『二百十日』−天気悪いわ、厄日だから−『明治風俗十二ヶ月』

さっき木曜日の下書きに上書きをして八月を完成させていました。

が、今から今日の分の九月をやり終えたいと思います。

木曜まで温泉街行ってきたけれどもうすぐにでも温泉が入りたい。なんなら銭湯とかで大満足ですわ、、。この前足湯に入って感動したので12月に自分の誕生日とクリスマスがあるので誰かにおねだりするか、自分でひもじい財布の中身から絞ってお金を出すしかないかな、、。笑

足湯したすぐ後に布団で寝たいですよね、、。笑


そんな甘ったれたこと言ってないで早く鏑木清方やります。

今日は「明治風俗十二ヶ月」の九月、「二百十日」です。

黒い着物を着た女性が空を見上げています。見上げた空は風が強くなっていて曇っています。目を凝らしてみると白い線が見えるのでおそらく小雨が降ってきたのでしょう。そこで慌てて外に干していた服を取り込もうと女性は急いでいるのですね。物干し竿にかかっている布はかなり横に靡いてますし、ベランダ的な場所の端に置いてある鉢植えは倒れています。実のなっている植木のような木も全て右に靡いていますね。


清方の解説にはこうあります。

「『やっぱりお厄日たけのことはありまして』などと云つてゐる内に一朶の黒雲  見る見るうちに空一ぱいに摭がつて大粒な雨 干物を取込みに  物干へかけ上つて来た町女房は天明の清長を偲ばせるものかある  清方記」

女性は物干しの梯子を慌てて駆け上がってきたようです。風で彼女の着ているものも右に靡いています。

この女性のの着物や丸髷の髪、鼈甲の櫛に青い手絡を飾っている姿は、江戸時代の浮世絵師である鳥居清長『風俗東之錦』にある「凧糸の縺れ」という作品を思い起こすものだと言います。

江戸中期の浮世絵師。江戸の人。清満の門人。清満没後、鳥居家四代を継承。初め鳥居派風の役者絵、美人画を描いたが、しだいにのびやかな描線による清長独自の女性描写が確立され、その女性美は清長美人と俗称されている。代表作に「当世遊里美人合」「風俗東之錦」「美南見(みなみ)十二候」の三大揃物がある。宝暦二~文化一二年(一七五二‐一八一五)



画像1

こちらであるようです。

確かに黒い絣の着物が風に靡く様子が似ていると言えます。


この作品の題名である「二百十日」というのはただの日数ではなくて、立春から210日経った日のことです。このひはおよそ九月一日の前後にあたり、台風の多い日として厄日とされていました。

だから清方の解説にも初めの『やつぱりお厄日たけのことはありまして』というのは厄日なだけあって天気がよろしくないということでしょうね。

そんなにきっちり天気が悪くなるのはなかなかすごいことですね。そこに関東大震災が被ってしまうのでやはり厄日的なものではあったと思います。

今日は鳥居清長や二百十日という当時の常識について学びました。

今日はここまで!

#鏑木清方 #明治風俗十二ヶ月  #二百十日

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