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あのときキスしておけばの桃地のこと

ごきげんよう貴族です。

藤井風、全て良い。
全て良いのだけど、旅路の詩ほんとうに良くて聴きながら歌ってるとなんか泣いちゃう。全世界中に聴いてほしい。

最初、テイラースウィフトのShake It Offを藤井風のカバー版で聴き(これは全く別曲なのか?というか全く違う解釈…)と思い衝撃的だったのですが、そこから初めてテイラーの原曲をまじまじと詩をじっくり読み聴いたら、これShake It Off自体すごく良い詩+良い曲ですね。テイラー天才か。

閑話休題。

いまさらだけど、先クールの深夜連続ドラマ「あのときキスしておけば」がとても心に残っていて、やっと考えがまとまったので書くね。内容に触れる部分あるので、これから観ようかなと思っている方は視聴後に読んでください。

未だに思い出すと心が温かくなる感じがするのだけど、何故なんだろう?

ストーリーは、旅行に行く途中の飛行機事故で亡くなった漫画家の女の人の魂だけが生きていて、同じ飛行機事故に遭ったうだつの上がらないおじさんに憑依(なのか?)して、あれやこれやしっちゃかめっちゃかなことが起こるという結構ありえない設定でコメディー風の内容なのに、最終回を迎えた時には涙が止まらなかった。

何故か漸く分かったんです。
これは、それぞれの愛の真理を描いた物語なんだな、と。

人は、大切な人が全くの別人となっても愛せるのか?

人が人を愛する・かけがえのないこの人だと認識する判断基準は、見た目やその姿形という要素が大半占めているだろう。むしろその姿形以外に突然変化するような事は考えてないと思う。唐突に別の属性(若い女性→中年男性)に変わるなんて俄かに信じがたいからこいつ演技でなりすましでもしているのかと考えもするし、この人と認識して理解することができず混乱してしまうだろう。

でも!
この物語の登場人物たちは!
信じた!
突然おじさんになった麻生久美子(と言ってしまうが)を!
私よ、巴よ〜!と主張し続けるおじさんを!
彼女と信じた!

最初断固拒絶していて警察呼ぶわよレベルで怒っていた巴さん(麻生久美子)のお母さん。お母さんの気持ちは想像するに有り余る。突然の事故で娘を失い悲しみのどん底のなか、突然おっさんが私巴なのよ〜とやって来る。悲しみと混乱で脳と感情が処理不能で受け入れ難かっただろうと。しかし、最終的に外見はおじさんに変わってしまった他人を娘を認め、この入れ替わりの時間は事故で突然亡くなった娘との別れを(自分が)受け入れるための時間だったのね、と言う。このシーン、すごく泣いてしまった。親の愛は本当に深い。親ってすごいな。

元夫(三浦翔平)もとても良かった。
彼女の漫画家としての才能を最初に見出して世に送り出し大ヒットさせた編集者だからこそ、彼は作品をみて直ぐに(このおじさん=巴なんだ)と信じた。離婚して別の道を生きてはいるけれど、才能で結ばれた絆とは。ものすごい愛。

そして桃地。
皆がおじさんを巴と信じたのは桃地に拠るところが大きい。不器用だが正直で、オタク気質だけど一途で。とどのつまり、(おじさんの中身は女性で人気漫画家)という通常あり得ない状況を、登場人物全員が信じたのって桃地の人となりによると思う。桃地を信じる=桃地の言質を信じる、ということで、桃地が信じてやろうとしている行動を受け入れ応援すること全てが愛だった。

最後に、井浦さん(うだつの上がらないおじさん)の演技力は兎に角すごく良かった!魂が女性になってる時は本当に麻生久美子さんに見えて来るレベルだった。あり得ない状況を信じさせる一つの要素です。全世界中に見てもらいたい!



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