『じごくトニック』感想

 ロングコートダディ単独ライブ『じごくトニック』(2021)を、2024年5月15日〜5月22日の再配信及び2021年発売のDVDで視聴した人間の自分用感想備忘録です。

 再配信(東京公演)と併せて、DVD(大阪公演)の内容も含みます。

 また再配信期間中に間に合わなかった。くやしい。

 大ネタバレにつきご注意ください。


【厳格お父さん】

 🐰が子ども役をやってるとワクワクしちゃう。
 地獄、ちゃんと下界に伝わってるな〜。
 そしてやっぱり泣きの演技が上手すぎる。

 犬をかわいがってる二人かわいいね。


【OPV】

 DENIMSさんの『わかってるでしょ』の明るい曲調と結構しんどめな歌詞のアンバランスさがめちゃくちゃ合ってて好きです。

 苦行を受けるほうがありがたがってるのなるほどなぁ……その発想はなかった……


【時をかける兵藤】

 ロコディが毎年誕生日プレゼントを贈りあっていることを踏まえるとまた面白い。

 喜んでもらえないとモヤモヤしてしまうあたり、兵藤くんは相手の気持ちを想像する能力は結構高そう。「品は変えずテンションだけを変えてみる」のも発想力ありそうな感じ出てるし。ただ、絶望的にセンスがないだけで……

 これが噂の濃厚に進化した「未来で待ってる」……!元ネタのあのシーンに寄せるために立ち位置も変えていてこだわりを感じました。D笑っちゃってる(^^)
 立ち上がる前にDが🐰と目を合わせようとした(?)の謎すぎて好きです。

 なんとかしてテツさんを救うことはできないんだろうか……不慮……

 チャミスル飲んだことないから飲んでみたくなった。


【VTR「話入れ」】

 DVDだとまじで話入ってこなかったんですが、配信に際してイヤホンで聞いたら結構入ってきました。良い先生に出会えてよかったね……

 「体が淫らすぎるんだよ」と「(お尻)綺麗……」がツボ。後輩に何を見せているんだ。


【カットステーキランチ】

 肉汁とソースが弾ける音が、こんなにも物悲しいことがあっただろうか。

 私は「あの人があなたのことこんな風に悪く言ってたよ」って本人に伝えないほうが良いだろって思う派ですが、もしかしたら👓は店長やバイト仲間たちに「🐰と仲良いならそういうとこ直せって伝えといてくれ」と言われたのかもなぁ……

 ムカつくんだけど最後には可哀想……と思わせる、めちゃくちゃ難しくてすごい脚本と演技をサラッとやってのけているのではないか……!?

 最後、Dが笑いを堪えて口元がすごいことになってるのがすごく好き。


【VTR「しりとり」】

 犬が集中してる瞬間かわいいよね。うちの犬は集中ダックスフントになるとしっぽの先までピーンと動きが止まってかわいい。


【ランプの精】(大阪公演)

 Dがこういう役をやるのもまた良い(^^)

 この日この時この会場じゃないとできない感がすごい。生で見られた方々がめちゃくちゃ羨ましい。下アングルのカメラがツボです。


【ヤンキー大敗】(東京公演)

 丁寧に手紙を書いたのに来ないほうに賭けてしまうの、あまりにもいじらしい。

 可哀想のベクトルが👓から🐰に変わっていく過程が鮮やかすぎた。

 Dがnoteに書いていた台詞の話、個人的には元台詞のほうがグロいけど、採用された台詞のほうがしんどいかなと思いました。


【VTR「新人作家大黒くん」】

 釣りの知識がゼロなので、全く同じ内容でも知らない人の動画だったら絶対に見ないのに、🐰が話しているとなぜか見てしまうし笑っちゃうから不思議。芸人仲間さんたちに「いるだけ、喋ってるだけでお笑いになって羨ましい」と言われているのはこういうことなんだろうな。

 最初のルアーが勢いよく飛んでいくところと、俯瞰のカメラになったときにPCをソファの肘掛けに置いてるのがわかるところがお気に入り。

【脱がせてもらっている時間は時間に含まれていないと思っていたでござる】

 キッチンタイマーの音を切ないと思ったのはこれが初めてです。


【VTR「兎ランキング」】

 「子持ちこんにゃくとは!?」と思って調べたら、想像以上にクレイジーな食べ物で「子持ちこんにゃく!!?」ってなりました。

 言いたいことは伝わるんだけど、確かに耳馴染みのない気持ち悪い言い回しかもしれない……


【魔物】

 このネタのあらすじを私の言葉で説明しようとすると全く面白い話にできなくて、切なさと面白さのバランスが計算し尽くされているんだなぁと感じました。すごすぎる。

 みっくんの想像上の華ちゃんがあざとくてかわいい。みっくんは優しくていいやつだなぁ。ここでも🐰の泣きの演技に心を掴まれてしまった……

 高校生の華ちゃんとお母さんになった華ちゃんの話し方の差に表れる演技力よ……!

 オチのつけ方が好きです。「小指曲がってるんだから」の笑いで終わらせない優しさ。


【VTR「マユリカ」】

 後輩に「死」の概念を与えるな笑


【じごくトニック】

 つらいこと、しんどいこと、苦しいことが起こったまさにその時──よりも、そういった出来事が起こって少し経っても尚、頭の中でぐるぐるぐるぐる考えて考えて、考えてもどうにも抜け出せなくなっているときのほうが、そういった選択をしてしまう気がする。
 あるいは全く何の苦悩も不自由もないまさに天国みたいな状態を手に入れて「よーし、もうここで終わりにするのが一番幸せだろう!」ってときもそうかも。
 どっちにしろ、そういった場合まさに絶望に陥ったその瞬間というわけではないから、その時は突然に思えるのかもしれない。周りにとっても自分にとっても。

 シリアスでお洒落すぎる始まり方をしたのに、死神さんが出てきて第一声で笑いが起こるのさすうさ。

 オサジマヤスナリ……治島康成ってところですかね……小説冒頭の「芥のように〜」の「芥」もそういうことなのかな。

 最初にちゃんと「魂の行き先を勝手に変える」のがダメって言ってた〜!ここで地獄の業火で焼かれる演出を見せるの、構成が鮮やかすぎる……

 天国と地獄の認識、その発想はなかった!
 でも確かに、終わりがない平穏というのはキツいものがあるよな……最近完結した某漫画がまさにそういうものを描いたのでなんだか感慨深かったです。地獄は500年という長い年月とはいえ終わりがあるもんな。正月は休みだし。強くなれるし。

 ランダム転生、肉うどん思い出した(^^)
 魂の次の行き先が何になるかを娯楽として見ているあたり、いくら人情派とはいえ死神さんも死神なんだな……

 ルーレット回すシーンで楽しそうなオサジマさん……ここで楽しく過ごしたことが彼が変わる最初のきっかけだったのかな。カトンボのアドリブかっこよかった。さすうさ。

 オサジマさんの独白、Dの演技が上手すぎる故に見てて本当にしんどかった……からの死神さんの爆笑。「魂よわ!」ってバカにしてるように聞こえるけど実はすごく優しい言葉だなぁ。魂が弱いだけなんだもんね。しんどい、苦しいという感情は否定しない優しさ。

 死を選んでしまうその時が突然に思えるのと同じように、やっぱり生きたいと思うのもまた唐突なのかもしれない。
 オサジマさんの必死さと死神さんの優しい嘘が沁みました。真剣なシーンで挟まれる「確かに、お願いします」「いや、普通にお願いします」の笑いが絶妙すぎる〜!
 「もう死ぬなよー!お疲れーー!!」、死神らしくないけど死神さんらしい台詞で大好きです。

 無事に生き返ったオサジマさん。死神さんが書いた小説(?)を読んで思いとどまるの、記憶はないけれど、死神さんとの出会いが確実に彼を変えているのが感じられて好き。ワサビ入りを頼んでみるのと同じくらい軽い気持ちでやっぱりもうちょっと生きてみるか!って思えるの素敵だね。

 ポメラニアンは言わずもがな集ポメだろうけど、ゴールデンレトリバーはもしかしたら『厳格お父さん』で拾ってきた子犬なのかもなぁ。

 ED後、死にたくなくて必死なオサジマさんにグッときた。🐰に罪を背負わせたくないっていうのもあったのだろうけど。「ガスガンスキー」の言い方が半角カタカナすぎる笑

 「ちょっとしんどいくらいが、ちょうど楽しいんじゃない?」、魂強くなったね。「しんどい苦しいと感じるのはダメなことじゃない」とも捉えられる、素敵な言葉だと思います。


【EDV】
 DENIMSさんの『I’m』、この単独で初めて知ったのですが出会えて本当によかった。自分に優しくなれる気がする。そしてやっぱり曲が流れるタイミングが最高だなぁ。



 見たら少し強く、そして自分に優しくなれる、そんな単独だと思いました。地獄みたいな状況って実は結構身近だけど、乗り越える度に魂がムキムキになっていく……と考えたら、そんな人生も悪くないかもと思えるような気がする。そして、自分自身を愛してあげることがつらい筋トレならぬ、つらい魂トレを続けていくコツなのかもしれない。


 何か思い出したら追加します。

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