長く続く「プロアマ論争」の最新版が転売ヤーと迷惑YouTuberではなかろうか
相次ぐYouTuberへの社会的制裁
このところYouTuberが起こす事件・訴訟の類が急増している感がある。直近のものに限っても、少し検索しただけでボロボロボロボロ出るわ出るわ。
他には炎上商法の代名詞であるシバターも、競合であるパチンコ実践系のYouTuberに対して「あいつはアクセス数を金で買ってる」などと暴言を吐き、何度もしつこく挑発動画をアップした結果、訴えられて書類送検されるという事態になっている。
こんな状況で、またもYouTuberがヤラかして賠償金の支払いを命じられたというニュースが流れていた。内容はよくあるイキリ系YouTuberが調子こいたというだけの話なのだが、あまりに加害者達の態度が悪すぎ、76万円というそれなりの賠償金額になってしまったようだ。
このトラブル自体は2019年に起きたそうだが、被害者が動画に気付き、弁護士に相談して訴える事になったのが2020年。そして2021年3月に、東京地裁でYouTuber側に約60万円の賠償金の支払いが命じられた。
しかし、被告らが性懲りもなく挑発動画をアップしてしまい、原告側も「これじゃ収まらん」と、さらに賠償額を上乗せしてネクストステージへ……という展開に陥ったようだ。
その後、今年8月に東京高裁で和解が成立し、賠償金76万円の支払いで手打ちになったという。
こうしたヤラかしたYouTuberによく見られるのが、大人しくしていればいいのに、チャンネル登録者(視聴者)へのポーズを最優先し、挑発めいた動画をアップして話がこじれにこじれるという展開だ。
これは裁判官からすれば心証最悪のこれ以上(以下?)はない悪手なのだが、この手のバカYouTuberは「法とはまた別の理」で動いているため、実際に最悪の状況に陥ってみないと、どうしてそれがダメなのかが分からないようだ。
ところが、こうした一般常識やモラルの欠如した連中だからこそ、一定数の支持(数字)を集められるという事実もある。そしてそんなヤツらの支持者達は決まってこのような台詞を吐くのだ。
「TVはつまらない」
「YouTuberの方が過激で面白い」
「タレントよりも距離が近い」
このような声に後押しされて、暴走YouTuberはタレント化し、自分達が持つ数字を維持する事を最優先するようになり、今日も明日も事件が起きるのである。
思い出す「商業誌か同人誌か」のプロアマ論争
私の場合は、20代の頃(今から20年前)に探偵ファイルというモンスターサイトのプロデューサーをやっており、そのサイトこそ「この手の迷惑YouTuberの元祖」なので色々と思うところはあるのだが、そこを語っても話が明後日の方向にすっ飛ぶので、もう少し万人にとって理解しやすい話をしたい。
探偵ファイルの元編集長の山木と私は息子が同い年なので、今ではパパ友として付き合っている(ほら話がすっ飛んだ)。
それはさておき、昭和50年生まれの私の世代だと、こんな話を聞くと【同人誌vs商業誌】のプロアマ論争を思い出すのではなかろうか。
「商業誌は面白くない」「表現の自由がない」「人気優先で内容が画一化されている」……そんな声があり、それと比較すると同人誌は規制が少なく、作家の思うがままに作品を作れるから良いのだといった意見がとても多かったのだ。
それに対して「プロ(商業)の世界で勝負できないヤツが描く同人誌に何の価値があるのか」「アマチュアが無責任に描いた作品など便所の落書きだ」なんて反論もあり、こうしたやり取りが【プロ(商業誌)vsアマ(同人誌)論争】として長く続いていた。
YouTubeとTVを比較してどうこう言う声の中には、この商業誌と同人誌を比較していた時代と全く同じものが目立つ。
しかし、商業誌vs同人誌の抗争と全く違う部分もあり、その最たるものは「法律知識のなさ、遵法精神の欠如が巻き起こす事件率の高さ」だと断言してしまっていいだろう。
商業誌と同人誌という比較の場合、同人誌だけが暴走して事件を起こしたなんて事例は殆どない。何故ならば、焼かれる時(主に差別表現やエロ表現)は商業誌も同人誌も等しく焼かれて来たからだ。
ところが、表現媒体がYouTubeになった途端に、歯止めが効かずに法を踏み越える連中が続出してしまった。それがどうしてなのか理解するのに、紙媒体よりも適任な業界がある。
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