ワンループライムにおける緩急

概要

連打ライムの単調さを克服する方法を考える。

連打のデメリット

一バースあるいは一曲通して同じ韻を踏み続ける場合、音響面で強い反復性を備える。
よくいえば一貫性や統一感であるが、悪くいえば“単調さ”でもある。

では単調さを克服することはできるか。
ワンループでありながら、緩急をつける工夫にはどんなものが考えられるだろうか。

工夫の例

たとえば、繋ぎの文章が極端に少ない、韻面積の大きい連打ライムにする。

カスタードクリームやマシュマロホイップとマスカットピールのワッフルマンゴープディングを

横文字や漢字を多用するなど、視覚的な変化を付ける。

異種総合格闘技交響楽章地獄極楽浄土行非合法活動時期尚早等異論文句反論無視堂々博打勝負真骨頂発揮上手一等賞獲得日頃渇望中実証公約後試行錯誤

改行の挿入で、視覚的な変化を付ける。

一斉に慄く彼ら。
理性の動く前に、危険を直感する遺伝子上プログラム。
眉間へと照準マークして
「くそっ、動くな!」

これ以外に、入れ子ライムを利用して連打の一部フレーズだけ同音ライムにする――といった手法も考えられそうだ。

次回のワンループ作品を書く際は、他にも検討してみたい。

(文/SIX)

from 韻韻
第一人者。

関連項目

  • 企画書“韻のワンループシリーズ”

変更履歴

2021.11.26 メールマガジン用に書き下ろし
2022.8.3 note用に改稿

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