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長期投資で忘れてはならないこと(エアトリを例に)

通常、個別企業の分析はこちらに書いてますが

今回は個別企業への分析というよりも、
投資家が忘れてはならないこと
考えるべきこと

という視点で
”とても当たり前のこと”
を書きます。
参考例として

6191 エアトリ
を取り上げる。

取材させていただいたこともあり、大変丁寧に対応していただいた。
魅力的な企業。

航空券予約サイト「エアトリ」を運営。
以前、よくCMも流れてましたね。

エアトリ どんな会社か

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*monexサイトより

オンライン旅行事業だけでなく、ITオフショア、投資事業も行う。
売上割合はオンライン旅行事業が86%を占める。

まず、主力事業の状況を確認することが重要です。

足元の状況 回復傾向

今、コロナ禍の影響で、旅行などの人の動きが止まってしまい、前期は営業赤字を計上しました。
今期は第1四半期から毎四半期黒字となっている。

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投資家は何に投資するのか

長期投資は複利の力を活かして、時間とともに大きな利益を生み出すこと
例えば、10%の利益を生み出す企業に10万円投資をすれば、企業は1万円利益を生み出す。
企業はその利益を合わせた11万円を再度投資すれば12万1千円になる。

その繰り返し”複利効果”を期待して投資をする

同社に投資をする場合、
売り上げの大半を占めるオンライン旅行事業に投資する
という意識だろうと思います。
収益性の高いオンライン旅行事業が複利で利益を生み出してくれれば・・・・と

企業は何に投資しているのか

生み出した利益をちゃんと投資しているかどうかは
キャッシュフロー計算書を見ます。

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これだけを見ると総額しかわかりませんが、
・フリーキャッシュフロー(黄色)は連続赤字
・営業活動によって生み出される資金(青色)だけでなく、
 新株予約権の発行、長期借入金による資金調達(緑色)を行い、
 積極的に投資されている。

投資されている先はどこか

有価証券報告書を見ると、オンライン旅行事業に関連する企業へのM&Aなどの記述もありますが、同社が掲載している投資事業の投資先一覧には旅行とは関係のない企業も多く見られます。

*有価証券報告書

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旅行関連企業もあるようですが、関係のない企業も多いようです。

有価証券報告書において事業内容についての説明は以下の通り。

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旅行業界に関連するような記述はあるものの、こだわっていないような記述もあります。実際に投資先一覧に現れていますね。

ITオフショア事業ではゲーム開発もしているようです。

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エアトリ”リ・スタート”

同社はFY21.9期を第2ステージの始まりと定義
エアトリ旅行事業だけでなく、ヘルスケア、投資事業、メディア事業、訪日旅行事業・WiFi事業、ITオフショア事業で成長する。
としています。

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同社への投資はマネジメントへの投資

繰り返しになりますが、
私たちはその企業に複利の効果を信じて長期的な企業価値の拡大に期待して投資をしています。

長期で見れば同社が生み出す付加価値において
得意分野であったオンライン旅行事業
の割合は小さくなります。

一方で、新たなチャレンジの事業の割合が大きくなる。

つまり、同社に投資するときに考えるべきは
旅行事業に投資するのではなく、
同社のマネジメントに投資する
と考えたほうがよいということ。

言い換えると
・マネジメントによる企業選別能力
・投資先企業の建て直し

といったものに期待をして投資をする。
ということではないでしょうか。

短期的には
”アフターコロナ”銘柄
ということで話題になるかもしれないが
極めて短期的な話であり、長期的な同社の企業価値においての重要度は小さくなる。

企業への投資、オフショア開発、などのリスクとリターンに投資をしているという意識を持つことを忘れてはいけない。

投資家は

”自分が何に投資をしているのか”
”その投資対象にはどんなリスクとリターンの要素があるか”

を明確にすることを忘れてはならない。

とても当たり前のことですが。

最後に
フォローするわけではないですがw
マネジメントの方々をよくご存じの方と話したところ、同社のマネジメントは非常に優秀で、どんな企業に成長するか(化けるか)とても期待している。と言っていました。同社に投資する場合、事業だけでなく、マネジメントの方々を知ることが重要だということです。

*ここまで読んでいただきありがとうございます。
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