見出し画像

「ブランド」っていろんな見方、解釈があるのね

肌寒い空気の中で、ビル群の合間に見えた富士山。初冬の情景をおとどけしました~

今回の本はこちら。厚みも中身も重厚な三冊でした!「ブランド」に関することだけで、これだけ論じられるということは、先人たちは「ブランド」の重要性に早い段階から気づき(ブランド、とは認識していなくとも)高めるためにあれこれ講じてきたことを意味していると読み始める前から感じました。

特に、「ブランド戦略論」と「ブランディングの科学」は対照的な内容で、「ブランド戦略論」は、ブランド戦略に関することを包括的に、かつ体系だてて述べていました。一方で、「ブランディングの科学」は理論が先行しがちなマーケティング(純粋なブランド戦略活動はほぼ存在しないとブランド戦略論にもあるので、マーケティング=ブランド戦略と読んでください)において、エビデンスに基づいた理論の実践に重きが置かれていました。「The 理論」の「ブランド戦略論」に対して、理論はあるけど実際に検証したの?そんな理論より、事象から導き出される法則を正として扱った方がいいのでは?という問題提起をしつつ、事象から導き出された法則を紹介するのが「ブランディングの科学」でした。「ブランド戦略シナリオ」は、コンテクスト・ブランディング(コンテクストに着目した、ブランドの構築や活用、維持、活性化などを含んだ一連の取り組み)に関しての理論と実例を紹介する内容でした。ある意味、「ブランド戦略論」と「ブランディングの科学」の良いとこどり、といった話の構成で、理論と検証をいったりきたりしながら真理はみつけよう、というところですかね。

そもそもなのですが、昨今のブランド戦略は何のためになされているのでしょうか?

昨今の日本におけるブランド戦略をとる理由としては、積極的な商品やサービスの選択理由を人々に与える必要が生じているからです。(ブランドのこれまでの歴史を読み解くと、時代や地域によってブランド戦略をとる理由、そしてどのようにとるか、は異なります)

ブランド戦略論にあるように、日本の消費者パッケージ財においては、GMSやコンビニエンス・ストアが発達していない1980年代までは、メーカーにとってのマーケティングの中心課題は、一般小売店に対して影響力を高めることでした。流通チャネルを掌握することが必勝法だったのです。しかし、1990年代以降、コンビニエンス・ストアのような、売れる商品ならば棚に置くメーカーを問わない取引形態の小売店や、酒類販売免許も自由化なされ、消費者は店頭で好きなブランドを選択できるようになりました。よって、流通チャネル戦略一辺倒では立ちいかなくなり、流通させることに加え、棚に並ぶ商品の中から、積極的に選んでもらい、買ってもらう必要がある時代が到来したのです。

そもそもをおさえたところで、次は「ブランド戦略論」と「ブランディングの科学」を読み比べてみて、気になったところに触れたいと思います。

○ライトユーザーとノンユーザーにリーチできたとき、マーケティングは最も成功する?

顧客をセグメントし、狙った顧客に買わせようとする戦略(フィリップ・コトラーのSTP分析)、特にヘビーユーザーに絞ってより買わせようとする戦略をブランディングの科学は否定しています。多くの場合、ブランド購入者の大部分は、ごく稀にしか購入しないライトユーザーであり、ヘビーユーザー、ライトユーザー、ノンユーザーの区分も移ろいやすいため、ライトユーザー、ノンユーザーにリーチさせることが、マスマーケティングへの正しい処方箋はだと述べられています。

これに関しては、確かに人の気持ちは最寄品であればあるほど移ろいやすく、本当に好きで買っているのか、というよりも、その他の要因(例えば、セールで安くなっていた等)で買っている場合が多くなると私も思うのです。とは言え、それは商材次第だと私は思います。例えば、androidではなく、iphonを選ぶユーザーの理由は、コーラでどれを選ぶかの理由よりも、理由としては明確だと思います。つまり、より意味付けが可能な商材であるならば、あるほど、STP分析をする価値はあり、ヘビーユーザーに買ってもらうことに重きをおいても良いのではないかと考えました。商材に向き不向きがある、ということだと思います。そして、そもそもですが、ライトユーザー、ノンユーザーにリーチし続けるというのも、企業体力が持つかどうか、大変難しく感じました。大企業向けの見解になってしまっているとも感じました。

○ブランドの熱狂者は重要視すべきではない?口コミ宣伝効果は薄い?

売り上げを伸ばしたければ、ブランドのことをそこまで考えていないけど買う人に着目するよう「ブランディングの科学」ではすすめています。また、熱狂者の口コミの影響力は薄く、好きにやってくれている無料の広告、程度に考えたほうがよいとのことです。確かに、購入額=売り上げを伸ばす、という観点では、熱狂しているか、していないかではなく、事実として、買ったということを重要視するというのが、最もだな、と感じました。とはいえ、そんな買った理由がよくわからないユーザーにリーチするのはかなりの至難の業で、企業体力がここでも問われます。また、口コミに関しては、SNSの影響力を踏まえたデータを検証してほしいところです。UGCの購買に与える影響を検証してほしく、それによってはこの結論も変わるのではないでしょうか。

○ロイヤリティプログラムは効果0??

ロイヤリティプログラムとは、ロイヤリティの高い購買行動に特典を与えて購買意向を高める施策のことです。この効果は0だとブランディングの科学では結論づけています。確かに、Tポイントや楽天ポイントなどは、店舗に行った際、使える、または貯められれば、実施しますが、それは店舗に行った「ついで」であり、「Tポイントや楽天ポイントが利用できるからその店に行く」という積極的な理由になりがたい、ということはわかります。また、系列店で貯められるポイント等も動機としては薄いというのも分かります。とはいえ、ロイヤリティプログラムで、何を特典として与えるか、によってこの結果は違ってくるのではないかと思います。費用対効果に関して述べられていましたが、費用をかけずとも、ユーザーに振り向いてもらうための特典というものがあるのではないかと思いました。そこがブランディング担当、マーケティング担当の腕の見せ所、アイデアの出しどころだと思います。例えば.......塚田農場の名刺システム(古いか...)で、おじ様が「専務!!」と周りから呼ばれてとーーーーっっっっても嬉しそうにしていたのが印象的だったんだけど....あ、同意できないですかね?おじ様は足しげく、塚田農場に通っているのは間違いなかったのだけどな~良い例がでないのは、マーケターとしてはまだまだですね........

以上、今日はここまで~

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
6