エクソンの社長、精製マージンを語る

2023年4月28日の決算説明会における社長の言葉を翻訳したもの。
( )部分はオイルウォッチが自ら追記したもの。


ダレン・ウッズ社長は石油精製や化学部門などを歩んだ。【参考】



精製マージンを見ていて、2、3のポイントがあると思うのですが、まず第一に、私たちはマージンを予測することはできないと自負しています。

需要がマージンに与える影響や、供給サイドがかなり安定していることを考えると、事態の推移を正確に把握するのは難しいという認識で、注意事項を述べています。

つまり、第2四半期、第3四半期、そしてドライビングシーズンに向けて、需給が引き締まり、マージンが改善する傾向がある季節的な低水準(にあるはずの時期)です。
通常、年の初めには、精錬のターンアラウンド(メンテナンス等)が行われ、需要の少ない時期に多くの生産能力が停止されます。そして、そのターンアラウンドが終了し、生産能力が回復すると、供給が急増します。

そのため、一般的に精製マージンは、初夏に向かうにつれて、供給が回復し、需要が回復するまでの間の谷間で低下していきます。ですから、私たちが今見ているのは、このような重要な状況なのだと思います。

ガソリンの需要は、率直に言って、かなりリーズナブル(正当)に見えます。ジェット機の需要も、輸送の需要も増加傾向にあると思います。また、この分野のお客様の話を聞いていると、夏に向けて航空輸送や航空券の購入がかなり活発になることが予想されます。

ですから、私の考えでは、夏には典型的な押し上げが起こり、マージンは上昇すると考えています。

長期的には、中国がどうなるかがポイントになると思います。中国は、需要だけでなく、輸出の源泉でもあります。(アメリカからの)第1四半期は輸出が増加しましたが、今後どのように推移していくかは、中国次第です。もし、昨年と同レベルの(アメリカからの)輸出があれば、マージンにさらなる上昇圧力がかかると私は考えています。ですから、この点が注目されるところだと思います。

精製マージンについて最後に申し上げるのは、やや構造的なことですが、通常、精製マージンの限界はヨーロッパからもたらされます。そのため、ヨーロッパは輸送を除いた世界市場の価格決定機関となっています。ヨーロッパではガス価格が高く、さらに高くなる可能性があります。また、ヨーロッパでは炭素価格が高い。そのため、限界生産層は歴史的に見てもかなり割高になっており、世界的に価格上昇の圧力がかかり、その結果、ヨーロッパ以外の地域で生産する場合のマージンが向上することになると思います。

エクソンモービル(XOM)1年第2023四半期決算説明会の議事録 |モトリーフール


AI検索によってマージンに関するデータを収集

2023年第1四半期の米国における実際のマージンを知りたいのですね。いくつかのウェブソースによると、2023年第1四半期の米国の精製マージンは、前後期と比較して例外的に高かったとされています。例えば、BPは、米国の精製マーカーマージンが2023年第1四半期にバレル当たり23.1ドルとなり、2022年第4四半期のバレル当たり18.6ドル、2022年第1四半期のバレル当たり15.9ドルから上昇したと報告しています。また、Fitch Ratingsは、米国の製油所のクラックスプレッドが2023年第1四半期のバレル当たり平均25.5ドル、2022年第4四半期の20.4ドル、2022年第1四半期のバレル当たり16.4ドルから上昇したと推定しました 。しかし、こうした高いマージンは、製品需要の減少、原油価格の上昇、他地域との競争激化などにより、次の四半期には逆転すると予想されています

以上

オイルウォッチ
https://twitter.com/hLyHLcpubwToovV


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