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子宮内膜症になって半年たった

2月に子宮内膜症が分かってから半年がたった。

最初に処方されたジェミーナの時はだらだらと続く不正出血が起きたため、二度目の診察の時にフリウェルULDに切り替えてもらうことになった。ジェミーナと同じようにこの薬でもずっと股から血が出るようだったらどうしようと心配していたのだが、2シート目が終了した時点で、出血の周期が安定していることがわかった。あとは私が頑張って服用し続けることだけだと思い、毎日14時に決まって薬を飲むようにした。

こつこつと薬を飲み続けているうちに、ピルが残り1シートになった。次の診察日が近づいていたが、気分は日に日に憂鬱になっていた。というのも、前回の診察のとき、人によってはピルでの治療が効果が出ない場合があるというのを医師から聞いていたのだった。服薬を開始してからは超音波検査をしていないため、さらに卵巣が大きくなっているかもしれなかった。

診察日当日、病院に着き、婦人科の待合室に向かった。すでにベンチは空きがないほど人が集まっていた。もしかしたら前回よりも悪化しているかもしれないことを思うと落ち着かないまま、画面に出された診察待ちの数字を30分くらい眺めていると、自分の番号が呼ばれた。付き添ってくれていた連れ合いに挨拶し、診察室に向かった。この人に次に会うとき、自分がどうなっているのか想像ができなかった。いい結果であれと祈りつつ引き戸を開けた。

ピルの調子はどうですか、と聞かれたので、出血は落ち着きましたと答えた。通常の生理のような感じですね?と確認が入ったので、はいと答えた。問題ないようなので薬は継続でいきましょう、と言うことだった。意外にもあっさりとした診断にやや拍子抜けした。心配しすぎだったのかな、と考えている間に話は進み、5分足らずで次回の診察の予定が決まった。

続けて、前回の検査から半年ぐらいたったが、もう一度超音波を確認しておきますか?と尋ねられた。先ほどの回答から察するにあまりないケースなのだろうが、万が一薬が効かないまま病気が悪化している可能性を考えだすと不安なので、お願いしますと伝えると、隣のカーテンで仕切られた検査台に案内された。このいかついマシンも3回目だとやや感慨深くなりながら下着を脱ぎ、椅子の部分に腰かけた。細長い棒が膣に入れられ上下左右を動く。まさぐられながら、ここで卵巣の腫れが大きくなっていれば、私はお腹を切ることになるのだろうか、と考え出してしまい緊張が最大限になったころ、先生が超音波の画面を見ながら「小さくなっていますね〜」と教えてくれた。画面上のカーソルで卵巣をくるくると囲いながら、前回より腫れが縮小してはっきり見えないくらいになってきていますよ、と説明された。私は期待していた結果にすっかり安堵し、その場でつい「よかった」と自分に向けてつぶやいていた。

服を着て処方箋を受け取り、診察室を出た。近くのベンチで待っていた連れ合いに結果を伝えると、よかったと笑顔で言ってくれた。心配させることにならずに済んで、こちらとしても本当によかったと思った。そのまま薬局に行き、受付で処方箋を渡して、薬が出来上がるのを待った。

テレビにワイドショーが映されており、ドコモ口座の不正送金のニュースが放送されていた。前回も前々回も、来た時は延々とコロナのニュースが流れていたので、世情も変わってきたのだろうか、とぼんやり眺めていると番号が呼ばれた。前回と同じ薬を同じ分量受け取り、薬局を出た。

帰りに、病院近くのオフィス街にあるハンバーガー店に行った。注文を待つ間、店の外を眺めると、ビルの中には人がたくさん往来し、活気があった。今年の2月に検査を受けに来た頃のこの周辺は、感染症対策の影響で人気がなく閑散としていて、その時とはまるで違う景色だった。病気になったことへの気分と重なって、ずいぶん殺伐としていたあの光景はずっと忘れられそうにないなあ、と思いつつ、ハンバーガーを食べ終わった。

あと少なくとも半年近くはピルの服用を続けなければならない。運よく快方に向かっているので、根気強く薬を飲んで、いい結果になるように体をいたわりつつがんばっていきたいと思うところである。

つづく

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