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石油製品の品質規格(灯油編)

ガソリン、ジェット燃料と紹介して来ましたので、今回は灯油について紹介いたします。
と言いましても、灯油は他の燃料と比較すると紹介するほど細かい決まりが多くはないので、かなり短くなるかと思います。


初めに
灯油にもJISで定められた2つの規格があります。

1号:灯火用、暖房及び厨房用燃料、燃料電池用
2号
:石油発動機用燃料、溶剤及び洗浄用
燃料電池用は、硫黄分が通常の1号灯油より低いものとする。

と定められています。
一般的に多くの方が使用される灯油は1号となっておりまして、主に2号は業務用に使用される物となっています。

灯油は別名として洗浄油とも呼ばれておりまして、金属の油汚れなどを落とすために使うことがあります。
(バイクや車のオーバーホール動画などをご覧になると良く使用されています。)

例:チェーンの油汚れ落とし

要求品質規格項目
JISで要求されている品質規格項目(1号灯油)は下記の項目で
•蒸留性状(95%流出温度)
•引火点
•銅板腐食
•煙点
•硫黄分
•色(セーボルト)

の6項目となっています。

灯油の品質規格項目の中で特徴的な物としては煙点と言う項目です。1号灯油ではこの項目が、23mm以上となっています。
煙点の定義は”煙を発生させない状態での炎の高さ”となっておりまして、これはなかなか意味が分かりにくいかと思います。

これの意味する所は、灯油中に含まれる炭化水素がどの様な物が多いかを示しています。
パラフィン系の炭化水素が多いと煙点は高くなり
芳香族や重質分が多いと煙点が低くなります

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つまり、質の良い(パラフィンの多い)灯油ほど、煙が出にくい(不完全燃焼しにくい)と思っていただけたら良いかと思います。

終わりに
今回は非常に短い内容となりましたが、灯油はガソリン、軽油の様にモビリティには使われず、基本的には暖房用として使用されており、北国では未だ必需品となっています。
灯油ストーブも少なくなってきた世の中ですが、ストーブの上で焼いた餅や、炊いたおでんをまた食べたいと思う事もたまにありますので、なくなって欲しくない文化の一つだと思っています。

次回は軽油のお話しをしようと思いますので、お待ちいただけたら幸いです。
では、次回もよろしくお願いしますねぇ

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