二人の映画監督のこと


僕には個人的に思い入れがある二人の映画監督がいる。
安原伸監督と、植岡喜晴監督である。
お二人とも物故されている。

安原監督を知ったのは、1990年頃、TBSの深夜番組でである。海老反り巨匠天国という、映画監督発掘番組に「国防挺身隊」を引っ提げ安原監督は登場した。

https://youtu.be/vQRpDyWekfI?si=Nn-qi5XxSrma6T64

自主映画でありながら、小気味よい編集と面白い内容で圧倒された。
後年、知己を得て何度かお会いする僥倖に恵まれたが、安原さんは「昭和九十年」を遺作に先年50代の若さで亡くなられた。
残念だった。
もっと沢山、長編映画を撮って欲しかった。才能はとてもある方だった。
安原さんの才能を活かせない日本映画界は、どうかしてると思った。

植岡監督を知ったのも1980年代後半、おそらく1987年だったと思う。
レンタルビデオ店で「夢で逢いましょう」という8ミリ映画がなぜか商業ベースに乗っており、借りて見た。傑作だったので名前を覚えていたら、同年「精霊のささやき」が一般映画として封切られた。
ロードショーには間に合わなかったのでやはりこれもレンタルビデオで見たのだが、傑作だった。
しかし植岡監督もこの後、一般映画を監督することはなく去年逝去された。

才能がずば抜けてあっても、世間的な成功に直接は結びつかないこともあることを知り、別に世間的成功が一番の価値観ではないにせよ、単純にもっと多くの方にこのお二人の作品を見て楽しんでもらいたいと強く思う。

植岡監督の「精霊のささやき」は今週の木曜8/31と土曜9/2に、京橋のフィルムセンターでかかるので、興味のある方はぜひ足を運んでみてください。
僕も木曜の回に行きます。

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