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月下の一群

ご無沙汰しています。貴族です。


鬼滅、面白かったよね。
電子書籍で纏めて買って年末年始に漸く一気読みしました(何周回遅れだよ)


最近電子書籍の良さを再認識してるんだとポソっと言ったらユビキタスだねと家のものに言われました。ほんとそれ。

移動とかの隙間時間でいつでもどこでもさっと読めて便利。正にユビキタス。

99%セールなどしてるから赤毛のアンシリーズ全巻や宮沢賢治などを含め16冊纏め買い→ランク上がってまたセールクーポン届く→纏め買い、という循環が出来あがってしまった。当分読み物には困らないでしょう。忘れていた読書熱が復活。

元々自分の図書を人に共有することは、思考を丸裸にされるようで恥ずかしくてあんまり好きじゃないほう。でも共有することで思わぬ共通項がある人を見つけて楽しかったりもするのでこの見極め(人選とか)が重要だったりもする。

ここ一年くらい高校生くらいぶりでマンガも読んでいる(ユビキタスで)

今回吉野朔実さんの最後の作品集を買った。亡くなったことを信じたくなくてずっと手にする事が出来なかった。もう数年前なのに。買ってはみたものの少し怖くてまだ読めていない。彼女の過去作品もいくつか買って先にそちらを再読してる。
今日は月下の一群を読んでいて、すごく好きなシーンを思い出した。

主人公の女の子がぶっきらぼうな彼に会いに行く時おにくを買っていくんです。

彼女は花や月を愛するような夢見る乙女。手土産におにくを選ぶ感じがあまりリンクせず10代の頃読んだ時はピンとこなかったけれど、何かハッとした。愛する人に美味しいものを食べさせたい気持ちって究極の慈愛だなって。

もう一つ好きな場面があって、彼女が彼を失いかけている(と思い込んでいる)時に友人と話すシーンで、切花は花の死骸を集めているようで悲しくなるからいつからか集めるのをやめた。自分は根のある花のほうが好きなだけ。たとえ独占できなくても生きているほうがいい。
というニュアンスのことを言うんです。

吉野朔実作品は純文学だなと読むといつも思う。

怖いと言ったのは、初期作品のような優しいストーリーの中でふんわり示唆に富む感じではなく、後年作品はより表現の技法が凝っていて読後に絶対衝撃を受ける作りになっているから。恋愛的瞬間もタイトルとは裏腹で読み終えてから暫く考えこんでしまった。エキセントリクスもそう。心理学の勉強でもしようかしら。怖いけれど吉野さんの作品は全て読みたい。きっとそうする。

私のユビキタス書庫にはハチクロとJOJOと鬼滅とドストエフスキーも入っていてちょっとカオスで可笑しい。



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