韻は先着順で評価しない
概要
採用したライムフレーズが他の作者と被った場合の評価について。
新規性の大切さ
読者によっては、同じ韻が複数のライマーによって使用された場合、先に発表した者のほうが優れていると評価する。
ミステリにおけるトリックと同様、韻には“独創性や新規性を重視する”という傾向があるので、理解できなくもない。
つまり、既出のトリックや既出のライムフレーズには真新しさがなく、価値が低いというものだ。
しかし個人的には、こうした考え方をあまり採用しない。
発表したタイミングを評価に持ち込むことはほとんどない。※1
(あるとすれば“XXXX年代にここまで高度な研究がなされている”といった観点)
使い道を考えず、早く提出した者が最も優秀であれば、編集力は無視して発掘力だけで優劣を決めていることになる。
それはデータベースや検索エンジンと変わらない。
ライマーの力を発揮できていない。
そうではなく、“どう繋いだか”“何に活用したか”という点に着目する。
ここまでの話は、“先に発表された作品を知らずに、別の作者が偶然同じ韻を踏んだ”というケースを想定している。
しかし、仮に先行作品を知った上でのアレンジであったとしても、同様に考えている。
処理の仕方がオリジナルを上回るものであれば、アレンジのほうが高評価になるだろう。
(文/SIX)
脚注
※1 作詞から公開までに時間がかかるケースもあるため、そもそも発表時期で比較するのは厳密でない
関連項目
コラム“AIによる作曲の著作権問題”
コラム“トリックと韻の編集力”
変更履歴
2021.12.5 メールマガジン用に書き下ろし
2022.8.18 note用に改稿
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