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『暗さう』−まるで林檎女史?艶っぽいよね。–『風俗三十二相』

そういえば美術検定の3級合格しました!!!!!

合格点ぎりぎりだったので2級の勉強はいますぐにでも始めないといけないくらいですが、やっぱり受かると嬉しい。

知識を詰め込んだくらいぎゅうぎゅうにして挑んだので今となってはほとんど身になっていないというのが正直なところなので試験問題の復習から始めたいと思います。

そんな嬉しい日も月岡芳年
今回は『風俗三十二相』第二十七「暗さう 明治年間 妻君の風俗」です。

多分寝ていた途中だったのに目が覚めて何かすることがあったので火を付けているのですね。
髪も乱れていますが、寝ている時も髷を解かないのは絶対肩凝るなあとしか思えない、、。
あと枕ね。箱みたいなものの上にお手玉の横長のような枕を敷いているのかな。昔の人って本当に肩凝りすごかっただろうなあと感じてならないです。着物の重さとか髪の重さとか、。

女性はスモーカーなのか煙管煙草盆が枕元に用意されています。
私は二十歳を超えていますが、タバコを一度も吸ったことはないので中身がどんな仕組みだとかどう使うかはわからないので言及しないでおきます。
もっとわからなくなりそう、、。

タバコは南アフリカから16世紀末に輸入されました。
江戸時代幕末では世相的に嗜好品には厳しかったので禁令が出されていましたが、全国的に喫煙者はおったそうです。

明治時代は絵のような煙管で吸うタバコももちろん、紙で巻く紙巻き煙草がハイカラでおしゃれの象徴として人気だったようです。

煙管とともに必要だったものが煙草盆というもの。
なんだそれ。

喫煙に必要な火入れ、灰落し、たばこ入れ、きせるなどをひとつにまとめたたばこ盆は、刻みたばこの喫煙に便利なようにと改良され、機能的に優れたものとなっていきました。盆形以外に箱形のものも作られるなど、さまざまな意匠が考えられ、なかには、装飾的な調度品として、蒔絵(まきえ)が施された美しいものも見られます。

これはこだわりたくなりますね。
飾りも仕組みもおしゃれだし、自分の好きなものに出会えればその側に痛くなること間違いない。

絵の煙草盆は木製ですが、写真の箱は蒔絵が施されている上に引き出しの部分に草が生えているような描写がなされています。

屏風絵のような描かれ方をしていますね。こういう細かいところにこだわったものこそおしゃれな感じしますね。

それを枕元に置いて頻繁に使用しているのをこの女性からイメージするとすごく艶っぽい印象になりますね。なんか、椎名林檎みたい。

この女性は肩がはだけてしまっています。
寝ている間の寝相があまり良くなくて乱れてしまったのですね。


この絵で一番特徴的なのは女性が横顔から描かれている点です。
『風俗三十二相』の中では唯一の横顔であるそうです。

正面から描かないことで「絵」として女性を描いていない、日常の中のワンシーンとして切り取った感じが漂います。
本には「すぐ隣に横になってこの女性を眺めているかのようです。」と締めている。なんて粋な締め方なのでしょうね。

確かにちょっと下からの目線ですので芳年もそれを意識した気がしてきますね。


今日はここまで!

#月岡芳年 #風俗三十二相 #暗さう

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