コラム“韻発掘の正引きと逆引き”

概要

日本語話者の場合、日本語の語彙からライムフレーズを探すのは(多言語に比較して)高速であると考えられる。

音声認識

聞いた音を、言葉として理解するプロセスは次のようになる。

  • 音声を聞き取り、音声データとして一時記憶する

  • そのデータに合致する言葉を知っている語彙から探す

  • 複数マッチする可能性がある

  • 文脈や状況を踏まえ、音声がどの言葉であるか特定する

  • 言葉の意味や意図を把握する

ここで、“知っている語彙から探す”という作業は母語において最も効率化される。

音声認識と韻発掘は似ている

ある素材フレーズから音響一致を頼りにライムフレーズを探す時は、これと似た作業が行われる。

  • 素材フレーズを発声し、音声データとして一時記憶する

  • そのデータに合致する言葉を知っている語彙から探す

  • 複数マッチする可能性がある

  • 文脈や状況を踏まえ、使用できる言葉を特定する

  • 一連の文章として馴染ませる

ここでも、母語の語彙が主な発掘ソースとなるだろう。

韻発掘の正引きと逆引き

したがって発掘において作業効率化を考える場合、馴染みのない言葉を発掘の起点とし、そこから知っている言葉を探すのがよい。
仮に、これを発掘における正引きと定義する。

外国語から、響きの似た母語の言葉を探すのが正引きの代表例である。
たとえば日本語話者の場合、「マカレナ」から反射的に「巻かれな」を発掘しやすい。

逆に馴染みのない言葉や特殊な言葉を探す作業を逆引きとする。
こちらは言葉の存在に気付けないことも多く、辞書や検索によって“存在するかどうか”のチェックが必要となるので、発掘効率は悪い。

(文/SIX)

from 韻韻

辞書に存在しなくても意に介さず使う剛毅なライマーもいるよ

変更履歴

2022.11.9 メールマガジン用に書き下ろし
2024.5.16 note用に改稿

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