![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/75158203/rectangle_large_type_2_a308638a299bae711a2942b181ed0bc7.jpg?width=800)
私のお母さん
私のお母さんは生物を触れないらしい。
お肉も卵も気持ち悪いらしい。
中学生の時にお弁当が冷凍食品だらけになった。
恥ずかしくて、恥ずかしくて、
毎日お弁当を隠しながら食べた。
その時なんで卵焼き焼いてくれなくなったの〜?
って聞いたら、笑いながら
生卵気持ち悪くなっちゃった!って言ってた。
それは覚えてるんだけど、
私には理解できなくて、
お母さんがどんな顔してどんな声でどんな気持ちで言ってくれたのかは全然わからない。
高校生の時は学校と部活と塾で、
あまりお母さんと向き合っていなかったなあ。
毎日作ってくれていた晩ごはんを作るのもすごくしんどかったのかなあ。
大学生で家を出て、実家に帰ることが少なくなっていった。
私が来る夜は絶対外食。
体調を崩して実家に泊まった。
病み上がりは家で夜ご飯を食べた。
お父さんが仕事から帰ってきた。
お母さんはご飯とスープを出した。
あとはご飯のお供や解凍した食材たち。
お母さんなんでご飯作らないの?お父さん疲れて帰ってきて、もっとあったかくて美味しいご飯食べたいでしょ絶対。
って思ってしまった。
少しお母さんに話を聞いてみたら、
お肉も卵も気持ち悪くて触れない。
洗い物もシンクも汚いのが気になって片付けにも時間がかかる。
心がぎゅーーってなった。
きっとずっと前から苦しんでて、
私がちゃんとしてよって言っちゃったこともあったと思うし、
おかしくなっていく自分が嫌になったこともあったと思う。
どうしたらいいかわからない。
私がどうしてあげればいいのかわからない。
でも今日少しわかった。
私はお母さんを変えられない。変える必要がない。
私のお母さんは最高な人だ。
面倒見が良くて、人当たりが良くて、優しい。
こんなに素敵だからお母さんはお母さんのままでいいんだ。
今日家に帰ったら、
たくさんのありがとうを伝えてみよう。
お母さんの話をしっかり聞いてみよう。
いつも私の帰る場所を作ってくれたように、
私もお母さんが自分らしくいられる場所になりたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?