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なぜグランドナショナルはそんなに特別なレースなのでしょうか?

この記事は the Sporting.blog に許可を得て
What makes a day at the Grand National so special? の記事を翻訳して掲載しています。


グランドナショナルは世界一有名なレースです。エイントリー競馬場で過ごす1日は伝説と言っても過言ではありません。

エリー・ウィリアムズ氏が、現地にて、グランドナショナルでの1日がなぜ2つとない特別な催しなのか、そしてなぜレースの外でもスーパーヒーローが存在するのかを教えてくれます。

グランドナショナルは、文字通り国を挙げてのレースであり、多くの人にとってこの障害レースの最高峰を見るのが家族の伝統であり、パーティや集まりを開きます。毎年エイントリー競馬場で開催されるこのレースが、メインのイベントかもしれませんが、それ以外にも多くのことが行われています。テレビで見ることができるのは、この物語の一部に過ぎないのです。

グランドナショナル 期待感

世界最高峰の競馬レースが行われるエイントリー競馬場の前に立つと、今朝、眠りから覚めようとした苦労も、すっかり忘れてしまうぐらいの興奮です。今朝、東から昇った太陽は、空にあるわずかな雲を寄せ付けず、ますます暑さを増しています。エイントリーの街角で、人々が行き交う美しい光景を眺めていると、太陽の暖かさと同じように、私の心も暖かくなってきます。

朝起きてから今までの間に、色鮮やかなスパイダーマンスーツを着た紳士とコメントを交わしたり、シュレックのブレザーを着た男性と自撮りしたり、ホットドッグスタンドで白雪姫と七人の小人の仮装をしている人たち後ろの列に並んだりしました。そう、グランドナショナルは仮装なしでは語れないのです。しだいに時間は経過し、正午になりました。そろそろ、15万人の観戦者の中で席につき、初めてのエイントリー・ビールを味わうときが来たようです。

レースの前の準備

私はエンバンクメントエリアから観戦することを選びました。
エイントリーを象徴するこのエリアは、有名なメリングロードの上方にあり、特にその素晴らしい雰囲気について良い話を常々耳にしていました。
この敷地内に入った瞬間、自分の選択は間違っていなかったと確信しました。
きっとヨーロッパで一番長い、この期間だけ設置されたバーに場所取りできただけで、パドックやグランドスタンドに入れなかったことはどうでもよくなりました。 私はバーに腰を下ろし、周囲を見渡しました。さっき自撮りをしたシュレックも、競馬新聞に没頭しています。

ビールを飲み干し、エンバンクメントにたくさんある馬券購入施設のひとつに足を運ぶことにしました。ペンで馬券に記入をするにつれて、期待がどんどん膨らんでいきました。レース予想をしながら、英国で最も難易度の高いであろう競馬場で、競馬予想屋さんと、勝手に競っていました。

私は頭がおかしいのでしょうか?でも、1世紀半以上も続いている歴史と伝統に彩られたこのイベントで、私は馬券を買って自分の役割を果たしたのですから、そんなことは気にしません。

馬券を買うため、20ポンド札の束を渡すと、エンターテイメントコーナーにある巨大なスピーカーから、ABBAの「The Winner Takes It All」の曲が流れてきました。何かの前兆かもしれません。

最初のレースが30分後に迫っていたので、私は巨大なテレビの前に陣取り、その日賭けた7つのうちの最初のレースが、私に幸運をもたらすのか、それとも幸運から見放されてしまうのかを確かめようとしました。

ビッグレース

5レースが終了し、5枚の馬券が紙吹雪になりました。
とはいえ、次のレースは、ここにいる全員がこれを見るためにやって来たと行っても過言でないグランドナショナルなので、更に胃が痛くなる思いでした。
かつてバイキングの集落だったエイントリーには、デーン人の暴れ馬に代わって15万人の競馬ファンが集まっていました。
スタートラインで旗を持った紳士に全員が注目しています。
グランドナショナルについて事前に詳細な情報や話をたくさん聞いていましたが、ついに実際に体験する瞬間がきました。
スタートの旗が振られる数秒前、不気味な静寂が訪れたと思ったらその直後に轟音に変わり、一瞬、足が浮いた感覚がありました。それが今、目の前で繰り広げられているのです。私は、40頭の馬が4マイルに及ぶ30の障害物のうちの最初の障害物に向かっているのを目の前に見ました。
私が勝つと予想し、選んだシルバーバーチが先頭を走ると、私の胃袋は締め付けられるようでした。ラストから3つ目の障害物付近で2番手に上がり、ホームでストレート1馬身リード。あとはゴールまでの500ヤードの過酷なホームストレートが待っているだけでした。シルバーバーチが4分の3馬身前のポストを通過したとき、私の胃痛が解け、レースの最後の30秒止めていた息が、緊張で痛んでいた肺から吹き出したのでした。

その瞬間、グランドナショナルが何たるかを実感したのでした。人々の喜びの表情を目の当たりにしました。そこには、銀行員から花屋まで、経営者からショップ店員まで、さまざまな人々の喜びの笑顔がありました。これは単なるレースではなく、世界最高峰の競馬を観戦するために人々が集結するイベントなのです。さあそろそろ、家に帰って、バットマンのスーツを脱いで、賞金を数えましょうか。

*カバー画像提供:Door2Tour

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