間に合った
間に合った。
その瞬間には間に合った。
間に合ったからなんなんだと言われればわからない、何にもできなかったのだから。
ほとんど意識もなくて
苦しそうに息をして
そんなあなたを大きな声で呼んで
それで何になるわけではない
あなたのためになるわけではない。
そして
あっけなく息が止まる
そうだ父母の時は息の止まる瞬間には私は居なかったのだ
だから余計にあなたの時はあっけないと思った。
みんなを残して
あんなに生きたかったのに
あんなに頑張ったのに
どうして逝ってしまうのだろう。
それは
あなたが一番知りたかっただろう
なぜわたしなのかと
知りたかっただろう。
全てが終わって
今あなたの息子のために
みんなが全力でかけずり回っているよ
せめてそのぐらいはしなくてはね。
だって
私たちは生きているんだから。