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#001:進展型肺小細胞がん  抗がん薬治療から緩和医療への橋渡し

 個別相談を受け付けた患者さんのご家族から、情報公開の許諾を頂きました。
 患者さんは既に他界されています。
 百箇日の法要を終えられたのち、ご家族からとても格調の高い御礼状を頂きました。一部改変して抜粋します。
 「父は生涯現役で働き、生きている間は人の役に立ちたいという信条でした。今回の父の経験、私たちが先生にお聞きしたことが、誰かのためになるのであれば、同じ病気で苦しむ患者さん、ご家族のお役に立つのであれば、きっと父も喜ぶことと思います。」
 「大分での肺がん診療」ブログ本編では、自分の備忘録として運営している、とは言いながら、ご覧になる方々の希望を損なわないように、できるだけ前向きになれるトピックスを選んでいます。

 しかし、今回取り上げるように、治らないがんと闘う、というスタンスから、治らないがんを受け入れて、残った人生と上手に向き合う、というスタンスにスイッチすることもとても大切です。診断がついたその日から、こうした心の準備を整えるお手伝いをしたいと常々考えています。

ID:001
①年齢:70代
②性別:男性
③職業:非公開
④喫煙:30本×40年、禁煙後
⑤合併症:肺気腫、高血圧

⑥出身地域:非公開
⑦居住地域:非公開
⑧症状:息切れ、胸痛、食欲不振、全身倦怠感
⑨Performance Status(PS):3
⑩病理診断:小細胞癌
⑪他臓器転移:頭蓋骨、腰椎、脳硬膜
⑫診断時病期:IV
⑬胸水貯留:有
⑭遺伝子変異:不明
⑮PD-L1発現状態:不明
⑯経過:限定公開

⑰質問:限定公開
⑱管理人からの回答:公開可

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