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【クラゲ水槽のひみつ】普通の水槽ではクラゲは飼えません!
はじめに
こんにちは、元水族館飼育員のohamiです。
「ふわふわ、ぷかぷかした姿に癒される!」水族館の人気者となった「クラゲ」。
近年のクラゲブームにあやかり、いろんな水族館でクラゲ飼育に力を入れるところが増えました。
実はクラゲのいる水槽には魚の水槽とは違った工夫がたくさんあります。
「クラゲの水槽って他の水槽となんか雰囲気違うなあ」と思いませんか?
この記事ではクラゲ水槽の秘密をご紹介します。
3つのひみつ
クラゲの水槽が魚の水槽と違うところは、大きく分けると3つあります。
①水槽の中に水の流れ(水流)を作っている
②1つの水槽に1種類のクラゲしかいない
③海藻や岩などがなく殺風景
これらを解説していきます。
①水槽の中に水の流れ(水流)を作っている
クラゲはプランクトンです。
つまり、水の流れに逆らって泳ぐことはできません。
逆をいえば、水の流れがないと泳ぐことができません。
クラゲ水槽を見るときはぜひ、水槽からすこし離れて水槽全体をながめてみてください。
ゆっくりとクラゲは水槽の中をぐるぐる回っているはずです。
これは、水槽の中に水流を作っているからなんです。
魚の水槽も水流をつくっているものもありますが、クラゲの水槽のように水槽全体をぐるっと回るような水流をつけているところはほとんどありません。
では、この水の流れがないとどうなるのか。
クラゲは水槽内をうまく漂うことができずみんな下にしずんでしまいます。
最近はクラゲ用水槽も売られていますが、うまく水槽の中に水流を作れるように工夫された水槽になっています。
②1つの水槽に1種類のクラゲしかいない
水族館の水槽をパッと思い浮かべて見てください。
水槽にはいろんな種類の魚が一緒に泳いでいますよね?
「あの魚なんだろう?どこに名前が書いてあるんだろう?」と探すこと結構ありますよね。
クラゲの水槽は、すぐに何クラゲなのかわかります。
だって水槽にはクラゲは1種類しか入っていませんからね。
水槽にある名前の表示板を見たらすぐにわかります。笑
同じ水槽に2種類以上のクラゲが入っているのを一度見たことがありますが、クラゲを飼育するうえで1つの水槽に1種類というのは大原則です(飼育や展示の工夫で例外もありますが…)。
なぜかというと、クラゲは毒針を持っています。
少し詳しい話になりますが、正しくいうと、「刺胞動物」に入るクラゲはすべて毒針を持っています。
カブトクラゲやウリクラゲなどのキラキラ光っているように見えるクラゲは「有櫛動物」に入るクラゲで毒針は持ちません。
一般的にイメージするカサがあってそこから足のような触手がはえているようなクラゲは「刺胞動物」のクラゲなので、水族館にいるほとんどのクラゲは毒をもっています。
(↑ カサから触手が生えたいかにもなクラゲ)
クラゲのもつこの毒針、実はクラゲの意思とは関係なく何かに触れたら毒針が発射される仕組みになっています。
夏に海水浴に行ってクラゲに刺されちゃった…ということありますよね。
クラゲの方も刺したくて刺したわけでなく、触れてしまったので毒針が発射されてしまったんです。
クラゲには悪気はないんですよ。(笑)
クラゲの毒針は不思議で、同じ種類同士のクラゲは大丈夫なのですが、違う種類のクラゲだと毒の強い方が勝ってしまいます。
中には他のクラゲを食べるクラゲも結構います(これ知った時びっくりしました笑)。
そのため、同じ水槽には1種類のクラゲしか入れられないのです。
③海藻や岩などがなく殺風景
魚の水槽には海藻やサンゴ、岩があり魚が隠れたりその周りを泳いだりしていますよね。
クラゲの水槽は基本的に何も入っておらず殺風景です。
水槽の中はクラゲだけです。
これはクラゲが海のどんな場所で生活しているのか、考えてみるとわかります。
クラゲは基本的に障害物が何もない広ーい海を漂って生活しています。
流れに逆らって泳ぐことのできないクラゲは水槽の中に障害物となるような海藻や岩を入れてしまうと体をぶつけたり絡んだりするので、わざわざモノを水槽の中に入れません。
海でも海藻に引っ付いているクラゲもいるのでそれは例外ですが…。
まとめ
このように、クラゲの水槽には意外とたくさんの工夫がされているんです。
水族館のクラゲ水槽をよーく観察していると、ほかにも気づくことがあるかもしれません。
それぞれの水族館で工夫していることもきっとあるので、比べてみても楽しいかもしれません。
クラゲがプカプカしている姿をながめたり、写真を撮ったりするのも楽しいですが、見方を変えると新しい発見があるかもしれません。
いろんな発見を見つけてみてください。
あなたの水族館ライフがより楽しいものになりますように。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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