あれ?そんな急に?③

父がどんどん弱っていくのを家族が必死で追いかけるような日々が続いている。何せ弱り具合が早い。とんでもないスピード感。疾走感。

子である兄姉私は悲しみよりも『おう!幸せに死んでもらおうや』ということで一致しているのだけどずっと一緒に父の病院に付き添ってた母だけが『え?余命って何?????』状態だった(´・ω・)病院で治療すればたぶん治ると思っている世代だったことを忘れていた。
 子の割り切り感と母のウエットな(正しい)悲しみで若干の問題が生まれては消えし、とりあえず今は全員同じ方向を向いている。

病院で説明を受けて病状の資料を見た日からどんどんできないことが増えていく。
昨日持てたスプーンが今日は持てない。
昨日支えれば歩けた一歩が今日はもう踏み出すこともできない。
そして今回初めて家族がこうなったので、介護の世界を初めて覗いている。ケアマネージャーさんの役割も初めて知った。
近所の医院の先生が在宅医療もされている先生だと初めて知った。 
介護認定が間に合わないほどのスピードで何もできなくなっている父へ早急に介護体制が整えられ始め次の日には在宅介護用のベッドが家に入り、本当にありがたいと思った。
そして『給与から介護保険が引かれている甲斐がある』と実感した。

 今は父がやっと自分の体の状態が変わりすぎていることを自覚し始めた(遅い)。肺がんの割には肺や呼吸器のしんどさは今はまだない。ただ自分の体が動かなくなっていくことに戸惑っている。

夜は精神的にも体も状態が悪く、歩いてトイレに行く!行ける!と言い、おむつの壁を越えてくれない。足が動かず100%支えないといけないので介護するほうの腰が腕がクラッシュしかけている。人なんか運んだことがないから父の体のどこを持ったらいいか母も私もわからんままだ。『こういうのの指導できる方、初期にコツ教えに来てくれたらありがたいな』と思う。
そしてトイレまで連れてくのはもう無理ですと白旗を挙げた母娘は昨夜はひたすらベッドの中でトイレに行きたいともがいてる父を1時間ごとに説得するので精一杯。父全然寝ない。強い…
トイレに行かないことで父にどれだけのメリットがあり私たちがどれだけ助かるか、そして今のおむつの性能の良さを深夜に滾々と説いている自分が面白くてにやにやしてしまった。

 しばらく寝て朝になった。たまたま睡眠アプリの寝言・いびき録音にその説得ドタバタ音声が入っていたのでファイルを姉兄に送ったら『できるだけすぐに手伝いに行きます』との返信が来て、いい人たちだなと思った。兄はもともとマメに来てくれているが夜の現在の状態を知ない。そして東にいる姉は、数週間前のまだ動けていた父が最新の記憶だろうからショックを受けるだろう。逐一報告していてもやはり見るとびっくりするから。

 life goes on…

 粛々と目の前の問題を片づけて日々の暮らしを続けることしか私にはできない。悲しいけれどゴールがあるので不安はない。
高齢で介護の船の船長を務めてくれてくれている母のサポートもちゃんとせねば。美味しい物を買って帰って母に無理やり食べさせよう。誰に何の遠慮もいらず両親の世話ができる同居の独り身で良かったと思っている。まだまだいろんな出来事があると思うけど思い返したときに後悔のないようにしようと思っている。

とりあえず今日はここまで


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?