見出し画像

サングラス ~富裕と貧困のアイコン~

※本記事の内容には科学的エビデンスは何もなく、侮辱的に読める可能性があることを、まずお詫びします。侮辱する意図は一切なく、趣旨としては社会学的分析を試みるものであります。

ふと気付いたことがある。

サングラスを掛けている人には二種類ある。

まず金持ち。
ベンツに乗っている富裕層は、男なら写真のようなティアドロップか細目のサングラスを掛けたがる。女は金太郎飴みたいに丸い大型のサングラスだ。

高級住宅街を抜ける道を走っていると顕著にわかる。すれ違う車の運転席と助手席にはサングラスがかなりの確率でお座りになっている。むしろサングラスの居ない車の方が珍しいかもしれない。

そして、ヤンキー・元ヤン・それに準じる非中間層。
だいたい彼らは10年落ちのアルファードやヴォクシー、カスタムしてベタベタローダウンの軽自動車に乗っている。
その彼らも、結構な確率で、富裕層ばりのサングラスをお召しだ。

都会に出で街を歩いている中でサングラスをしているのも、だいたい金持ちかヤンキーだ。いかにも全身高級感と品に溢れた紳士淑女と、目の周りだけ富裕なやんちゃ者が一緒に歩いている。

この二面性はなんだろう。

そう言えば最近、常磐自動車道で煽り運転をしたうえ、高速道路上にもかかわらず車を止め、あろうことか歩いて後続者の運転手を殴りに行くという愚か者が逮捕された。
彼と、その隣にいた愚かな女も、サングラスをしていた。

彼らの振る舞いはドヤンキーそのものだが、聞くところによるとそこそこの金は持っていたとか。

サングラスの魔性に当てられて、頭がおかしくなったのかもしれない。

そもそも、日本においてサングラスは一体何のために掛けるのか。

まずもって紫外線の遮断が第一義的な目的でないことはわかる。帽子で事足りるはずだし、わざわざ視界の色を自ら奪って得することはない。我々は白人ではないし日本に住んでいるのだから、特に目を守る必要性も高くない。

ではファッションはどうか。私はサングラスを掛けることがないから彼らの本当のところの気持ちはわからないが、人が身に着けるものの最終目的は全てファッションに行きつく。
指輪はいわずもがな、ネックレスもそう。
「身に着けるもの」の基本である服にしても、体温調節の役割があるが、エアコンなどもあってその目的を簡単に達せられるようになった現代では、服の役割は当初の体温調節からファッションへと移っている。

サングラスも同じように、本来の目的とは違う、ファッションのために使われていると考えるのが妥当だ。

ではなぜ富裕層とヤンキーが目指すファッションが、サングラスに行き着いたのだろう。

思うに、彼らがモデルとする人物の違いではないだろうか。

おそらく、富裕層はそのサングラスの先に、白人を見ている。日本国内の広告を見ればわかるように、あらゆるファッションのモデルは白人だ。特に高級なファッションを標榜するブランドが、モデルとして胴長短足褐色肌の日本人をモデルに据えることは少ない。いや、いたとしたもメインにはなり得ない。
やはり現代日本のファッションの源流は洋服で、洋服は洋なのだから、白人に似合うようにできている。
化粧にしても何にしても、洋服に合うものがそれらの目指すところだ。
そして、それらの目指すところが白人であるから、富裕層たちが見ている理想像も、スレンダーで色の白い人々。そう考えて間違いはあるまい。
その白人がよくサングラスを掛けているから、真似をしてしまうのが人情?なのかもしれない。
(もっとも、本家白人はサングラスを本来の目的のために掛けている部分も大きく、ファッションの意味しか持っていない日本のそれとはやはり根本が違う。日本人は形を重んじるところがあるから、あまり真似る意味の無いところまで真似てしまったのだろう。)

さて、ヤンキーはどうか。
間違いなくヤクザである。

先進国では、資本主義のレールに乗るか降りるか、その二択で人生の大枠が決まる。日本だと、レールに乗る人生の最高峰は、良い大学を出て良い会社に入り(あるいは自ら事業を興し)、高い収入を得るという生き方だ。
それがサングラスを掛ける富裕層の目指すところ。

一方レールを外れると、当たり前だが犯罪に走る他無い。そのプロ集団がヤクザであり、最近では半グレ集団と言われる人々だ。彼らはただの犯罪者ではなく、幼い頃から地域で有名なやんちゃ者が、その地域の犯罪集団に目をつけられ、リクルートされる、いわば選ばれた犯罪者でもある。
(半グレ集団も、元々はヤクザになるようなクラスのやんちゃ者が、ヤクザでは食えないからということで、暴力団ではない新たな形として立ち上げた犯罪集団であるから、そこに居るものの精神性やバックグラウンドには、ヤクザに近いものがある。)

レールを外れるた犯罪者たちの最高峰がヤクザであるから、当然、レールを外れた者たちが崇める、ロールモデルは彼らということになる。
犯罪者にはならないまでも、資本主義社会の中では勝ち組とは言えない、低収入層(地方だとマイルドヤンキーなどと言われる)は、乗っている車や嗜好する音楽、格好などは、その先の先の方にヤクザを見据えたものが多い。

そもそもヤクザがサングラスを掛けるのは、単に瞳を見えなくすることで威圧感を敵に持たせる、ヤクザらしい理由によるものと考えられる。

サングラスの二面性は、白人とヤクザだったのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?