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きみに回帰線

風邪を引いて小学校を休んだ日に聴いた、ピノキオピーさんの『すろぉもぉしょん』がめちゃくちゃ良かったことを、思い出しました。風邪を引いたときに聴きたくなる曲は幾つかあって、稲葉曇さんなら『クーラーガール』とか。熱が出てぼやぼやしている頭にメロディーを流し込むのは、なんとも言えない心地良さがあります。

今日は別に風邪で休んでたわけではないのですが、あんまり寝起きの体調がよくなかったり、色々複合的な要因でお休みをいただいてました。誰かが行先で自分を必要としてるわけでもないし、行きたくないから休む、っていうのは心が休みたがってるんだから誰にとっても権利だと考えてるのですが、変な罪悪感はやっぱりあります。稲葉曇さんの『きみに回帰線』という曲は、体が重くてなにもできないとか、名前を呼ばれるだけでこわいとか、「登校する」ことに対する心情の描き方が緻密で痛ましい位に共感できます。

『きみに回帰線』というタイトルの「回帰線」というのは、夏至と冬至の日に、太陽の南中高度が直角になる緯度の地点に引かれた線です。回帰するのは太陽なので、この場合、「きみ」が地球で「あたし」が太陽ということになりそうです。暗い所に身を隠したい「あたし」と、明るい存在である太陽の対比が面白いところです。太陽のように、地球から見ると高く登る時期とそうでない時期があったり、雲に隠れたりしてしまうっていう比喩表現なのでしょうか。

稲葉曇さんの楽曲は幼い子供のような口調の詩と鋭い部分と円い部分が混じり合ったサウンドが絶妙にマッチして不思議な世界観を作り出しています。
そうしてできた無力感とか、やるせなさの表現が好きなんです。あと、晴れ、雨、雪といった天気を題材にするアーティストは多いですが、曇天という絶妙なところを突いているのがまた、好きです。MVの気だるげな雰囲気もいいですよね。

楽曲、アーティスト紹介をするのは楽しいです。これからも多分増えると思われます。ちょっとまだ疲れは残りますが、明日から何とかやれるように頑張っていきます。





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