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万発兄さんの動画を見て思い出した「本当にあったちょっと怖い詐欺広告」


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万発にいさんかく語りき

若い方はよく知らないかもしれないが、大崎一万発といえばパチンコ必勝ガイド(白夜書房)にバイトで入り込み、編集長まで登り詰めた人物である。

昔は地上波のバラエティ番組や深夜番組でパチンコ特集が組まれる事が多々あり、そうした番組にしょっちゅう "情報通" 的なポジションで出演していた。

懐かしのTVチャンピオン(テレビ東京)のパチンコ回では連覇を果たすなど、知識も技術も一流である事を証明した最も実績のあるパチンコライターであると言っていいだろう。

そんな万発にいさんはパチンコ・パチスロの裏話にも精通しており、裏モノや闇営業系のお話にもとても詳しい。


そんな万発にいさんのYOUTUBEチャンネルで公開している動画の中に、攻略集団として名を馳せた梁山泊について語っている回がある。3年も前の動画なのだが、語ってる内容はそれより遥か昔の話なので、今見てもそれほど違和感はないはず。

どんな内容かというと、前半はよく知られている "攻略集団としての梁山泊" のお話で、これについては特に新しい情報はないのだが、問題なのは後半の "梁山泊を騙る何か" に関する話題だ。

これについては私もちょこっとだけ関わってしまった事があり、今回はその懺悔のような話になる……と思う。

という訳で、まずは万発にいさんの動画を見てね。
その前提で話を進めて参る。


ネット広告と詐欺とオレ

知っているひとは知っていると思うが、私は20年近く前に探偵ファイルという当時モンスターサイトと呼ばれていた膨大なアクセス数を持つ情報サイトでプロデューサーという立場にあった。

2004年頃には、探偵ファイルとそのアダルト版と2つのサイトの広告売上げが4,000万円(月)ほどあったので、当時としてはかなりの荒稼ぎをしていたと評価できるだろう。

ただ、そういう金額を稼ぐということは、それ相応にいかがわしい話にも手を出さないといけないわけで。

私は表に出る記者というより裏で色々なひとと会ったり、広告代理店と交渉ごとをしたりといった仕事が多かったため、その手の社会の裏側に接する機会が多かったのだが、その中に「詐欺広告」というものがあった。

一口に詐欺広告と言っても内容は様々で、ニセ科学の健康食品もあれば出会い系の類もあったし、「ゼッタイ儲かる!」的なギャンブル攻略法など、金銭欲や性欲に絡む物がとにかく多かった。

00年代前半はまだネットユーザーがスレていなかったので、そうした今では即通報事案な広告であっても引っ掛かる人間が多く、探偵ファイルはネット広告業界で「未だに語り草になるレベルの伝説のボロ儲け媒体」だったのである。

そんなサイトの裏方をやってるとなると、黙っていても広告屋や金主の方から近づいて来るのだが、お陰であの当時どの辺の人達がどういう悪さをしていたのかよ~~く把握できていた。

その中のひとつに万発にいさんの動画で触れられている「梁山泊じゃないはずの梁山泊」が売る、パチンコ・パチスロ攻略法があったのである。


梁山泊じゃない梁山泊とオレ

2003年~4年頃だったと思うが、探偵ファイル記者のYと世間話をしている際にこんな話が出た。「荒井さん、そういえばパチンコ攻略法の広告が入るみたいですよ」と。

その当時からしても、すでに技術介入による攻略法というのはほぼほぼ詐欺というのが定着していたので、「またインチキ広告か~。どこのヤクザが持ち込んで来たのよ?」などと返したのだが、その次の言葉が衝撃的だった。

「梁山泊って有名なところがクライアントなんですって」

私はその当時、白夜やコアマガジンといったいかがわしい情報を扱わせたら右に出る者のいない出版社とお仕事をしており、パチンコ業界・裏モノ業界・地下カジノ業界(闇パチ含む)についてはそれなりの知識があった。

パチ系雑誌出身のゴロで、自身でも闇パチ屋を経営するようになり、ヘマして飛んだなんて裏ドラ乗って役満みたいな知人もいたほどだ。

そんな私からすると、その当時すでに梁山泊というのは過去の存在になっており、ああいったガチ系の攻略法はすでに通用しない時代になっている事は重々承知していた。

例外として、メーカーが台を作る際にとんでもないバグを乗せてしまい、気付かず出荷して大惨事という事は定期的にあったが、攻略集団である梁山泊がやっていたような、「台を研究し尽くして仕様を見抜いて確実に攻略し続ける」という手法は事実上封じられていたのだ。

あっても体感器を使った吉宗攻略のようなゴト行為で、それは明らかな犯罪行為である。元祖の梁山泊がやっていたのはそういうものではなく、あくまで台のプログラムの穴を突くような攻略法(合法)だったのだ。

そうした合法な攻略法が何度かの業界規制で封じられてしまい、万発にいさんが言うように梁山泊という集団もいつしか散り散りになっていたのだが、その梁山泊名義でパチンコやスロットの攻略法を売る連中が現れ、それが探偵ファイルに広告掲載を頼んで来たのである。

(この梁山泊を名乗るひとたちはいったい誰なの……?)

あまりにも胡散臭かったが、そもそも探偵ファイル自体が限りなくブラックなアングラ媒体であるし、断る理由はないのだが、それにしても私はその攻略法の内容が気になってしまった。

そこで、なんやかんや理由をつけて、自称梁山泊さんに「リスクがある内容だと思われますので、広告の審査をさせて頂きたいので、何かサンプル商品をお送りください」とお願いしてみた。

すると割と簡単に「部外秘ですよ」という注意だけで、数日後には紙に印刷された攻略法が送られて来たのである。

それを読んでみると、主となるのはいわゆるセット打法と呼ばれるもの。普段は絶対にやらないような動作を行うことで、永久に連チャンするだのなんだのといったアレである。

たとえば

コインを手入れで3枚ずつ入れて8ゲーム回す。その間に小役が揃ったらコインを払い出して最初からやり直し。無事に8ゲーム間なにも小役を引かなかったら、コマンド受付状態になる。

あとはBETボタンを押す前にレバーを下に3回素早く叩き、MAXベットし、右ボタンを押しっぱなしにしたままリールを回す。すると……

みたいなやつ。

まあ明らかにインチキなのだが、中にはそうとも言い切れない恐ろしいネタがシレっと掲載されている場合もあった。

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