故・ねこぢるの思ひ出ぽろぽろ

ねこぢるについて語りたいと思う

可愛さと残酷さが同居する、ポップでシュールな作風でカルト的な人気があったねこぢる

ラルク・アン・シエルのボーカルが愛読しているという噂もあり、当時ガロ系の作品としてはかなりメジャーな漫画だったので、この猫に見覚えがある人は少なくないだろう

わたしとねこぢるの思い出はどれも心地よい思い出ばかりで、はじめて読んだのはやはり父の本棚だった。私の父は自営業を営む漫画好きだったのだが、わたしにも色々な作品に出逢わせてくれた(というか本棚から勝手に読んだのだが)

当時、ねこぢるは先に書いた通り、一般人にも知られる程の人気となっており、色々なグッズも出たりしていた。面白がった父はわたしにもにゃー子とにゃっ太のプリントがされたTシャツをプレゼントしてくれて、もちろんわたしもそれがお気に入りだった。

家庭の事情で父と別居(夫婦仲は良好であった)した小学校3年生の頃、わたしはやはり父からもらったお気に入りのTシャツを着て、転校先で仲良くなった友達と駅ビルで遊んでいた。

家に帰るには薄暗いトンネルを通る必要がある。いつものように私はトホトホとトンネルを歩いていた。

「きみ、たまごっち とか ほしくない?」

振り返るとなんだが弱そうな男性がいた。そう、わたしはこの男に”誘われた”

「あっちにたまごっちがいっぱい売れ残ってるんだ 余ってるからわけてくれるかもしれないよ こっち こっち」

人通りがある場所をあるいた、男は1度もわたしを振り返ることなくずんずんと歩いた。その速度に違和感を覚えた頃、私はやっぱりかえる。と人混みへ混ざりながら帰った。走るでも急ぐでもなく。たださっきよりは大きな歩幅だったかもしれない。

当然家に帰るのだからまたあの薄暗いトンネルを通った。いま思うと、こんな安っぽいTシャツを着た小学生を誘拐なんかするか?ロリ〇ンのイタズラか、通り魔か。でもこわいですね 小学3年生の脳みそじゃ、危機管理能力なんて働くはずもなく。これ、自分の子供が同じ被害にあったらと思うとほんっとーーーに胸糞悪い話なんですけど、自分の話だからか、なんか忘れられない思い出なんですよね。実際、母にもすぐは打ち明けませんでした。というか、打ち明けるほどの話ではないというか。

この感覚が、わたしにとってのねこぢる作品を読んだ読後感に非常に近く。難しいことをいえば子供の諦観、無邪気さ、まだ人間になる前の感覚…

まあなんでそんなどうでもいい昔話を書き記してるかというと、これを観てですね ちょっとガーンと来ちゃったワケです。

「ねこぢる」山野一の描き下ろしイラストを使用したアパレル、曼荼羅風湯のみ発売https://natalie.mu/comic/news/406990

故・ねこぢる は、こういうの いらね っていうんじゃないかなあ。メディアミックスやグッズ化を否定するわけではないけど、こういうの1番きらいなんじゃないの?この人の作品は巡り会えた人だけが知れる作品でいいんじゃないの?またデザインもタイダイ染め風でなんか煽ってくる感じが〇ラつくし…(ナ〇リーストアをdisる気はありません。乙嫁語りのスカーフ買いましたし)

てかこんなん流行ったらまた私みたいなロリ〇ン変質者被害者が増えるやないけ!が本音ですね(冗談です)

エイフェックス・ツインを聴きながらかしこ

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