『つめたさう』−正式ではないから抜け道髷−『風俗三十二相』
今日は雨がひどかった、、。
昨夜も雨の音と風の音の酷さに目を覚ましてしまって、しばらく眠れませんでしたわ、、。
なんであんなにひどい雨が降ったのでしょう、、。最近降っていなかったぶんが一気に来た感じしますね。
でもまた一週間は晴れらしいですね。よかった!
寒いのに大雨はかなり体力的にきついですから、しとしと降ってほしいもんです、、。
今日もまた月岡芳年。『風俗三十二相』「つめたさう 文化年間 めかけの風俗」
この絵には二つの重大なポイントがあります。
一つはまたまた女性の髪型。
この女性の髪型は島田髷でも丸髷でもない、三つ輪髷です。
三つ輪髷というのは髪の部分を三つに分けて左右に二つの輪を作って真ん中を大きな丸髷を作ることでできます。
説明だけ聞くとサザエさんみたいな印象を受けますが、そうではないようですね。
以前鏑木清方の記事でもお妾さんのことに関しては調べたことがありましたね。
正妻ではない妻のこと。
お妾さんは妻と正式に名乗ることはないので既婚の印である丸髷をするには気が引けたのでしょうか。
だからこそ丸髷に似た形の髷である三つ輪髷をしたのでしょう。
島田髷だと誰かに口説かれちゃうかもしれないですね。それだとやっぱり困っちゃうのかな。
この絵の重要なポイントであるもう一つは明かりについてです。
絵の左にある桃色の光は行燈からの光です。
桃色に光っている部分全部がそうなのではなく、下にある行燈から漏れている光が直線枠で描かれているのです。
当時の明かりは今のように電気でどうのこうのではないのは自明ですが何で明かりを灯していたのかというと蝋燭や灯油を用いていたのでした。
蝋燭での灯りでは手燭で持ち、室内で持ち運ぶことができるものでした。
こういうのに筒を貼り付けて灯りをぼんやりとさせていたのでしょう。
ちょうど絵の光は筒をつけた手燭に蝋燭は立っているのでしょうか。一気に周りが明るくなりますね。
灯油の灯りでは直接灯油に火をつけることで消費します。
蝋燭のようにその光を紙で囲って灯す行燈や、炎を器で受け入れてそのまま灯すひょう燭というものがありました。
灯火器具の一。油皿の中央に置いた灯心に火をつけるもの。
結構細い光な気がしますがこれで寝る前に本を読んだり廊下を照らしたり、大きな光が要らないときに使うのでしょう。
いずれにせよ蝋燭も灯油も庶民には贅沢なものであったようです。
大事に大事に光をより多く照らすことができるように工夫を凝らしていたのでしょう。
今日はここまで!
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