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『あいたさう』−この花魁の行先は、、。−『風俗三十二相』

いや昨日書きますとか言った分すっ飛ばして今日の投稿を先にするんかーい。

とは言いますが先延ばしにさせてもらいます笑。

でもちゃんと書きます。でないと意味ないのですよね。

昨日は私の誕生日(明日)を彼氏が祝ってくれました。
お昼も夜も行きたいお店に行かせてもらって、プレゼントに月岡芳年の本を買ってもらいました。
しかしそれだけでなく、彼が私に教えずにネックレスと香水を用意してくれていたのと、夜のお店(めっちゃ和食系)でバースデープレートを用意してくれていたのです。

正直お店の雰囲気だったり系統的にそういうサービスの予想さえできなかったし、私が彼の誕生日で満足行くほどのプレゼントをあげられなかったために彼も相応のものを買ってくれましたので、大きな期待はしていな買ったのですが、びっくり。

これじゃ惚気みたいになってしまいますが、そうではなくて何日も前から用意してくれていることの嬉しさを実感する日々です。この前の友人と言い。

明日の誕生日当日は予定がなんもないので一人の時間を満喫したいと思います。

こんなに文字数を使ってしまった。

そんな嬉しさに浸っている日も月岡芳年

今回は『風俗三十二相』第二十一「あいたさう 嘉永年間 おいらんの婦宇俗」です。

この女性は副題の通り花魁です。ちなみに吉原の遊女らしい。

女性は桜が舞い散る中、後ろを振り返り何かをじっと待っているような様子。

髪も決めているわけではなく、簪も髷もゆるっとしています。
特に簪、笄で飾っているわけでもなさそう。
きっと仕事前の朝かと推測されています。

題名が「会いたそう」ということで誰かを待っています。
きっとこの女性の目線的には遊女友達などではなく、恋する男性を待っているのでしょう。

遊女は客と結ばれることは本望ではありませんでした。
というと語弊があるかもですが、男性客を好きでもないのに相手をしていますから、間違いではありません。

そんな苦い日々を過ごす中で心の癒しとなるのが絵の女性が待つようなたった一人の男性です。

遊女が結ばれたいと思う男性はそんじょそこらの客ではないのです。
遊女の賞味期限はおよそ10年と言われていたようです。
その中で自分を買ってくれる男性を見つけなければなりません。

遊女のレベル、格にもよりますが買ってもらうためにも身代金を必要とします。
花魁ともなると妓楼から見受けするのに男性は千両ほどの身代金を用意します。
それでも遊廓側と男性の関係の話ですので女性の意向に沿ったものになるわけではないのです。

今と比較するとまた違ってくると思います。
今の例えば風俗などの体を売る商売の女性は自分のお金のために働いている方が大概かと思います。そこで例えば結婚相手を見つけようとはならない気がします。

そこではお金が貯まれば辞めて生活を元に戻すというのがよくある話だと思います。今の女性たちはそこで金持ちの男性や好きでもない男性と結ばれることはなかなかないのではないでしょうか。そういった女性は普段の生活を癒してくれる男性がいるものなのでしょうか。

きっと時代的な女性の人権の変遷とともにこのような商売の女性の結婚観は変化しているものだろうと思います。


今の女性の方が幸せだとかそういうことを言いたいのではなくて、いずれにせよ好きでもない男性とともにいることの大変さは計り知れないということです。

なので?というとまた違いますが、絵の女性の生きていた当時は遊女たちは好きな本命の男性と駆け落ちということもよくあったようです。

吉原の遊廓は遊女たちが簡単に脱走しないように工夫が施されていたようです。
遊廓の四方を高い黒塀で囲っていました。
また、おはぐろ溝と言った幅広く濁った溝を配していました。
そして唯一の出入り口である大門は厳重な警備がなされていました。

そんな場所では抜け出すことなんて完全不可能。
遊郭に来た客である恋をした男性と心中することがあったようです。

来世で添い遂げることを誓って心中に挑みます。
いくら高ランクの花魁で、江戸の市民の憧れの存在として風格があったとしても自分の思うように恋愛して、結婚して、それも自分の本命の人と。というのは思い通りに行かないようでした。


当時の花魁たちは今のモデルや有名人のように羨望の対象ではあったものの、裏では悩みや逃げたいことがあったのでしょう。
彼女たちはそんな行先を辿るくらいなら好きな人と死んでしまえという勢いが生まれてしまうのも悲しいものですね。

絵の女性は待つ男性とこれから何をするのでしょうか。
二人が幸せな結末を迎える可能性は少ないように感じますが、いずれにせよ女性が望む結末になるといいなと、現代から願ってなりません。

今回は江戸の遊廓の恋愛事情について勉強しました。

引用したものはありませんが、本にさまざまに書いてありました。
いい本に出会えたと感じます。

今日はここまで!

#月岡芳年 #風俗三十二相 #あいたさう

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