アイマス×ガルパン クロスSS雪歩「戦車道やりますぅ」読感

 僕自身がそもそも、ガールズ&パンツァーことガルパンをその存在しか知らなかったので、このSSも当初から速報で投下中もチラリと開いただけでちゃんと読んでいなかった。

 ガルパンも、たぶんAT-Xでやっているのをながら観しており「面白そうだな」とは思っていたけど、時間的な都合でなかなか観られなかった。

 今回一念発起し、改めてこのガルパンを一気視聴した。

 面白かった。少女達が友情と熱意で成長していく物語は、それだけで素晴らしい。登場人物達は全員少しずつ成長している。

 それがしっかりと描かれている構成には好感。それだけに人物の多さに対しての話数が少なく感じるほどだった。

 そして表題にもあるこのSSである。

 僕の感じた『若干の物足らなさ』を、埋めてくれる。これは二次創作のひとつの大きな要素であり、僕の好む所だ。

 ガルパン本編で主人公である西住みほは、恐らくは負い目と引け目があったであろう姉の西住まほと和解する。だがこのシーンは短い。

 当SSでは西住まほも登場し、アイマス側のキャラにその思いを語る。これですよ、これ。言えないことをクロス先の相手になら素直に言えるのは、いい。本編でもっと見たかった姉から見た妹を、作者の想いと共に提示してもらえるのはとても嬉しい。

 物語も、実に無理なく進む。アイドルがドラマを撮る。そのモチーフが初出場ながら優勝した高校生達。その中心人物と雪歩が似ている。そして育ちの良い雪歩は伝統芸でもある戦車道の経験がある。

 きちんとした両物語の融和。お見事。特に意味なく異世界に飛ばされて、ではなくてちゃんと融和させるというのは素晴らしい。

 バトルシーンもしっかりと描写されていて、各々のキャラクターらしさも出ている。

 ただ作者が冒頭で述べておられるように、ガルパン自体に登場人物がかなり多い。その中でもかなりの人物が登場していることもあって、やはりガルパンを知らないと(楽しんで)読み進めるのは困難かも知れない。

 ただ両作を知っている方なら、間違いなく楽しめるクロスSSの傑作であることは間違いない。

 各キャラクターの描写が見事なだけに、理想的な二次創作として楽しめる本作。未見の方はこの機会に是非。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?