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本当にあったひどい話2

これは本当にあったことなんですけど聞いてください。

主人の実家に帰省したときのこと、高速道路の料金所近くで私は運転する主人に代わって主人の財布からお金を出すことになりました。財布を開くと私はカード入れの最前面あるピンク色のカードが目に入りました。そこには赤いラメの入った筆記体で「LOVE」という文字と「HOTE…」という文字が読めたところで「あるでしょ千円!」と主人の声が聞こえて私はハッとして千円札を差し出しました。

私の胸の鼓動は収まらず、高速の料金のお釣りをまた財布に戻すときにそのピンクのカードを盗み見ました。ピンク色の背景に大きなハートマークがシルバーで入っていて、そしてゴシック体で「MEMBERS」、あとは「CAR……」と読めたところで「貸して!」と主人の声がしました。財布は主人の手に戻っていき、ただただ嫌な予感だけが残りました。

あのカードはなんだったのでしょうか。それ以来、私は主人の行動が気になっていました。そういえば主人はいつもスマートフォンを浴室の脱衣場まで持ち込むんです。気になった私は主人がお風呂に入っているときに主人の携帯電話をさわりました。ロック画面上に浮かび上がったのは「高島母」という保育園仲間の高島さん家のママさんらしき名前とメッセージ内容として「昨日楽しかったし、あんなに燃えた日はなかった。今度は私の家に来てほし……」とまで読んだところで「シャンプーの詰め替えある?」と主人の声が聞こえてきました。私はあわてて容器を受け取り、詰め替えて返す間、主人は脱衣場の棚の上に置かれた携帯電話をズボンのポケットに入れてまた風呂に戻っていったので真相はまたも藪の中でした。

あれはなんだったのでしょうか。翌日、私は高島さん家のインターホンを押しました。「今、家の人いないんですよ……」と言って出てきたのはなんと主人でした。私は信じられませんでした。なぜ仕事に行ってる主人が高島さんの家にいるのでしょうか。驚いていたのは主人も同じでした。口が開いたまま声が出ず、その表情はあからさまに狼狽していました。「あっ」とだけ声を出した主人は自分の体に目を向けて気づきましたが、主人は上半身はなにもつけず、下半身に下着一枚、あと靴下も履いていないような、いえ、本当に下着一枚だったんでしょうか、もう一度視線を戻すとやはりボクサーブリーフに見覚えのある「KIKUCHITAKE……」というところでバタン!とドアが閉じられました。

あれはなんだったのでしょうか。私は今でも不思議でならないのです。



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