「自分達のバスケで勝てる」という言葉が確信に変わった。

2021年10月30日(土)と31日(日)のトヨタ戦。
勝つチャンスは10月30日!
(10/30(土)14時開始   10/31(日)12時開始 等々力アリーナ)
データが揃う前に白星をゲットしたい。
最終クォーターで追い詰められた時のイメージを持って戦いに挑んでほしい。
観戦はSPOZONEで https://www.spozone.jp/intro


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