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ブリキの太鼓とポーランドの話

こんにちは、貴族です。

↑数日前の燃えるような色合いの夕焼け空です。
酷暑が続きますね。。

夏バテ予防に、今年の土用の丑の日(7/28)はローソンで鰻を予約して食べました。コンビニと侮るなかれ。鹿児島の国産うなぎで肉厚で美味しかったし、事前予約するとおまけにお茶としじみの力がついてきたのでちょっぴりお得感がありました。来年もこの企画があるといいな!

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(実はこっそり先月にもつきじ宮川本廛の鰻を食べていたのだが遜色なかった!つきじ宮川本廛は自分が一番好きな鰻屋さん)

いやぁ、何故うなぎの話をしたかというと。

土用の丑前後に「ブリキの太鼓」という映画を見始めていたのですが(鰻を食べられなくなる問題シーンがあります)との情報を聞き、土用の丑の日が過ぎる=鰻を食べ終えてから続き観るか、となり一旦途中で止めてたから。

今日漸く観終わったから感じたことを書くね。
この衝撃作をこれから視聴予定の人は鑑賞後に読んでください。

自らの意思で3歳で成長を止めたオスカルが自分の庇護者全てを死に追いやった末、21歳でブリキの太鼓を捨て再び成長することを選ぶところまでが映画では描かれる。
映像としてはグロテスクなシーンが何箇所かあり問題の鰻の漁(といっていいのかな)もその一つだけど、自分は第二次世界大戦へ突入していく自由都市ダンツィヒの不安定さと儚さうつろいやすさがいちばん強く印象に残った。

自由都市ダンツィヒは、ヴェルサイユ条約によって第二次世界大戦初期まで存在していた都市国家。そこに暮らすのはカシューブ人、ポーランド人、ドイツ人などだったそう。
ポーランドは、第二次世界大戦時はドイツに、その後はソ連に侵攻され、蹂躙され、当時散々な目に遭っていた。
今作を観ていて思い出したのだが、ハンガリー人アゴタ・クリストフの著書「悪童日記」だった。
こちらも同時代の戦時下が舞台と、作品の特徴上想定される(明示していない)が、読後感じたのは、内容の衝撃さもさることながら、寧ろ列強国による武力侵攻に翻弄される小国の不穏さ不安定さ脆さの悲哀だった。悪童日記は原書はアゴタの亡命先のフランス語で記されていて母国語では無いためかわざとなのか大きい町とか小さい町とかぼくらの話といった子供の拙い日記調で書かれており、その淡々とした文体故に衝撃さが強調され真に胸に迫ってくる。こちらは三部作で謎が解明されるので、自分としては三部作全てを読むのをおすすめします。
(そうではない、という人もいるので)

話が逸れましたが、戻します。

ダンツィヒのポーランド郵便局でのナチスSSとの攻防戦が第二次世界大戦への勃発だったということをーこれまで知らなかった。また、水晶の夜事件というユダヤ弾圧へと繋がってゆく事件もブリキの太鼓の中で描かれていて知った。ヨーロッパのような地続きの国土では無い国に生きるものとしては、国境の緊迫感は体感として理解できないので想像するしかない。
どの作品もそういう面は有ると思うが、映画や小説の手法でによって作者は伝えたいことを描いていると感じたのだった。

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