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商業高校から関関同立を目指す方法

YouTubeで商業高校からの大学進学する方法をご紹介している者です。
今回は、商業高校から関関同立を目指す方法についてご紹介します。

今回ご紹介する入試は、一部を除いて、商業高校の勉強を頑張った人であれば、誰でもチャンスのある入試です。
記念受験の類ではなく、商業の勉強をしっかりと積み上げてきた商業高校生が現実的な可能性を見いだせる入試に絞ってご紹介します。

以下の入試に焦点を合わせることで、商業高校から関関同立を目指すことができます。


1.指定校推薦

まずは指定校推薦です。
この入試の最大の特徴(メリット)は、「校内選考での内定≒(よほどの事情のない限り)大学合格」という点です。
もちろん、100%絶対合格というわけではありませんが、指定校より高い確率で合格できる入試はまずありません。
私の知る限り、医学部を除き、指定校で不合格になっている統計をほとんど見たことがありません。

校内選考の基準は各校により様々ですが、評定平均、検定・資格試験の合格状況、欠席日数などはどの高校でも考慮されると思います。
私の出身高校(商業高校)では、同級生の話から、評定平均が最も重視されているような印象を受けました。
指定校推薦を少しでも考えている場合、1年生から定期試験で高得点を取り続ける必要があります。また、課題(提出物)なども抜かりなく提出する必要があります。

指定校推薦のデメリットは、高校によって指定校の枠の有無が決まるという点です。つまり、「あの学校は関関同立の指定校枠を持っているけど、うちの学校には一つもない」という場合があるということです。
YouTubeを通して様々な相談を受ける中で、商業高校であっても、関関同立・MARCHの指定校枠を持っている学校があることは確認しています。
ちなみに、私の出身高校には一つもありませんでした 笑
ぜひ一度、在籍されている学校で確認されることを推奨します。

2.全商協会特別推薦

この入試制度は、商業高校生の利用できる特別な入試です。
進学校ではなく、商業高校に進学したからこそ利用できる入試ですので、チャンスのある人はぜひ検討してみましょう。
以下、全商推薦で進学できる関関同立の学部です。

・関西大学 商学部 5名
・関西学院大学 商学部 5名
・立命館大学 経営学部 経営学科 15名
・同志社大学 商学部 3名

参考:全商協会「令和6年度 高校の商業教育」p.8

最も特筆すべきは、立命館大学経営学部に15名の枠が設けられているという点です。関大・関学・同志社に比べて多くの枠が設けられているため、チャンスがあると言えます。
反対に、同志社大学商学部は3名のため、高い成績の求められる全商推薦の中でも、さらに高い成績が求められると考えた方が無難です。

この入試制度は一般に情報が広く公開されていないため、確かな資料に基づく情報ではありませんが、私自身、この入試は指定校推薦に近い性格の入試であると考えています。
つまり、校内選考・都道府県の選考を経て、最終的に協会の選考で内定を得られれば、高い確率で大学に合格できる入試であると考えられます。
ただし、全国から成績優秀な商業高校が応募してきますから、最終的に内定を得るためには、かなり高い成績(評定平均や全商検定の合格状況など)を収める必要があります。
商業高校の勉強を頑張った人に対するご褒美のような制度ですので、今までの成績・実績を最大限活かしたい人におすすめの入試制度です。

3.公募推薦入試等

次に、公募(=指定校ではない)かつ商業高校生が受験しやすい関関同立の入試をご紹介します。
実施されているのは、関西大学商学部と関西学院大学商学部です。

(1)関西大学 学校推薦型選抜 商学部公募制推薦入学試験

この入試の特徴は、日商簿記2級や全商簿記1級、情報処理検定1級のような商業高校のカリキュラムから取得可能な検定を活かせるという点にあります。なお、必要な評定平均は「4.0以上」です。
単に評定平均だけで出願資格を設定されるよりも、商業高校のカリキュラムで取得可能な検定・資格が設定されることにより、ライバルとなる受験生が減少するため、商業高校生にとっては有利な条件であると見ることができます。

出願資格が厳しいということは、その分、ライバルも少なくなり、出願資格を満たすことができれば、より合格可能性の高い入試を受験できる権利を得られるということです。このメリットはあまり意識されていないように思います。
特に、全商簿記1級や情報処理検定1級のような全商検定が出願資格に設定されている入試の場合、普通科の進学校の生徒はカリキュラム上、この要件を満たすことが難しくなります。
つまり、ライバルとなるのは自分と同じカリキュラムで勉強してきた、商業高校生や商業科目を勉強してきた総合学科生ということになります。
このような入試では、一般入試とは異なり、普通科の進学校の生徒との競争にはなりにくいというのが利点として考えられます。

ただし、この入試では、英検などの英語関連の検定試験に合格していることも出願資格に含まれているため、英語の準備は抜かりなく行う必要があります。
商業高校生であっても、難関私立大学や地方国公立大学を目指す場合、英語だけは進学校の生徒に匹敵する、あるいはそれ以上の実力を身につける必要があります。
そうでなければ、こうした入試を受験するチャンスを逃してしまうからです。
「志望理由書・小論文・面接には自信があるのに、英語ができないために自分の本当に行きたい大学の入試にチャレンジすることができなかった」という事態はあまりにも勿体ないため、できるだけ早い段階で、優先的に英語関連の検定試験に合格することを推奨します。

英語には様々な検定試験が商業高校生におすすめなのは、全商英検1級です。
関大商学部公募推薦にも、幸い、全商英検1級が含まれています。
全商検定の中では難しいとされる検定試験ですが、必要な準備をしっかりと行えば、高校2年生までに合格の目指せる検定試験です。
実は商業高校生の受験しやすい公募推薦(かつ、一般入試の難易度が高い大学)では、全商英検1級が出願資格に設定されていることが多くあります。
一般入試の難易度の高い大学になればなるほど、商業高校生向けの入試であっても、英語を出願資格として求められる傾向があると私は見ています。

ここまでが「出願資格」について話してきました。
誤解を招きやすいのは、検定試験や資格試験はあくまでも入試を受験するための出願資格に過ぎないということです。もちろん、アピールの仕方によっては面接で考慮されることもありますが、検定や資格の合格が、大学入試の合格を決定づけるわけではありません。
むしろ重要なのは、「志望理由書小論文面接」です。
特に、小論文は手薄な人が多いため注意です。
逆に言えば、しっかりと準備をすれば差をつけることも、さほど難しくないとも考えることができます。

参考:「2025年度 関西大学 学校推薦型選抜 商学部公募制推薦入学試験 入学試験要項」p.2

(2)関西学院大学 学部特色入学試験

商学部では、「高等学校商業科等を卒業見込みの者」が出願資格となっている区分があります。
商業高校生であれば、この区分での出願をまずは検討すべきでしょう。
この入試も、日商簿記2級や全商簿記1級、情報処理検定1級などの商業高校のカリキュラムで取得できる検定試験を活かすことができます。
また、関大商学部と同様に、英語関連の検定試験にも合格していることが要件に含まれています。
ただし、必要な評定平均が「4.3以上」と高いため、より入念な準備が定期試験の段から求められます。

参考:「関西学院大学 学部特色入学試験要項 2025年度」p.12

4.その他の入試

最後に紹介するのは、立命館大学経営学部「経営学部で学ぶ感性+共通テスト」方式という入試です。
この入試の特徴をまとめる以下の通りです。

・共通テストを受験する必要があること
・合格には3科目で「65%(合計得点390点)以上」を得点する必要があること
・共通テストとは別に、独自試験「記述試験」(100点満点)が課されること

参考:立命館大学『入試ガイド』pp.26-27

この入試で合格するには、共通テスト3科目で65%以上を得点する必要があります。最終的には、65%以上を得点していることを前提として、記述試験(100点満点)で合否が決まります。

商業高校生がこの入試を目指す上で問題となるのが、共通テストです。
商業高校は普通科とは異なるカリキュラムのため、進学校のように学校の授業がそのまま共通テストの準備になるわけではありません。
この入試では、英語が必須とされています。
関関同立を目指すのであれば、やはり英語は避けられません。

残り2科目でおすすめなのは、国語理科基礎(生物基礎・地学基礎)です。
国語は「近代以降の文章のみ」(つまり、現代文のみ)とされていますから、古文漢文を準備する必要がなく、負担はそれほど重くありません。
現代文であれば、商業高校生であってもカリキュラムの違いによる不利はそれほどありません。

次に理科基礎ですが、理科基礎は中学理科+αの知識で十分に解けますから、現代文と同様に、カリキュラムの違いによる不利がほとんどありません。
また、生物基礎と地学基礎であれば、計算よりも暗記で解ける問題の方が多いため、計算が苦手な人でも70%から80%を目指すことができます。
計算問題に関しても容易な問題が多いため、しっかりと準備を行えば計算問題で点数を取ることも十分可能です。
こうした理由から、商業高校生がこの入試を受験する場合、英語以外の2科目は、国語(現代文)と理科基礎(生物基礎・地学基礎)がおすすめです。

このように、商業高校からであっても、商業高校での勉強を活かせる入試を選択することで、関関同立のような一般入試で一定の倍率のある大学であっても、現実的な可能性を持って目指すことができます。

今回の記事の内容は、以下の私の運営するYouTubeでも視聴することができます。

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【執筆者】
・商業高校卒業ながら、苦節10年、京都大学卒業。
・商業高校生専門の大学進学塾「進学塾おはぎ」代表。
・YouTube「商業受験戦略チャンネル」運営。
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