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第3回 起業セミナーレポート「起業で1番大切なことは“続けること”!」

第3回目のセミナーは、株式会社finn 代表取締役 都築 亮吾 氏による『学生起業からM&Aまでの2年10ヶ月』をテーマに起業の魅力についてお話し頂きました。

都築氏は、豊田工業高等専門学校3年時に、「ゲームプレイが称賛される社会」を目指してスタートアップ企業 株式会社Papillonを同級生と設立。誰でも簡単にeスポーツ大会を開催できるプラットフォーム『e-players』をインドネシア向けに提供。2022年、面白法人カヤック(3904東証GRT)にM&A。1年半事業部長を務めた後、再び独立し、2回目の起業。


起業することになった経緯

高専2年時に交換留学生として約1年間アメリカのテキサス州で過ごす。海外生活の中で、eスポーツ選手たちが堂々と称賛を集めている姿を目の当たりにし、ゲームが娯楽の域を超えづらい日本のeスポーツの現状に疑問を抱き、帰国後、高専1年時からの友人を誘い、起業。

起業理由① 仲間と一緒に自分たちの技術で世の中のためになる“何か”を作りたい。エンジニアの学校だったこともあった。

起業理由② 仲間との共通点が「eスポーツが好きなこと」だった。

最終プロダクト eスポーツ大会プラットフォーム『e-players』 完成まで乗り越え続けてきた壁

1.課題が把握しきれていなかった
最初は、自分たちがeスポーツが好きだったことで、自分たちがeスポーツのオンライン大会に参加するときに大変だった体験を解決するサービスの試作品を作った。しかし、全く使われなかった
[要因]
自分たちの考えだけで、ユーザーの課題を把握しきれていなかった。ビジネスとは“課題”を解決するもの。
[対応]
ユーザーヒアリングを実施。対面やZOOMを活用し、ユーザーに1つ1つ質問することで、「ユーザーが本当は何を考えているのか」を深堀りすることが重要。
そして、ユーザーヒアリングによりスマホ版のプラットフォームからPC版へ方向転換。
[今後起業する方へのアドバイス]
ユーザーヒアリングの結果、方向転換や路線変更は何度もする覚悟で!

2.eスポーツの市場が小さすぎた。
2019年時点で市場規模61億円であり、蚊取り線香と同規模。短期間で急成長を設計するスタートアップには、大きい市場が必須だった。
[要因]
好きなこと=スタートアップと相性がよい事業、ではないことを理解していなかった。
[対応]
日本から世界へ目を向けた。日本からインドネシア市場へ方向転換。市場調査を実施し、東南アジア各国のインフラ整備度や人口等を点数付けした結果、インドネシア市場への挑戦を決めた。
そして、なんのつながりもないインドネシア市場へピポット(※)し、FacebookやXなどを活用し、1日500~1,000通DMを送りまくって、ZOOM等でインタビューを行い、市場を把握。
※ピポット:経営の方向転換や路線変更を意味するビジネス用語

3.給与問題
メンバーの高専卒業と共に給与問題が発生し、資金調達が必要になった。
[対応]
愛知県のスタートアップ支援施設「PRE-STATION Ai(プレステーションエーアイ)」へ入居し、信用度を向上させることで、応援してくれる複数のエンジェル投資家より資金調達を成功させた。
[今後起業する方へのアドバイス]
資金調達の際は、どんどんいろんな方に会いに行って!エンジェル投資家から資金調達する際には、その方がどのような方なのか3~5人に聞き、社風に合いそうか、一緒に良い企業を作っていけそうかの見極めも大事

上場企業からのオファー、そしてM&Aへ

インドネシアでの市場調査をもとに、スペックの低いスマホでも使い易くなるよう機能をそぎ落とし、直感的に使えるように改良し、最終プロダクトeスポーツ大会プラットフォーム『e-players』が完成ユーザーに求められるものになり、急成長を果たす

起業すると良いこともあるが、困難も待ち受けている。方向転換や路線変更しながらも「続けること」でチャンスは生まれる!

その後、海外市場の開拓を目指していた上場企業 面白法人カヤックよりオファーがあり、「自分たちの資本力や知見だけではできない面白いことができそうだ」、「もっとeスポーツ市場を盛り上げることができそうだ」と思い仲間入りを決め、事業部長へ。

もう1回起業したい!そして、2回目の起業。起業の魅力とは。           

■自分たちが想像した未来を作れることへのワクワク
■好きな仲間と好きなことをできるって幸せ
1回目の学生起業時と同じメンバー4人で2回目も起業。

起業する時、何から始めるべきか

■とにかくいろんな方に連絡を取って話を聞きまくることを勧めたい。
今は、すごいな!と思う方とSNSで連絡が取れる時代。自分が会いたい、参考になる人には連絡を取りまくり、会いに行ったり、ZOOM等でお話しし、対面でないと感じられない生の話を聞く数を増やすことが大事。
また、今の自分の知識や状況で話せそうな人を選ぶことも重要で、自分の準備が整っていないタイミングに大企業の社長に会って話を聞くのが良いということでもない。

■仲間を探そう
起業は長い戦いになることが多く、遠い場所へ行くには仲間がいた方が良い。
仲間は、会社のメンバーでも良いし、同じ志を持っている起業家などどんな形でも良い。自分が目指す世界を語り、一緒にやらないかと誠実に口説こう。


セミナー終了後

セミナー終了後、受講生から「投資家との関係作り」や「仲間とのコミュニケーション方法」など沢山の質問が!

■投資家との関係作りについて
投資を受ける前は、将来性を伝える
投資を受けた後は、責任の一つとして、毎週1回企業の状況を伝えるレターを出し、企業の進捗や困っていること、相談事を共有し、成長を見てもらうことで応援される関係性を築いているとのこと。

■仲間とのコミュニケーションについて
小さなことでも誰かを置いてけぼりにするのではなく、全員が納得行くまで時間がかかっても話し合っているとのこと。また、コミュニケーションツールslackを使って、毎日仕事のことも、プライベートのことも話すようにしている。

1対1の個別質問でアドバイスを受けた受講生は、早速、セミナー会場内にいた他の受講生やスタッフに自分の名刺を渡しながら、自分の事業をPR。アドバイスを即行動する姿も見られました!



次回、10月6日(日)第4回起業セミナーは、「1日100食限定」のコンセプトで「佰食屋」を人気店した株式会社minitts 中村氏をお招きし、「ビジネスで夢をかなえる。~日々の疑問がアイデアに~」をテーマに講演いただきます。

毎月、起業の魅力や関連する知識、スキル向上等について、全国からさまざまな分野の講師を招き、お話しいただきます!いずれも「無料」ですので、皆さまのご参加お待ちしております!

参加申込は、こちらから!