狂四郎2030が面白い

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 とにかく「狂四郎2030」が面白い!!!

 あまりに面白すぎて毎晩引き際がわからず寝不足になりながら読み耽った「狂四郎2030」のここが面白い!!!というのをどこかに書かないともう感情が爆発しそうだったのでここに書きます。

1.舞台設定がやばい

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 タイトル通り、2030年の日本が舞台になっています。第三次戦争が終わって5年、荒涼とした砂漠が広がる貧しい土地で人々は生きています。大多数の人々は「オアシス農場」と呼ばれる男女別の大規模官営農場に収容され、しゃかりきに働き、一日の最後にはぼろぼろの自宅テントに帰って夜を楽しみます。

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 仕事のできのいい人間には国から「バーチャマシン」が与えられ、夢の中で思いのままにセックスができます。それを求めて人々はつらい仕事もがんばります。そんなすごいマシンを支給してくれるなんて、すばらしい国ですね。

 そのうえ、食べ物もなく、貧しい暮らしをしている一般人ですが、仕事をがんばりまくって政府に認められると「シティ」に入ることができます。

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 入りたいな~~シティ。排出されているゴミを見るに、中ではとてもいい暮らしができるようです。病人や働けなくなったお年寄りも優先的に入ることができ、毎月何千人もバスでシティに入っていくそうです。国民はとても国から大事にされています。すばらしいことですね。

 と、ここまでの情報は1巻の序盤も序盤をかいつまんだ話であり、この狂四郎2030の世界がとてつもなく歪んでいるということが漫画全編を通して残酷に、そして綿密に描かれています。

2.狂四郎がやばい

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 例の漫画のこの右側で笑っている黒髪の少年が、狂四郎(子どものころのすがた)です。狂四郎、一言でいうとめっっっっっちゃくちゃいいやつです。

 狂四郎は関東の砂漠でおまわりさんとして働いている一般人です。明るく笑顔が似合う、やさしい男です。で、物語の性質上(?)下品なんですけど、バーチャルマシンで会ったとある女性ひとすじで、めちゃくちゃまじめです。セックスをするためのバーチャルマシンで、彼女と出逢ってから初めてキスをするまでに2年かかったぐらいの純情です(2年間はずっと話したり、デートしたりしていた)。

 抜けていたり、ひょうきんなところがあったりで漫画の冒頭から親近感をおぼえさせてからの、ですよ……。

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 とんでもなく強いです。

 どれぐらい強いかというと、3次大戦中にはどこぞの国の生物兵器工場をたった一人で殲滅しただとか、軍の幹部がデータを見てびっくりするほど先の戦争でたくさん暗躍していたということがわかります。そんな狂四郎がなぜただの一介のおまわりさんという身分にしかなれないのかというのは物語の核心の部分にも触れる内容ですので、ぜひ漫画を読んでください。

 でも、ほんと、このギャップが……すごくて……ちょっとオタクの早口聞いてもらっていいですか? ふだんは愛嬌のあるかわいいふつうの人間なんですよ いやふつうって言うには真面目だし性格いいしできすぎてるぐらいで……なのに……戦いにおいてはこんなに非情になれてクールなんですけど私はめちゃくちゃかっこいい~~~ッッッッ……………てなるけどそんなこと考えたら真剣に申し訳なくなるぐらい本人にとっては「人を殺すのがうまい」というのは辛い思い出や過去のかたまりであり、負の遺産であり、同時にコンプレックスでも……ある………!!!それはそうと寸分の無駄の動きもなかろう動きや表情や態度から強さが滲み出てる感じ……あ~~~

つらい・・・・

好きだ・・・・

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 これは私が好きオブザイヤーの狂四郎です。

とにかく主人公の狂四郎がめちゃくちゃ好青年なんですけど、狂四郎2030は「そんな彼が唯一愛しているヒロイン志乃と出逢うための物語」という一本の根幹が真ん中にしっかりと通っているため、話自体が……面白いです!(狂四郎2030が面白いとしか言えなくなった人間の末路)

3.ヒロインがやばい

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 ヒロインの志乃は、狂四郎がバーチャマシンの夢の映像の中で出会った女性です。例のキスするまでに2年かかった相手です。

 この志乃ちゃん………………めちゃくちゃ………不憫です。

 10代のころからいろんな部署の上司にレイプされ続け、それでも強く生きている女性です。とにかく前向きでたくましい女の子で、境遇がかわいそうで仕方ないのに強く生きていて………えらい。

 物語の根幹が「ロミオとジュリエット」なのですが、志乃は囚われているセンターから狂四郎の助けをただ待っているわけではなく、努力をしているさまが随所に見られるため非常に好感が持てます。なんかもうずっと漫画を読みながら狂四郎~~~!!志乃~~~!!幸せになってくれ!!!!!!の感情でいっぱいになります。

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 このページを見た時泣いてしまった………………………

 志乃がなぜ狂四郎を好きになったのか、というエピソードもめちゃくちゃ好きなので漫画を読んでほしいです。

4.登場人物がやばい

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 うしろに映ってる丸顔の師匠が私の好きなキャラクターです。じつはこのシーンは漫画を読むと分かるんですけどとても衝撃的でつらいシーンです。

 この漫画には根幹となる「関東から北海道まで志乃を救うために旅に出る」物語があるのですが、その道中にいくつかの大きなイベントが起きます。そのどれもが強烈で、凄惨で、悲しくて、それでもどこかに光があるような……そういう後味のいい展開になっています。

 劣性遺伝子収容所の話、マインドコントロールの話、人造人間の話、最終の救出作戦……ストーリーの盛り上がりが多くて先が常に気になります。単純な主人公VS敵という構造ではなく、勢力VS勢力に主人公が斬り込んでいく、という構図も面白さの要因のひとつだろうなあと思います。

 狂四郎2030、とにかく面白いので騙されたと思って1巻だけでも読んでみてください。犬も出ます。読んで面白かったら面白かったよって教えてください。げんきがでます。

(記事内の画像:『狂四郎2030』より引用)



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