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「墨田河橋場の渡かわら竈」−恋の隠れ家、今戸の竈−『名所江戸百景』

今日はバイトのモーニングがバカみたいに混んだ、、。
朝仕込みとモーニング、ランチをこなすだけで給料がもらえるコスパのいい時間帯だと思っていたのに朝からとち狂いそうで「おわんねえよ、、笑」とぼやいてばっかり笑。
おかげで終わってご飯を家で食べた後、30分の小眠りをしちゃいました。
鼻炎かなんかで鼻水ダラダラだし、これまたとち狂いそう笑。

そんなとち狂いサンデーを過ごした日も広重
今回は『名所江戸百景』「墨田河橋場の渡かわら竈」です。

一気にもののけ姫の世界観になっている気がする!
こちらサイドの竈から煙が出ていてこちら岸と河を一気に隔てて立体感を与えますね。

橋場の渡というのがどこなのでしょう。

白髭橋の少し南にローソン橋場二丁目というものがありますね。
その橋場というものが、きっとその橋場の渡の名残。

えっと、まさかだけどこの歌詞はここを表現しているのかな?

五木ひろしさんの「橋場の渡し」です。

蝉(せみ)は三日で蛍(ほたる)は二十日
いのち限りに生きるなら
あなたについて 江戸を出る
親や世間の岸辺をはなれ
橋も掛からぬ 橋場の渡し

こちらは歌詞の一番です。
江戸というワードがあるためにやはりここのことではないでしょうか。
次は2番を見ていきましょう。

北は陸奥(みちのく) 東は上総(かずさ)
舟の向くまま 風のまま
菅笠(すげがさ)抱いた二人づれ
そっとつないだ手と手のぬくみ
恋の闇夜の 橋場の渡し

ここはあまり江戸の墨田川についての要素が少ないかもしれませんね。
3番を見てみましょう。

瓦竈(かわらかまど)の煙が揺れる
揺れぬこころのうれしさで
あなたの顔をのぞき見る
もっと漕ぎやれ 船頭さんよ
恋の道行き 橋場の渡し

きたーーー!
瓦竈の煙ってもうこの絵のまんまじゃないですか!
船頭さんは、渡し船の船頭さんですね。

二人の未来が見えないまま一緒にいるのですね。
そんな二人がひっそり会えた嬉しさで船に乗ったままそこまででも行ってしまえという恋に夢中な二人を橋場の渡しに乗せた歌詞なのですね。


この橋場の渡し付近には今戸橋があったそう。
確かに昨日見た待乳山付近の隅田川エリアではありますね。
しかもこちらサイドの岸が今戸橋の方。

なんでこの今戸橋の話を出したかというと、この竈で作っているものを今戸焼という一般家庭向けの瓦や玩具、火鉢、植木鉢を作っていたそうです。


こちらの記事をたまに参考にさせていただくのですが、非常に面白く現在と当時の構図を同じにして写真を撮って、その絵画の解説を付してくれているのです。
私がこの記事を書く意味がないのではないかと思うほど詳しくてためになります。
私が書く意味は自分の勉強のためなのですけどね。

江戸時代、橋場町から南の今戸町(現・台東区今戸)にかけては、「今戸焼」と呼ばれる焼き物作りが盛んで、広重の時代には50軒ほどの窯元があったという。釉薬をかけた高級な陶磁器とは違い、低温で素焼きした土器や楽焼の類いで、瓦の他、茶わんや湯飲みなどの食器、かめや火鉢、植木鉢といった生活雑器、招き猫や狐の縁起物も手掛けていた。

らしい。
はこの絵に写る二つなんてもんじゃなくて50もあったという。

今戸焼についてです。
ここに同じことが書かれていました。

これが招き猫の部類。または玩具。


それを今戸橋の高級料亭で使っていたかはわかりませんが、ここら一帯で使っていたことは確かでしょう。

この竈一つでエンタメと江戸人の生活の二つを知れるのは面白いことですね。

この景色はなかなか悠長な時間が流れています。
墨田川にはゆりかもめが何羽も浮かんでいて平和な川の流れがあることがわかります。
数羽も集まってきていますしね。

そして河川の上流には筑波山が見えます。
コブふたつの山として前もみましたね。

4代家綱(1641-80)の時代に、将軍の御殿があった木母寺(もくぼじ)周辺に初めて桜を植えたという。つまり、今回の絵に登場する桜並木は隅田堤で最も長い歴史を持つものだ。8代吉宗(1684-1751)が享保の改革の一環として、木母寺から三囲(みめぐり)神社までの約2.5キロに250本の桜を植え、江戸っ子に花見の名所を提供した。

先ほどの浮世写真家の喜千也さんの記事からの引用です。
確かずっと前にこの隅田川沿いに吉宗が桜を植えまくったという話に触れたことがありました。
だから昨日の三囲神社の墨田堤に桜が植えられていたのも納得ができます。
というわけで絵の左に見られるピンクのモコモコはその桜植えまくり堤エリアですね。

春の穏やかな川沿いの風景ですね。

今日はここまで!
#歌川広重 #名所江戸百景 #墨田河橋場の渡かわら竈 #今戸橋 #今戸焼 #五木ひろし #橋場の渡

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